発達障害の長男が考えたアルバイトの話

この間、小学校に入学したと思っていた長男は小学5年生になりました。生まれてから学校に入るまでは、初めての育児があまりにも大変過ぎてとても長く感じていましたが、小学校に入ったらあっという間に高学年。次に気づいたら中学生になっているでしょう。
低学年の頃は、将来の夢、のような話も現実味が全くなく、「飯を食える人」に育てようとしている私からすると、長男の将来は不安だらけ。しかし最近では将来の仕事についていろんな話が出来るようになりました。その中でもアルバイトの話が出てくるようになってきたので、発達障害の特性を持つ人のアルバイトについて、考えてみました。

長男のアルバイト計画

長男には生活に支障が出るほど好きな事があります。それは昆虫です。小さい時から虫系は好きでしたが、ある時からカブトムシ・クワガタムシに限定されてきました。きっかけは覚えていませんが、私の実家も田舎なので、夏になると農家さんの家の前や、店という店で売っているんですよね。主人が昆虫好きなのもあり、もう5年くらいは夏になると昆虫漬けの生活を送っています。
1年生の時の展覧会では、紙袋を使ったモチーフっぽい作品を作るのに、長男だけリアルなカブトムシを作っていました。こだわりがすごくて、通級の先生がつきっきりで手伝ってくれていたくらいです。
とにかく、夏は成虫、冬は幼虫。季節が暖かくなってくると冬眠していた虫たちが動きだすので、生活に思い切り支障が出る程、ハマっています。その分、知識はすごいので、ある時長男は考えました。「大きくなったら昆虫を売っている店でアルバイトをしよう」

アルバイトで必要な事

思いついたら居ても立っても居られない長男。ネットで店や求人を調べ始めました。しかしまだ5年生ですからね。当然働ける訳もなく、アルバイトが出来るようになる高校生になる頃には、当然ですが求人情報は変わっている訳です。もう今すぐにでもアルバイトに行きたい長男は一生懸命調べるのですが、なかなか想像しているような求人が出ていませんでした。
そこで私は長男とアルバイトについて次のような話をしてみました。

  • アルバイトは自分のやりたい仕事だけをやればいいという事ではないこと
  • 店や仕事内容によっては、電話の応対や掃除全般、レジや接客もあること
  • 店や仕事内容によっては、パソコンを使ったり、紙に手書きで字を書かなければいけないこと(相手が読める字を書く事が前提)
  • 物を使ったら、必ず元の場所に戻さなければいけないこと
  • 勝手に休憩してはいけないこと(そう見られてしまう行動は取れないこと)
  • 他の仕事でも頼まれたらやらなければいけないこと
  • マニュアルを見て仕事をする事があるかもしれないこと
  • 発達障害を理解して配慮してくれないと思っていた方がいいということ
  • 発達障害だから何かが出来ないではなく、出来る代案を出す必要があるということ
  • 挨拶、返事、聞かれたことの返答をしなければいけないこと
  • お金をもらうからには、役に立たないと判断された場合はクビになること

ざっと思い出しただけでも結構な数の話でした。しかし、今の長男の頭では、どの話も「えー?」と言っていました。虫の世話だけをやってアルバイト代がもらえると思っていたようです。

アルバイトに対する夢

学習障害があるため、長男の進学がこの先どうなるのか今の所わかりませんが、高校生になったら長男は昆虫を売っているお店でアルバイトをしたいそうです。今まで、現実的な未来の話が出来なかった長男に、初めてアルバイトという未来が出来ました。発達障害の特性を持ちながら、社会で働いていくには、健常者よりもたくさんの困難と苦労があるでしょう。それでも、先々の未来を夢見る事が出来るようになったという事は、今まで、今と過去しかなかった長男に、新しく未来という時間軸が出来たことになります。
未来を考えた上で、未来は今の延長上にあるという事がわかれば、今、何をするべきなのか、という事が考えられるようになります。苦痛でしかなかった漢字の練習も、学校に行くという事も、少しは前向きにとらえられるようになるかもしれません。

仕事内容による向き不向き

発達障害の特性を考えれば、仕事内容は選んだ方がいいでしょうね。例えアルバイトでも就職でも仕事という意味では同じです。働くまでの間に、自分が出来る事と出来ない事、特性上難しいがやり方によっては出来る事、自分の特性と困りごとの把握など、自分の事をよくわかっておく必要があると思います。そして人に伝えられる事。自分で対処出来る事。どうしても間違ってしまうなら、間違ってしまわない仕事を選べるように調べてみるといいですよね。
特性については、理解してもらい配慮してもらえる事が理想ですが、理想と現実が同じであることは限りません。感覚過敏などがある場合は、働く環境もとても大切です。そして、外に出るばかりだけが仕事ではない事も考えてみるといいですね。アルバイトで在宅のものがどれだけあるのかはわかりませんが、ネット上の仕事などがあれば環境面はカバーできるので、安心して仕事が出来ると思います。
先日、長男が少し不安そうにこう言っていました。「僕、バイトをする時でも昆虫の事を好きでいられるかな。」と。私は少し笑ってしまいました。昆虫を売っている店でアルバイトをしようと決めたので、変更出来ないとでも思っているのかなと思いました。なので、アルバイトをする時点で、自分のやってみたい仕事をすればいいこと、その時に求人が出ていなければどのみち働けない事、昆虫の事に興味がなくなったら別の仕事にすればいい、と話したら安心したようでした。
出来るなら、アルバイトでいろんな種類の仕事を経験し、向き不向きを見分けていく事も先々の就職への備えになると私は思っています。長男のアルバイトに向けて、今、私が教えてあげられる事を教えていきたいと思っています。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。