見えないからこそわかりにくい発達障害の特徴

さて、この時、私が最初にやった事は、やらなければいけない事を図にする事でした。
長男と話をする時によく使う方法なのですが、話だけで用件を言っても全部は伝わりません。

最初の1つか最後の1つ。その位しか覚えてないんですね。
なので、図や表、言葉でもいいので、目で見える形に残しながら話をしていきました。
ここまで終わればおしまい、という事をまず最初に認識してもらいました。

そして発表の資料は何を書くのかの目的をきちんと理解していなかったので、
サンプルを見せながら、資料を作る目的を話し、グループの中での長男の役割を聞いてきた通りに伝えました。

そして原稿も、箇条書きにした発表のテーマを一つずつ原稿に書き出していきました。

こうして見えるようにする事と、目的やゴールをはっきり見て理解出来れば、作業はあっという間に終わるのです。

問題は、担任がクラス全員に話して指示を出している事を聞いただけでは理解できない事。そして、「わからない」という事しかわからないので、何を聞けばいいのかがわからない事。
わからないので、なんとなく周りを見て、友達の真似をして同じ事をやっているように長男本人は一生懸命なのですが、わからない事は本人にとって、とてつもなく不安な事なのです。

それが少しずつ降り積もり、ある所で耐え切れなくなって、目に見える形でサインが出る。
今回はそれは「学校へ行かない」という一言でした。

担任の先生が気づいてくれた事

長男が学校を休んで、私が代わりに学校へ行った時、担任の先生に休んだ理由を話しました。

・休み時間が全てつぶれてしまうのはとても嫌だという事。
・発表の作業で何をするのかがわからない事。
・何がわからないのかがわからないから、誰にも何も聞けない事。
・それに耐えられない事。

この話を聞いて、担任の先生はハッと気づいたそうです。

・長男にわからない事はないかと声掛けをすればよかった事。
・長男の作業担当を一緒に決めればよかった事。
・原稿は一緒に書き進められるように声掛けをすればよかった事。

今年の担任はとても理解のある先生で、いろいろと試行錯誤してくれていました。
しかし、今回の事が長男の負担になっている事に全然気づかなかった、と言っていましたが、私は気づきにくいところだと思います。わからないと思います。
だってきっと、クラスの中にいる時は、みんなと悪ふざけでもしながら笑っているんですから。
クラスの友達も「早くやってよ。遅いんだから。」位にしか思っていないと思います。

こういうところが発達障害だな、と思います。
毎日、あんなに喋っているのだから、「何がわからないかもわからない」、とでも言ってくれたら。担任の先生やクラスで言えなくても、帰ってきてから私に言ってくれたら。
私から担任に電話で確認する事が出来るのに。といつも思います。

でも、いつも、何かしらのサインが出てからしかわからない。
本人も私も。
だから発達障害なのだ、と思います。

いつまで通訳してあげられるのか

日常生活の中では、このように私が間に入って通訳代わりをしています。
コミュニケーションが必要なところは、時間がかかっても、私の自分の時間がなくなっても、これから先、私が先に死んでしまう事の方が確率としても高いので、私が通訳をしてもコミュニケーションを覚えて欲しい。
たった一人で生きていくわけではないのですから、その方法論を少しでも身につけさせてあげたいと、本心で思っています。

次男に長男の通訳をさせるつもりはありませんから、私が生きている限り、間に入って支えてあげたいのですが、子供の成長はあっという間。
発達が遅れているとはいえ、いつか親離れをする時がくるでしょう。

とても心配ですが、長男が親離れをする時までは、必要なだけ、通訳をするつもりです。
また、私という通訳がいなくても、他の場で、例えば学校の担任やスクールカウンセラー、通級や療育の先生など、私以外の人を通訳として頼れるようになってくれたら、あるいは少しは安心できるかもしれません。

今の所、まだまだ難しいのが現実です。
あっという間に子供は大きくなりますが、不安に埋もれている時間はとても長く感じます。

なので、不安に思う事は止めました。

今、出来る事を悔いなくやれたら、先の未来は不安ではなくなりますから。
幼少期に比べたら、今はとても未来が明るく見えてきました。
先の事よりも、今日、出来る事。
そのために私は生きていると自分に言い聞かせて今日も頑張っています。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。