笑顔でいること
子どもの笑顔って、無邪気で本当に可愛いですよね。心底楽しそうにケラケラ笑っている姿を見ると、羨ましくすらなります。皆さんは、涙が出そうなほど笑い転げたこと、最近ありましたか。大人になると段々回数が減ってしまいますが、それでもなるべく笑顔は絶やさないようにしたいものです。
子どもは総じて良く笑う生き物だと、見ていて思います。とにかくくだらないことが大好きです。子供同士で遊んでいると、それこそ箸が転げただけでも大笑い、何が面白いんだろうと傍から見ると思うのですが、それも見ているうちにこっちも笑顔になってしまいます。
声を出して笑うのは、生物の中で人間だけなのだといいます。人間が社会の中で生きていくのに、とても重要な役割を担います。そう考えると不思議な行為ですね。笑顔の素敵な人になりたい、子供にも笑顔になってほしい、そう考えるのは自然なことです。子育て中の笑顔の大切さについて、ちょっと考えてみたいと思います。
笑顔は伝染する
笑顔って伝染すると思いませんか。誰かが笑うと、つい笑ってしまう。あくびのように、隣の人に伝染する。きがつくと笑顔の多い人の周りは、笑顔でいっぱいになる。皆が明るくて、楽しい気持ちになる。笑顔の効果ってすごいです。
心理学的にはミラー効果と呼ぶそうですが、人間は親しい相手やすぐ近くにいる相手と、つい同じ仕草をしてしまう性質があるようです。この性質は脳の中のミラーニューロンによるもので、人間が社会の中で円滑に過ごすためにとても重要なのだそうです。
ミラーニューロンは自分が見たものを脳で認識し、その後それに共感するように反応します。だから赤ちゃんは、笑顔の人を見ると警戒しながらもつい笑ってしまいます。隣の子が泣き出すと、つい泣いてしまいます。大人も、赤ちゃんが泣きやまずにいると自分も泣きたくなるし、2ヶ月くらいの子が寝入りばなに反射で笑顔のような口の動きをするだけで、つい周りは笑ってしまうのです。
笑顔の効果
笑顔は、周囲を笑顔にするだけではなく、様々な効果をもたらしてくれます。人の脳は、自分のしている行動が矛盾しないように、自分の気持ちを書き換えることがあるようです。例えば面白くないテレビや漫画をみているとき、無理にでも笑顔をつくっているだけで、なんとなく面白く思えてくるのだそうです。自分が笑顔でいつだけで、今は楽しい気持ちなんだと錯覚させることができるのです。
それはたとえ錯覚であっても、やがて本当に楽しい気持ちになり、周囲がそれで笑顔になればやがて本物になります。私はこの話を、息子に何度かしてきました。つまんないなあというとき、つまらない顔をしているともっとつまらなくなる。つまらないとき、無理やりでも笑顔をつくると、なんとなく楽しくなってくることもある、と。うちの息子は天真爛漫なので、普段からはるかに、私よりも笑顔の効果を上手く使っていますが。
笑顔の効果はそれだけではないようです。「笑いと治癒力」という本も出ているそうですが、笑顔でいることが免疫を高める可能性があるについて、研究が進められています。笑顔をつくるのとつくらないのとでは、痛みの感じ方が異なるそうです。さらに笑うことで脳の細胞が活性化され、認知症予防にもつながる可能性もあるらしいのです。
またたくさん声を出して笑うと、腹筋が痛くなることがありますよね。笑うことはカロリー消費にもなるのです。よく笑うと笑いじわが増えることを気にしている女性もいますが、実は笑顔は表情筋を鍛えて、若々しい表情を保ってくれるのだとか。ダイエットや美容にもいいなんて、笑いは万能のビタミン剤みたいですね。
子供を笑顔にするには
笑顔がいいことはわかるけど、それでも疲れていたりイライラしたりしているときは、つい笑顔が消えてしまいがちなもの。また赤ちゃんが相手だと、どうやって笑顔をひきだしていいかわからなくなることもあります。
