子育ての中の読書習慣

児童書の選び方


お兄ちゃんが9歳になったころ、絵本を卒業(といっても大人も絵本は楽しいので、卒業はないのかもしれませんが)してくる歳かなと思い、何か面白い児童書を紹介してあげたいなと思いました。でも自分が読んでいない本を勧めるわけにもいかない。なので、まずは「そういやこれ、有名だけど読んだことないな」という本を手にとってみました。

まずは「十五少年漂流記」。内容はなんとなく知っているけど、実は読んだことがありませんでした。私が一人でまず読んでみてもよかったのですが、せっかくなので寝る前の絵本の読み聞かせにプラスして、1章ずつきりのいいところまで読み聞かせをしました。読破まで時間はかかりましたが、息子的にはかなりヒットしたようです。先が読みたくて、学童に持って行って読み聞かせが終わったところから続けて読み進めていたりしました。

本選びで大事だなあと感じるのは、世間で面白いと言われている本と、自分が面白いと思う本と、子供が面白いと思う本はみんな違うという事ですね。だから無理に学校指定図書を選ぶ必要もなく、きっかけはポケモンでも妖怪でも、学校の怪談でもいいと思います。その時興味がある事にちょうどシンクロするかどうかがポイントです。

本にシンクロする

シンクロと言えば、子供がある事に興味を持ったら、それに関する絵本を探して読み聞かせするのもいいですよ。何かのきっかけで「どうして~なの?」とか、新しいことを保育園や学校で覚えてきたようだったら、それに関する絵本がないかインターネットで探して、図書館の在庫を確認して借りに行きます。

子どもは大人とは違う視点を持っていますから、子供の興味や疑問に応えようと本を探すと、自分だけでは選ばないような本に出会うことができます。絵本や児童書でも、知らなかったことが書いてあったりして、侮れないものです。

うちの下の子は軽いアレルギーがあるので、食べたいのに食べられないということが度々あります。それに対し「なんで自分だけ?」というのを感じ始めたりもするのかなと思い、食物アレルギーの子供向けに描かれた絵本を借りてきて読んだら、とても興味を持っていました。本の中の主人公と自分が重なることで、いままで自分の中ではっきりと言葉にできなかったモヤモヤを、主人公が代弁してくれたような気持になるのかもしれません。

自分の中の体験や疑問が、絵本の中のストーリーとシンクロすると、「あ!わかる!」という感動に結びつくんだと思います。ですから、水族館にお出かけしたら水族館の本、兄弟が産まれたら兄弟の本、最近怒ってばかりだなと感じたらママが怒っている本、お友達との関係を意識し始めていたら友達についての本など、疑問や体験は科学や社会に関することだけではありません。絵本や児童書の中に、自分の気持ちをぴったり表現してくれるものがあるんだ、という体験をできれば、本って楽しい!と思ってくれるんじゃないかと思っています。

好きな本で子供の個性を知る

あまり目的なく、手当り次第色々な本を読み聞かせてみるのもいいものです。子供の反応を見ることで、子供がどんなことに興味があって、どんなことに興味がないのかもわかってきます。え、こんなのが楽しいの?という絵本が大好きだったり、面白いと思って借りてきたのに見向きもしなかったり。それが、その子の個性を知る手掛かりにもなるんじゃないでしょうか。

ちなみにうちの子は、私のようにサスペンス好きではないようです。明智小五郎シリーズを勧めたのですが、あまり乗り気になってくれませんでした。やっぱり男の子ですから、冒険ものやファンタジーが好きみたいですね。

読書で得た豆知識

そうそう、ここでまたちょっと本で読んだ豆知識を思い出しました。心理学の本なのですが、人は無意識レベルで自分の名前の音や響きの似ているものに惹かれるそうです。アメリカでは、統計的に自分のファーストネームと似た響きの職業に就く人が多いんだとか。

そのことから、子供に本を読ませたいなら子供の名前に似た響きの本を勧めると、読んでくれるかもしれないということです。ハロルドなら「ハリー・ポッター」をとか。日本人の名前や日本語のタイトルだと難しいかもしれませんが、主人公の名前が似ているものでもいいかもしれませんね。

こうした私が本で得た豆知識は、子供とのふとした会話の中でも時々登場させます。「ママが読んだ本の中にこんな話があんたんだけどね」と話すと、面白そうに聞いてくれます。もしかしたらそうした経験は、「本の中には面白いことがいっぱい詰まっている」ことを想像するきっかけになっているかもしれません。

本を読む時間を作る

子育て中はなかなか本をゆっくり読むという時間をとるのが難しいものです。無理に難しい物を読もうとせず、子供に読ませたいと思う児童文学を自分で読んでみるとか、絵本を大量に読んでみるとか、それでも子供には十分読書とうつります。

私は、子供が赤ちゃんだったときは、寝かしつけの為に抱っこしている際にそのまま本を読んでいました。眠ってしまえば動かないし、おなかと膝は温かいし、抱っこしたままだとよく寝てくれるし、リラックスして読めました。

今は通勤の為の電車の中で読んだりしています。一日1時間も2時間も時間をとる必要はありません。20分や30分、時間に制限があるときの方が集中できます。子供を公園に連れて行って、自分はベンチで日向ぼっこをしながら本を読むこともありますし、習い事に連れて行って待っている間に読むこともあります。

どこでも、いつでも、ちょっとした隙間時間を活用できるのが読書のいいところです。一説によると、テレビを見るより読書をする方がリラックスしてストレス解消の効果が高いとも言われているそうです。

読書は自分が楽しむことが大事

読書は誰かのためにするものではありません。自分が楽しいと思うことが一番です。逆に読書をしないとちゃんとした大人になれないわけでもありませんから、あまり本を読ませようと必死になることもないと思います。

でも読書はあらゆる世界に誘ってくれるし、自分の知らない世界を知ったり、架空の世界で誰かの気持ちになり替わったりできます。子供を読書好きにしたいと思ったら、まずは自分が読書の楽しさを再認識し、子供にそれを感じ取ってもらうのがよいのではないでしょうか。

ABOUTこの記事をかいた人

30代後半、10歳と5歳の男の子の母です。 平日は、子供を学童と保育園に預けてパートタイマーとして働いています。慌ただしいながらも頑張りすぎず、気楽で楽しい育児をモットーに、賑やかで幸せな日々を送っています。