子育てを一人で乗り切るということ

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ワンオペ育児

先日、あるオムツメーカーの動画広告で「ワンオペ育児」をしているママさんが主役のものに批判の声が上がっている、とネットニュースで見ました。初めての育児に孤軍奮闘するお母さんが疲弊している姿が、動画の前半で映し出されています。

動画の後半は、赤ちゃんに励まされながら前向きになっている様子が描かれているのですが、あまりのリアルさに「辛い時期を思い出してしまった」「ワンオペ育児を賛美している」という批判もあるようです。

「ワンオペ育児」という言葉が出てきたのはいつくらいでしょう。核家族が多い中、お母さんが一人で子供を育てている家も少なくありません。「イクメン」なんて言葉もあって、最近はお父さんも育児に参加してくれるようになっていますが、実際にはどうなんでしょうか。

NPO法人「ファザーリング・ジャパン」による、2011年の総務省「社会生活基本調査」よりまとめたデータによれば、6歳未満児のいる家庭で家事・育児関連時間は、1日のうち夫は約1時間(うち育児時間は約40分)、妻は約7時間半(うち育児時間は約3時間半)となっているそうです。やっぱり育児はママが中心、パパはお手伝い程度ですよね。

一番辛いのは赤ちゃん時代

ワンオペ育児で辛いのは特に子供が赤ちゃんの時。赤ちゃんは言葉も話せないし、何を要求しているかもわからない。目が離せないし、自分で自分のことがほとんどできない。おむつ替えと授乳の繰り返し。外出もままならず、気が付けば今日は一言も発していないなあと感じることも。

これは以前よく相談を受けていた、私の友人の話です。私の幼馴染にとても子供好きの女性がいました。派遣で働いていた彼女は、長らく付き合っていた彼とようやく結婚。結婚後は地元を離れ、ご主人の職場に近いアパートに移り住み、パートを初めて数か月後に妊娠。妊娠後もしばらく仕事は続けたものの、パートで産休取得者の実績がない職場だったため出産前に退職したそうです。

それまでパートとはいえ、妊娠中でありながら仕事を頑張っていたので、やっとゆっくりできると、家事をしながらマタニティライフをのんびり満喫。ご主人も産まれるのをとても楽しみにしていて、おなかに話しかけたりしていたとか。アパートなのでご近所づきあいというものもあまりなかったようですが、それがむしろ気楽だったようです。

里帰り出産は、もともと考えていなかったといいます。ご両親はお兄さん夫婦と同居中だからです。ご主人の両親は結婚当初から同居したがっている様子があり、嫁である彼女がそれを避けているため、ご主人の両親に家事や育児の手伝いはあまり頼みたくない、と言っていました。

体調管理にも気を使っていた彼女の出産はとてもスムーズで、安産な上に産後の回復も早かったようです。入院中は両親も見に来てくれたし、親戚や友人もお見舞いにきてくれ、看護師さんもフォローしてくれるし、安心して過ごすことができてとても幸せに感じていたようです。これから赤ちゃんとの生活が始まる事、お母さんになったことが嬉しくて、不安よりわくわくの方が大きい、と私がお見舞いに行ったとき聞きました。

でも、実際育児を始めてみると、思ったようにはいかなかったようです。メールでよく愚痴が送られてきました。赤ちゃんは可愛い。でも、朝から晩まで独り言のように語りかけるだけで、赤ちゃんの方は泣くばかり。授乳をし、おむつをかえ、抱っこをしても泣き止まない。家事も進まないし、夜も寝られない。自分の時間をいっさいもてないことに、苛立ってしまう自分が嫌だ・・・と。

会って話を聞いてみると、ご主人は子供と遊んではくれるのだけれど、育児は何もしてくれないようです。家事についても「専業主婦はそれが仕事でしょ?やってあたりまえじゃん」という考えのようです。手抜きに文句も言わない代わりに、手伝うことも労うこともしてくれないので、彼女としては虚しさを感じずにはいられません。

ある休日、夫婦でちょっとした言い合いになったときに「お前とは疲れ方が違うんだよ」と言われ、随分ショックを受けていたようでした。つい売り言葉に買い言葉で出てしまった一言だとは思いますが、毎晩夜中も起こされ満足に眠れずにいる自分の頑張りを、全否定されたように感じたのでしょう。

ABOUTこの記事をかいた人

30代後半、10歳と5歳の男の子の母です。 平日は、子供を学童と保育園に預けてパートタイマーとして働いています。慌ただしいながらも頑張りすぎず、気楽で楽しい育児をモットーに、賑やかで幸せな日々を送っています。