小さな子どもを笑わせるには、単純だけど意外性のある事をしてみるのが結構効果的です。いないいないばあ、を普通にやった後、最後に変な顔をして見せるだとか、ごくシンプルに、赤ちゃん目線で「あれ?」ということをやってみると、にやっと笑ってくれたりします。
ただくすぐってあげるだけでも、子供は大喜びします。そのときは、やる方も必ず笑顔でやらなければいけませんけれどね。ただ子供は楽しいとエンドレスにやってほしがるので、こっちが疲れてしまうのですが。
子どもは笑顔の天才ですので、あまり色々考える必要はないと思います。ただママが笑顔でいられさえすれば、笑顔になる子供がほとんどです。赤ちゃんは大人の顔を見て表情を学習します。お母さんが良く笑っていれば、その笑い方をみて笑い方を身に着けていくのです。
子どもに学ぶ笑顔、子供からもらう笑顔
長男は、赤ちゃんのころから本当によく笑う子でした。あんまりよく笑うので、親の方も面白がって、くすぐってみたりだとか、わけのわからない遊びをしてみたりだとか、色々やってみました。正直、長男の笑い上戸には私は何度となく助けられました。
長男は10歳で、幼児期の時ほど馬鹿みたいに笑いころげてはいませんが、今でも良く笑う子です。そして昔からそうですが、なんでも楽しむことの天才です。親の口からいうのもなんですが、本当にそう思います。私は息子をお手本にしていることも多いです。
笑顔になる事やくだらないことを心底楽しむ才能は、親より子供の方があります。その点は子供に素直に学ぶのもいいかもしれません。そして子供のしぐさや表情は、よく見ているとそれだけでも笑えてくるものです。
うちの次男は表情がとっても豊か。顔が七変化どころではないくらい変わります。泣き顔すらも面白い。あまりに変化するので、愚図っている顔を見ては笑ってしまうんです。最近では自分の顔を武器と思うのか、変顔を沢山編み出して見せてくれます。
子どもと過ごしていると、笑いの材料は沢山あります。でもそれに気づかずにいると、せっかく笑顔になれる機会を逃してしまいます。ちょっとした小さなことでも、おやっと思って笑う事。そうするとだんだん笑顔が癖になってくる気がします。
笑顔を絶やさないためにできること
笑顔を絶やさない最大の方法は、笑顔でいられることを第一優先に考えることかもしれません。育児は楽しいことばかりではなく、我慢しなければならないことも沢山あります。子供がいう事をきかない、旦那が手伝ってくれない、義母との関係がうまくいかない、仕事との両立に行き詰る、ママ友との関係に悩んでいるなど等。
また、不安な事や心配なことがあっても、なかなか笑顔でいられなくなります。金銭的な不安、仕事やご近所でのトラブル、子供の病気への不安、ママ自身の体調不良など、苛々の材料は挙げればきりがありません。そういったことにとらわれていると、笑ってなどいられない気持ちになってくることもあります。
でも、子供は日々大きくなっていきます。子育ての毎日は、日々1度きりしかないものです。それを苛々だけで過ごしてしまうのは、あまりにもったいない。笑顔でいられる日々より大切な事とは何でしょうか。悩んでいることの大半は、毎日笑顔で楽しく過ごせるために努力しているゆえに起こる悩みでもあるのです。
それがいつまでも解決できず悩み続けているのでは、本末転倒だと思いませんか。私は、笑顔でいられなりそうなときは、何か他のことを諦めます。とりあえず自分が笑顔で平穏にいられるような環境をつくることを優先します。優先順位で、自分が笑顔で過ごせること、それを第一に考えます。家族を笑顔にしたいなら、自分がまず笑顔でいることが一番だと思うからです。
笑顔が心にも体にもいいことはわかっています。ですから、いろんな心配事はひとまず置いておいて、とりあえず笑顔になってみませんか。笑顔になりさえすれば、抱えている問題にも何かいいひらめきがみつかって突破口がみえるかもしれません。