長男は年長の時に発達障害の診断をしました。高機能自閉症とADHDの不注意優勢と言われました。今では、広汎性発達障害という診断名でひとくくりになってしまいますね。診断を受けた年長の時まで、ADHDの特徴はとても目立っていましたが、当時は‘不注意’という事の意味が良くわかりませんでした。
ADHDの不注意優勢であるということ
診断の時に医者から説明があった不注意優勢とは、興味がない事に意識を向けられない・興味があるものでも関連した周りの事に注意を払えない・今、遊んでいた物でも他の物が目に入るとそちらに興味が移ってしまう・というような簡単な説明でした。確かに言われていたような事はありましたが、子供なんてそんなものだと思っていましたし、どちらかと言うと、1つの事で何時間でもずっと遊び続けていたので集中力があり過ぎると思っていました。ですので不注意と聞いてもそうだとは思えなかったです。どちらかというと多動の方がヒドイと思っていたので意外でした。
のちのち、学校に入ると、鉛筆や消しゴムがなくなることは日常茶飯事だし、忘れ物はとても多いし、整理整頓の出来なさから、ランドセルの中はいつも大変な事になっていました。周りの音やにおい、いろいろと気になる事が多く、話を聞けているのか良くわからない事も多々ありました。傘は1回使うと壊れていて、何をどう使えば壊れるのか意味がわからず、子供用の傘を買う事はやめ、ビニール傘にしました。加えて持って行った傘は忘れてくるので、使いたい時に傘がない、という事も頻繁にありました
女の子に多い不注意優勢
発達障害の特性を持つ女の子は、気づかれにくいと言われています。男の子のように激しく動き回ったり、走り回ってどこかへ行ってしまったり、というような、目立って困るような事が少ないため、気づかれにくいそうなんです。そして、ADHDと診断される女の子は、不注意優勢である事が多いそうです。忘れ物が多い、片づけられない、1つの事に集中出来ない、という事であれば、子供なんだからとかやれば出来る事と勘違いされやすいのかもしれません。同じADHDであっても、女の子の場合は10歳を過ぎてから初めて発達障害を疑われるケースも少なくないようで、理解されない時期が長引けば長引く程、自分に自信を無くてしまうようです。
長男の場合の対処法
長男の不注意に関して私が対処した方法は、「忘れる事を前提にする」という事です。
長男が「自分は忘れる」という事を自覚する事で、持ち物などの忘れやすい物は、手の甲に油性マジックで書いたり、連絡帳を先生にチェックしてもらったり(連絡帳に書くこと自体を忘れてしまう事もあったので)していました。宿題ややらなければいけない準備などで気が散ってしまう時は、「今は何をやっている時間?」と声掛けをしました。学校では先生が○○君、と長男に声掛けをする事で授業に参加させていました。鉛筆や消しゴムは学校にも余分に置いておきましたし、本当は良くないのかもしれないのですが、忘れてしまっても予備がある事で安心できるようにしていました。
忘れてしまう自分と上手く付き合っていくために
忘れてしまうという事は誰にでもある事ですよね。ただあまりにも頻度が多いと、忘れてしまう自分が嫌になってしまうかもしれません。なんで覚えていられないんだろう、どうして忘れてしまうんだろうと自分を責めてしまうかもしれません。でも忘れてしまっても、思い出せる術があれば、工夫とやり方次第でうまく付き合っていけると思います。そのために、他の人とはワンクッション作業をしなければいけないかもしれませんが、それでいいと思うのです。自分なりの工夫から、新たな発見や発明、新商品などが産まれるかもしれませんから。