発達障害とクスリの有効性

発達障害児を育てていると、クスリの話題は避けては通れません。
医師からクスリの使用を勧められることもありますし、発達障害児のママ友との話題にも必ずといいほど上がってきます。
私の知り合いにも、かなりの子供達が発達障害のクスリを飲んでいて、その効果と副作用についての話をいろいろと聞いてきました。
長男は小3の時に医師からクスリの使用を勧められたことが一度だけありましたが、本人が飲まないというので飲んでいません。その後は一度も医師からクスリを勧められたこともありません。
私はクスリを飲むことも飲まないことも、本人と家族の判断で決めることであって、それがいいや悪いなどと言うつもりは全くありませんし、うちは飲んでいないからいいことだとも思っていません。

発達障害で処方されるクスリと副作用

どのクスリも同じですが、クスリなので、飲む人によっては副作用が出ます。飲む薬によって副作用は違いますし、副作用が出る・出ないなどの差もあります。
主に発達障害で処方されているクスリとしては、リタリン、コンサータ、ストラテラあたりが一般的ではないでしょうか。現在ではリタリンは使用できません。コンサータやストラテラが主流になっているそうです。また人によっては抗うつ剤・抗てんかん剤・向精神剤などのクスリが必要になることもあるでしょう。
これらのクスリは薬局などで買えるものではなく、医師の処方が必要になります。副作用を含め、クスリが効いている時間、飲む量などを医師と相談し、検討した上で使用していきます。

薬を飲むだけで治るわけではない

勘違いしてしまいがちですが、クスリを飲むことで発達障害が治るわけではありません。
クスリで、つながりにくい神経のある部分を活性化させることで、困りごとになってしまっている原因部分の神経をクスリの力で一時的につなげ、つながっている状態を体験するようなものです。
クスリの効きめは人によってさまざまなので、クスリを飲んだからといって神経が活発化しないかもしれませんし、副作用などで体に合わずにクスリを使えない人もいるでしょう。
しかし、クスリの力で統括されなかったがために困りごとへ発展してしまっていたことが減ることで、怒られることが少なくなり、人の話が理解できるようになったり、運動神経が良くなったり、集中する・忘れ物が減る・やるべきことができるようになるなど、様々な成功体験を経験することができます。
できないのではない。自分はダメな人間なのではない。発達障害であることの自覚と自分で考えてわかること、できることの意味を経験することで、クスリを飲まなくなっても経験を活かすことができるようになるという例はたくさんあるようです。
ただ、クスリを飲めばそれだけでうまく事が運ぶのか、というとそういうことでもないようです。
クスリを飲むのは補佐的なもので、配慮や言葉がけなどの環境を整えていく助けになること、学習の遅れを取り戻すきっかけになること、困りごとへのスキルを身に付けていくきっかけになること、のように、結局は発達障害の特性を持つ本人を含め、関わる周りの人達が、困りごとに振り回されて本質が見えなくなってしまわないように一時的に助けてくれるものです。
その先ずっと飲み続けるわけではなく(18歳未満しか服用できないとされていましたが、大人への処方もされています)、クスリに依存してしまうかもしれないという不安からクスリが必要なのにどうしても飲むという選択が出来ないという人もいます。(依存性は少ないことと、依存する神経に直接効くものではないそうですよ)

自立心(自律心)を育てるために

発達障害の特性を持つ人や子供にとって、今、何が一番大切なのか。
特性による困りごとに本人も周りも振り回されてしまって、お互いに生活が成り立たなくなってしまったまま、何の手立ても打たないのか。
出来る配慮はしている、出来ることは全てやっている、でも困っていてもう無理。
と思っているのであれば、クスリの使用も有効だと思います。
クスリを飲むことで、よく知らない人には心ないことを言われることもあるでしょう。今、心配しているご自身も、親の立場であれ、当事者の立場であれ、クスリを飲んでもいいのかという不安もあるでしょう。
確かに副作用の面から考えて、100%安全、というクスリはこの世には存在しないと思います。
そのあたりも含め、これから先の未来をどう生きていきたいのか、子供にどのように生きていってほしいのか、を良く考えた上でクスリの服用を決めればいいと思います。
最終的に自立(自律)することは子供が大人になっていくために、大人であれば明日からの未来に、必要になってくることですよね。
いつまでも自分を理解して配慮して支えてくれる人に囲まれて生きて行けるわけではありません。
周りは、一生懸命配慮しようと、理解しようと、受け入れようと努力しているので、特性を持つ本人にもそれなりの自覚を持って自立(自律)を目指していただきたいのです。
その上で、一緒に暮らしていきましょう。
いつか関わり合う人達が、お互いを理解し合える世の中になるように、1人1人が支え合えるように、生きていて良かった、生まれてきて良かったと思えるように、そんな過ごし方ができるようになっていったらいいなと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。