みなさんは脳波を測定した事はありますか?私はありませんが、長男は偏頭痛持ちなので、入学前に偏頭痛外来に通っていたことがあります。その時に、てんかん等から来ている頭痛かどうかを調べるために脳波を測定したことがあります。なかなか脳波を測定する機会なんてないので、とても貴重な機会でした。
長男の脳波に特に異常は見られず、てんかんもなかったので、単に偏頭痛持ちという事になり、生活習慣に気を付けながら付き合っていく方向で外来は終了しましたが、発達障害の研究が進む中、最新の脳波研究から自閉症スペクトラムの人のこだわりやコミュニケーションの問題に取り組んでいるチームの記事を読んだことがあります。そこにはリズム実験からわかる自閉症スペクトラムの人達の生きづらさが書かれていました。
リズムと自閉症スペクトラムの特性
自閉症スペクトラムの人達の特性として、コミュニケーションの問題やこだわりがありますね。この2つが実はリズムに関係しているという研究結果が出ているそうなんです。
私はこの記事を読んだ時、とても面白い事に注目しているなと思いました。詳しい研究内容などは専門サイトを見ていただくとして、リズムと発達障害の特性について私なりに感じたことをお話ししてみたいと思います。
人にはリズムがあるということ
‘リズム’と聞くと、まず思い浮かぶのは音楽ですね。一定のリズムで流れる音楽やクラッシックのようにうねりのあるリズムで流れる音楽、音楽のジャンルにもよりますが、音楽はある一定のルールや流れで予想がつくリズムを作っています。
他にリズムと聞いて思い出すのは、生活リズム。会話のテンポもリズムのうちでしょう。
英語を習ったりするとわかりますが、言葉にもリズムがあり、アクセントの付け方によって同じ言葉でも方言になったりしますよね。このアクセントがリズムを作っているので、会話はリズムを放っていると思います。話すテンポの違い、アクセントの付け方によるリズムの違い、音楽はよく、‘音で会話をする’という表現をしますから、会話そのものも音楽と同じ種類のものと考えてもいいのだと思います。
そうなると、会話をするということは、自分の会話リズムと相手の会話リズムの両方をとらえてどちらかに合わせていくことが必要になってきますね。話上手な人は上手く相槌を打つことができて、相手のリズムを崩さず乗せていくことが出来ます。音楽言う、フィルインであったり、伴奏であったりするようなものでしょうか。一方的であり過ぎると相手はどこに相槌を入れたらいいのかわからずに疲れてしまいますし、双方でのセッションのようなものがないと会話にはならないでしょう。
人のリズムに合わせる事がとても大変
脳波研究では、一定のリズムと不定期のリズムに自閉症スペクトラムの人が合わせていく実験でした。それによるとどちらのリズムであっても、合わせる事自体にとても労力を使っている事が実験の結果から出ていました。合わせる事が出来ても出来なくても、合わせようとする、わかろうとするだけで、脳波的に見てもとても疲れてしまう事のようです。
特に、人と接する場合、会話の言葉を聞き取るだけでなく、顔の表情や体の動きも同時に目に入ってきますし、関連していますから、感じ取るだけでも難しいリズム以外の情報にも神経を使わなければいけないので、自閉症スペクトラムの人達にとっては、「会話をする」という事だけでもとても疲れてしまうようです。
確かに私達も、話が合う合わない、咬み合う咬み合わないなど、話しているだけなのに疲れてしまう人がいますよね。このリズムの研究結果は、なんとなくわかる気がしました。
特性をスキルに変えるには
私は専門的な事はわかりませんが、この記事を読んだ時に、思いついたことがありました。長男も会話こそ、少しずつ出来るようになってきたなと感じてはいますが、やはり特性は特性なのでスキルをつけていく必要があるなと思っています。
そのスキルをつける方法の1つとして、まずはいろんな音楽を使い、フレーズの切れ目に合いの手を入れる練習をしてみようと思いました。言語のないインストより、最初は邦楽など、言葉がわかるものから始めてみた方がいいのではないかと思っています。歌詞を知っているもので、フレーズの終わりや言葉の終わりに手拍子を打ってみる。出来るようになったら「うん」「へぇ」「そうなんだ」のような言葉に変えてみる。あくまで自分発信ではない、相手発信のものであることがスキルを身に付けることにつながるかなと思っています。
一定のリズムの音楽で試した後は、本の読み聞かせをして合いの手を入れてみたり、実際に会話での練習をしてみたりすると、リズムに対してのスキルが生まれるような気がします。ただ、実験結果にも合ったように、特性的にとても疲れてしまうので、少しずつ少しずつ始めてみてもいいのかなと思います。無理にコミュニケーションの難しさに対して克服するという考えではなく、あくまでもスキルの1つとして身に付けておくことで、先々、長男の役に立てばいいなと思っています。