子供の習い事トップ10にも入るほど人気のスイミング。長男が幼稚園くらいの年になると、周りのお友達の3割くらいは、スイミングをやっていました。私が子供の頃は、ピアノや野球・サッカーを習っている子の方が圧倒的に多かったのですが、時代は変わったのですね。マタニティスイミングに始まり、赤ちゃんの時から親子でスイミングに通う人達も結構います。そんな人気のスイミングですが、発達障害の特性があると、他の子と同じようには通えない現状があるようです。
発達障害児を受け入れてくれる教室が少ない
実は、現実問題として、発達障害や障害のある子を受け入れてくれるスイミング教室はとても少ないようです。教室としても先生1人に対して見られる子供の数が限られていますし、一歩間違えると死の危険がありますからわからないでもないのですが、そうなると発達障害の子はスイミングに通えないという現実にぶつかってしまいます。水泳は全身運動ですし、体の弱い子などは昔の時代から水泳をやるといいと言われていましたから、特性があるためにスイミングに通わせてあげる事が出来ないというのは悲しい現実です。
それとは反対に、発達障害児を含めた障害児を専門に受け入れてくれるスイミング教室もあるようです。地域により、ある場所とない場所があるかもしれませんが、通える場所にあるのであれば、そちらに通う方が安心出来ますよね。
体幹が弱い子が多い
発達障害の特性のある子供達は、体幹が弱い子がいます。長男もそうなのですが、体幹が弱い上に、体と手足の動きが思っている通りに連動しないために、動きを真似する事が難しくなってきます。1つ1つの動きを細かく細かく、1つずつクリアしていき、1つの動作が出来るようになるという、スモールステップでの指導が必要になる運動系の習い事では、一度に何人もの生徒を教えている場合、遅れが出てしまいます。その遅れによって、「自分は出来ない」と思い込んでしまったり、逆にその子にあった指導方法をしてもらえないと、習い事に通ってもうまくいかない場合があります。みんながみんな、個別指導を望めるわけではないので、体幹を含めた体の動きがうまくいかない子の場合、辛くなってしまうかもしれません。
長男が泳げるようになった理由
長男も体幹が弱いので、水泳は苦手でした。自由に泳ぎたいタイプなので、学校の体育でやる水泳の授業はあまり好きではなかったようです。それでも学校では検定があったりするので、家族で温水プールに行き、少しずつ練習して、今では、正しい形ではないものの、なんとなく平泳ぎのような形で100m位は泳げるようになりました。初めは‘蹴伸び’すらできなくて、その動作を1つ1つ細かく分けて、1つずつクリアしていきましたが、長男の場合は、まず真っ直ぐ浮かぶことが難しかったです。どうしても体がぐにゃっと曲がってしまうので、伸びる事が出来ませんでした。おまけにちょっとジャンプして、足を曲げて、壁を蹴って、立っていた姿勢と90度の方向に進む、などという複雑な‘蹴伸び’の動きは難易度の高いものでした。しかし、あせらず地道に、ゆっくりと少しずつやっていったところ、突然出来るようになりました。他の子なら、お手本を真似する事であっという間に出来てしまう‘蹴伸び’1つでも長男にとってはとても大変な動作でしたので、私は長男をスイミングに通わせようとは思いませんでした。私が教えられるところは全て私が教えようと、いつも以上に感じた出来事でした。
いつも思うのですが、長男に何かを教えている時、出来ないという事を長男本人が自覚していて、あきらめずに嫌がらずに地味に練習し続けるところがとてもすごいと思うのです。そして一度出来るようになると一定の状態をキープ出来るのです。長男本人も、みんなと同じように「検定に受かりたい」という思いを持っていた事もあり、1つずつ合格していけるようにまでなりました。
親が教えられるのであれば
もし、親が教えられるのであれば、それが一番いいと思います。泳げないという親御さんであれば、仕方がないかもしれませんが、泳げる親御さんであればぜひ一緒に練習してみて下さい。何がわからないのか、どう体がうまくつながっていないのかがとても良くわかります。それは発達障害を「理解する」「受け入れる」という事のきっかけにもなり、親子の絆にもつながるのでお勧めです。