好きな食べ物を食べるということ(発達障害児の偏食と感覚過敏)

私が子育てをしていて一番大変だと感じることは食事を作る事です。もともと、家事が好きではなく、食事を作るのも食べるのも好きではないので、毎日3食、ちゃんと作らなければならない食事が一番の苦痛です。
現実はそうも言っていられないので、長男が生まれてからは毎日作ってはいますが、授乳期間が過ぎて、食べ物を食べるようになってくると襲ってくるのが偏食。
子供のうちから何でもバランスよく食べる子供なんていませんから、どのお母さんも必ず何かしら食べ物の悩みを通っていきますよね。

偏食の始まり

長男は大人もビックリの大飯食いです。カレーライスを作った日には、大人のお皿で最高5皿食べたことがありました。食べ過ぎて動けなくなることもしばしば・・・。
そんな長男ですが、小さい時から偏食は多かったです。今でこそなんとか頑張って食べてはいるものの、話してもわけのわからない3歳前までは偏食が激しかったです。
「偏食」と言っても、1つ変わっている事は、離乳食の段階からレトルトや瓶詰のものなどの市販品を一切食べませんでした。お店に行くと、たくさんの離乳食が売っていて、私はいろんな離乳食を食べさせてみたかったのですが、何個か試してみても1つも食べてくれなかったのでやめました。添加物が嫌だったのかもしれません。電子レンジでチンすると食べられる、離乳食のお弁当を持ってきているお母さんがうらやましかった。私もやってみたかった。そう思っていましたが、食べないんだから仕方がないですよね。赤ちゃんだし、わかるはずもないので。
その後、1歳過ぎてもレトルト系に口をつけることはなく、葉物系やパンも食べませんでした。パンの食感がイヤだったのか、パンしかない店にご飯を食べに行っても、長男は何も食べずに出てくる徹底ぶりでした。パンは私が大好きだったのですが、本当に食べないとわかってからは、パンは諦めました。
ジュースも100%以外は全く飲まず、親戚の家にお邪魔してジュースをもらっても「変な味がする」と言って飲みませんでした。とても失礼なことなのですが、親戚は「本物の味がわかる」と逆に喜び、果物をわざわざ絞ってくれたり、何もないからとお味噌汁をいただいたこともありました。
また、調理法によって食べられないものもあります。卵は、スクランブルエッグは食べますが、目玉焼きやゆで卵は食べません。目玉焼きは小学校高学年になって、食べてみようと思う時は食べるようになりましたが、ゆで卵は今でも食べません。

マクロビオテックの本との出会い

そんな感じで、ご飯とみそ汁と肉や魚のおかずに牛蒡やキュウリの漬物ばかりを食べていました。白いお米を大量に食べるので、ムクムクの体になっていきました。縦にも横にも大きくなり、3歳くらいからは、外食でも大人の1食分を1人で食べていました。
しかし、私にとって最初の育児は、なんでもちゃんとやることが親なんだと思っていました。子供にはバランスの良い食事を作り食べさせる。育児雑誌などでもたくさんの情報が載っていましたし、長男が食べないものも、何とか食べさせようと、調理を工夫したり、見た目を変えたりして頑張っていました。
そんな時に図書館でふと目にしたのが、マクロビオテックの本でした。子供ご飯について書かれていた本なのですが、そこには今まで育児雑誌で見てきたものとは真逆の事が書いてありました。それは「ご飯(玄米ご飯)、みそ汁、季節の野菜(漬物)だけでいい」というもの。それだけ食べていれば十分だと。あれこれいろいろ食べさせる必要はないというような内容でした。私はそれまでマクロビオテックの事は全然知らなかったので、玄米採食は初めて。それでもこの本に書いてあることがまるで仏様の救いのように思えました。

なんちゃってマクロビオテック

早速、柔らかく炊いた玄米ご飯と白米を混ぜて、みそ汁と漬物、そして魚かお肉(マクロビオテックではお肉は基本食べません)だけが長男のご飯になりました。
大人ご飯は普通通りいろんなものを作りましたが、それを無理に長男に食べさせることをやめました。おやつも市販のものを食べないので毎日作りました。市販品もだいぶ食べられるようになった今でもたまに作っていますが、それこそ焼きおにぎりや肉巻おにぎりをおやつにしたこともあったし、バナナを凍らせてバナナアイスにしたり、イソベ餅を食べたりしました。
当時の私はいろんな種類を何でも食べさせようとしていましたが、今思えば、市販品を食べずにご飯をしっかりと食べるというのはとてもいい事なのですよね。少しくらいバランスが悪くても食べられる物を食べていればいいかという考えに変わっていきました。
食べた食感やにおいや調理法など、発達障害の人達は感覚が過敏なために偏食になりがちではありますが、無理に食べられない物を食べて嫌な思いをするよりも、食べられる物を食べて安心した食事の時間を過ごせればいいのかなと思います。
学校に入れば給食などで食べられない物も出てくるので、せめて家ご飯位は食べられない(出来ない)という思いではなく、食べられる(出来る)という思いにしていくことも、生きていく上で大切な事なのかなと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。