【発達障害】先生の理解がないと難しい習い事

子どもが生まれてから、大きくなるにつれ、習い事をさせる事は私の1つの夢でもありました。私自身、習い事が好きなので、若い頃は複数の習い事をしたものです。私の場合は、全て音楽系のものばかりでしたが、とても楽しく、サボる事も休む事もなく、真面目に練習し通いました。うちは、男の子が2人いるので、武道系の習い事がいいかな、とか、やっぱり私が音楽が好きだから、音楽系もやらせたいな、とか、親子のスイミングやリトミックなど、私が一緒に通えそうな習い事に夢を膨らませていました。

体験レッスンで思い知る現実

2歳過ぎには、すでに周りの子どもとは違う行動が多く、多くの悩みを私にもたらしてくれた長男でしたが、3歳の時に「3歳からのヒップホップ」というダンスの習い事の体験に行きました。
近所の親子カフェでやっていたこの体験は、とてもたくさんの親子がきていて、とてもにぎわっていました。大勢の人が集まる所では、いつもどこかに行ってしまう長男も、この日は音楽がかかり、先生のお手本を見ながら踊っている子供達の中から抜け出すことなく、その場にいる事は出来たのですが、やっぱり行動は違っていました。
状況を把握するのに少し時間がかかっていたのか、しばらく動かずにだまって周りを見ていたのですが、そのうち、一番前に出て、先生の隣で1人、ぐるぐる回り始めたのです。私は一体、何が起きたのかよくわからず、何度も長男をこちら側に移動させようとするのですが、当の本人はとても楽しそうにぐるぐる回っていました。もちろん、その時のダンスは、ぐるぐる回るものではありません。ヒップホップとはいえ、一応、リズムに乗れてその場で簡単に出来るような動きでしたが、見た目はダンスのような感じになっていました。他の子も、他のママさん達も、長男の事を何となく見てはいましたが、先生がそのままでいいというような素振りをして下さったので、最後まで長男は、先生の隣で回り続けていました。

全てをあきらめた瞬間

ヒップホップの体験の先生は、たまに長男のような、みんなとは全然違う動きをする子がいるけど、だんだんに慣れてくると勝手がわかってきて同じ動きをするようになるから、気にしないで、と言って下さったのですが、私にはその現実を受け入れる事は無理でした。正直、恥ずかしかった、というのもあります。みんなと同じ動きをしてほしかった、というのもあります。ダンスが出来なくても、習い事に参加する姿として、当たり前の姿を想像してしまった自分に、ものすごく嫌気がさしてしまいました。なんでやれると思ってしまったのか、長男は他の子とは違うんだ、という現実を受け入れなければ、その数分先の未来でさえ、絶望的に感じました。
この時、私は、子供が生まれてから夢見てきた、習い事の妄想は全て捨てました。大きくなるまで、一切の習い事に行こうと思うのはやめようと、決めました。その日から、自分で教えられる事は全て自分で教えようと決心し、自宅で、なんちゃって習い事を始め、現在でもピアノ、水泳、習字、サッカー、木登り、卓球、体幹トレーニング、ヨガ、縄跳び、陸上、等、出来る事をやっています。

習い事は‘外注’という発想

私の習い事の考え方として、習い事に行くという事は、即ち、「外注する」という事です。技術、体験、経験、その他諸々の外注。私と旦那では教えられない事、時間的に無理がある場合、外注して習得させる、という認識でいます。そう考えると、割と何でも自分で教えられてしまいます。たまたま私は、学生時代は陸上部だったので運動系のものは大抵できます。おてんば娘だった事も幸いし、男の子の体を動かす系の事のほとんどは、外遊びの中で教える事が出来ました。また、習字やピアノは、私が子供の頃から習っていて、習字は段を持っているし、ピアノは非常勤講師をやっていたので教える事が出来たため、音楽系や学校の勉強関連で教える事に困っている事はありません。また、子供の頃の夢は漫画家だったので、たまたま絵を描く事も得意で、構図の取り方やデッサン、色の使い方や見せ方など、知っている事が多かったのでこちらも困りませんでした。
長男も次男も、今でも毎週曜日を決めて、私や旦那を先生とし、少しずつ習得していっていると思います。

習い事で大事だと思う事

しかし、ある程度の年齢になった時、私は大体、高学年に差し掛かる小学4年生あたりからと考えていますが、親ではなく、外の大人に指導をしてもらう事も必要だと考えています。それは、子供の発達として、反抗期に差し掛かる時期でもあり、自我が出始めてくるとなかなか親の言う事は聞けなくなるからです。そしてまた、親では甘えが出てきてしまうし、親以外の大人の言う事をしっかりと理解し、行動をしていく事は、1つの成長過程で必要な事だと思っているからです。それは、学校の先生だけではなく、習い事だからこそ出来る事や、習い事だから出来る信頼関係のようなものがあるような気がするからです。そういう大人を信頼していく事で、少しずつ、社会に出ていく踏み台が出来ていくような気がしています。

長男の習い事

長男は、年長の時から`将棋‘を習っています。たまたま、旅行先に将棋があり、私が並べ方を教えたら興味を持ったのですが、私は駒の動かし方しか知らないのと、旦那は、将棋は出来るのですが、仕事がとても忙しい時期で教える事が出来ず、結果、教室に入れる事になりました。習い事を始める前に、先生には長男の特性の話をし、慣れるまでは私も次男と共に邪魔にならないように加配につき、慣れてきたら(半年位かかりましたが)1人で教室に参加できるようになりました。長男がとても興味を持った将棋だったので、5年だった今でも、教室には通っていますが、特性を持つ子の場合、やはり先生との相性はとても大切だと思いました。

先生の話がわからない

長男が小学2年生の頃、旦那が習わせたくて、プログラミングの教室に1年、通わせた事があります。最初は面白そうに通っていたのですが、そのうち、「先生の話がよくわからない」と訴えてくるようになりました。
グループレッスンなので、理解出来ない子、1人1人をフォローするのは教える側としては大変なのかもしれません。しかし、こちらもお金を払って習っているので、担当の先生に何度も話をして、長男の理解度を深めてほしい旨を伝えたのですが、最後まで変わりませんでした。近場での習い事でもなかったため、結局1年で辞めましたが、やはり、特性を理解してもらえる先生じゃないと、習い事は難しく、長男本人も、「知らない先生に教えてもらうのは嫌だ」というようになりました。

単発の習い事

それでもやはり、私や旦那だけではなく、切磋琢磨できるような仲間との交流も捨てがたく、考えた結果、「GW限定 走り方教室」のような単発のイベントに参加させてみました。申込みの時に特性の話をした上で、理解していただける所にのみ参加をしていきました。いきなり知らない先生と知らない場所と知らない子どもがいる場所での参加は、最初は躊躇していましたが、何回か参加していくうちに慣れてきて、問題なく参加出来るようになってきました。わからない所は聞く、というような当たり前と思われるような事は難しいのですが、何となくまわりを見て、一生懸命真似をしてみる、という事は出来るようになりました。

安心できる場所である事

経験とともに、大丈夫、という気持ちが長男の中でも増えていったのかもしれません。最近では、新しいイベントにも積極的に参加してみたいと言うようになりました。知らない事でも私や旦那と一緒であれば、どんどん前に進めます。
習い事はどんな子どもにとっても、向き不向きや先生との相性がとても大事になるでしょうが、その経験は必ず身になり将来の糧になると私は信じています。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。