一番わかりやすい方法で覚えればいいだけのこと(東大の発達障害セミナーに参加して思ったこと)

昨年、私は初めて東大に行きました。頭の悪い私では、絶対に門をくぐる事の出来ない東大。私の人生で、ものすごく特別な事でした。東大で発達障害の研究をたくさんしていることはとても有名ですよね。異彩発掘のプロジェクトも東大が行っていて、学校教育とは違う視点と尺度で子供を見ているということでも注目を集めています。
東大へは、発達障害関連のセミナーに参加するために行きました。私が参加したセミナーは、学習障害関連の内容でした。

積極的な親の真剣さに驚いたこと

今までは、通級の親の会での集まりに参加したことはありましたが、発達障害関連のセミナーに参加したのはこの時が初めてでした。
10人くらいの少人数参加型のセミナーで、各人の前には一台ずつiPadが置かれていました。発達障害の勉強を、全て本だけから習得してきた私でしたが、学習障害については、自分が欲しい情報をなかなか集められずに困っていましたので、とても楽しみにしていました。
学習障害の子供への対応や対策、使えるアプリなどの説明と実践が主な内容でした。
そのセミナーで私が一番驚いたことは、来ていた親がとても積極的でとても前向きだったことです。もう、前しか向いていないくらいの勢いで、遠方から来ていた人もいましたし、何度もセミナーに参加している方もいました。発言も積極的で、そしてみなさん、とても明るくポジティブな方がほとんどで、私の方が圧倒されてしまいました。
それまで参加したことがあった親の会では、困りごとや悩み事をみんなで共有し、自分達がやってきた対策などを共有することでヒントをもらったり、励まし合ったりしていたので、どちらかというと全力で前向き、という感じではなく、どこか暗くなってしまうイメージがありました。
ですので、その違いにとても驚きました。私は割と積極的な方なのですが、私なんかよりも、もっともっと積極的な親はたくさんいて、学校を変えていこうとどんどん自分発信で行動している人が多かったのです。積極的に行動をしているのは、当然ですが私だけではない。と認識できた日でした。とても心強い思いが出来ました。自分も、もっともっと行動してもいいんだという自信を持つことが出来ました。

やらないという選択肢

東大で、発達障害の研究を専門的にされている方がセミナーの担当をしてくれたのですが、その方から聞いたお話はとても衝撃的でした。
私は、長男の学習障害での困りごとを、工夫を凝らして方法を変えて「出来る」方向へ持っていこうとしていたのですが、セミナーでは衝撃の「やらない」という事も1つの選択肢だと聞きました。
字を書くことに困難があるのであれば、書かない方法を取るということも出来る。
これは私にとって、とてもホッとする話でした。学年があがるにつれ、どんどん小さくなっていくノートのマス目に、書けないながらも懸命に書こうとする長男。見本からノートに漢字を写しただけで違う漢字になっていき、回数を書くごとに少しずつ字が変わっていき違う漢字になってしまい、覚えてもいなければ書けてもいない。その姿を見ていられなくて、どうしてもなんとかタブレット学習にできないかと思っていたのです。しかし、どこかで字も書かなければいけないので(テストなど)複雑な想いでいっぱいだった毎日でした。

本人にとって何が一番いいのか

学習障害は、学校生活を送らなければいけない少年時代・青年時代を重苦しくしてしまうものです。読み・書き・計算。暗算で計算する以外の全てが長男を苦しめています。
要は、書く、書かないということではなく、覚えられればいいわけで、その方法は本人が一番やりやすい方法、わかりやすい方法をとればいいだけのこと。
それなのに、みんなと同じようにノートで提出しなければいけなかったり、みんなと同じ範囲の宿題をしなければいけなかったり、という‘みんなルール’が一番困るわけです。
しかし、学校という中にいる以上、なかなか1人だけ違うことを認めてくれと言っても、学校側も難しいですからね。
セミナーでも聞きましたが、先生や学校側の配慮のあるなしが、その後の本人の学習環境を大きく変えてしまうのですが、一番うまくいかないところだ、ということ。
確かに。とも思えますし、学校側としても難しいところなのかもしれませんね。
今後、少しでも理解ある配慮ある学習環境になることを望んでいます。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。