「発達障害の人は疲れやすい」とよく本で読みますが、うちの長男にはあまり当てはまりません。正確に言うと、確かに「疲れやすい」のかもしれないのですが、長男の電池はなかなか切れません。夜になってもその電池が切れる事はなく、寝るギリギリまで動き続け、布団に入ってもその口が止まる事はなく、電池が切れた時に、突然寝る、といった具合です。よくまあ、そんなに動いたり喋ったり出来るわね、と感心するくらいよく動きます。見ていると逆にこちらが疲れてしまうので、私はあまり見ないように、気にしないように気を付けています。しかし、そんな長男でも「疲れた」と訴えてくる事があります。
学校が一番つらい
それは、「学校」です。「僕は学校に行って帰ってくるだけで、ものすごく疲れるんだ。」と長男はよく私に話してくれます。なんでも学校は、
- 登下校の道がちょっとした山越えなので、それだけで疲れる
- 学校に入るととてもたくさんの情報と人が一気に目に入るので疲れる
- 勉強は先生やみんなが言っている事がわからないと疲れる
- いろんな音があちこちから聞こえるのが疲れる
- 人のにおい(感覚過敏なので)が嫌
- 字を書くのは苦手だから、いろいろ書かなきゃいけなくて疲れる
- 協力したり話し合いしたりする事は、何をしたらいいのかわからないから疲れる
- 蛍光灯は疲れる
等のように、感覚過敏だったり、発達障害の特性ゆえに苦手な事が多く、どうしていいのかよくわからない事で疲れてしまうのだそうです。
確かに、どうしたらいいのかわからず、長男のように「聞く事」がうまくできなければ、周りを見てなんとか同じ行動をするしかないので、察する事が難しい場合、さらに気を使ってしまって疲れてしまうのは想像できます。今はまだ小学生なので、学校がない長期休みなどは天国のように楽しく過ごせていますが、社会人になったら、その疲れはストレスとなり、体をむしばんでいくような気がしてなりません。
疲れた時の対処法
帰ってきてから「疲れた」と訴えてきた時は、とにかく「情報を遮断する」ために、目の上に温かいタオルを乗せてしまいます。そして、音楽やテレビなどは全て消し、静かな状態でソファーや布団に横になり、とにかく休ませます。
これがひどい状態だと、偏頭痛となって現れ、本当にひどい状態だと、倒れこんだまま一歩も動かなくなってしまいます。偏頭痛は徐々にひどくなっていくので、なり始めた時点で頭痛薬を飲むか、学校にいる場合は早めに保健室に行くように長男に言い聞かせていますが、過去に2度程、偏頭痛のために保健室で寝ている所を迎えに行った事があります。登下校中に偏頭痛がおきた事は、今の所ありませんが、これは本人が気を付けるしかなく、私が一番心配している事でもあります。
遊びたい気持ちが強すぎると、なかなか体調の声は聞こえなくなってしまいますから、長男には常日頃からタイマーをかけて定期的に休む、などの方法で過ごしています。
底なしの体力
幼少期から、長男の有り余る体力に振り回され、本当にどれだけの体力があるのか不思議な程、長男の体力は底なしです。ですので、速くはないですが、長距離を走ったりする事は得意ですし、水泳でも100m、200mと進んでいくうちに、どんどんスピードが上がっていったりします。普通、逆だと思うのですが、一体、どういう体のしくみをしているのか、私の方が研究して解明したい位です。
しかし、だからといって、疲れてないわけではないので、時間になったら強制的に休ませる、夜も一定時間に寝かせる、というようにしていかないと「休む」という事をしませんので、体や成長に支障が出てくるのではないかと本気で心配しています。他の子どもよりも、トータルすると圧倒的に少ない睡眠時間、ボーっとする事なく動き回り喋りまくりの状態では、体も脳も、過活動になってしまいます。
変な話ですが、長男の場合は「疲れやすい」状態でちょうどいいのかもしれません。もちろん、特性により個人差はあるとは思いますが、ADHDの特性を持つ人の場合は、「疲れた」と感じてもらって休んでいかないと、実際のところ、体がもたなくなるような気がします。とはいえ、世の中は健常者ベースで作られた社会ですから、発達障害の特性を持つ人が生活していくにはとても辛い社会なのかもしれません。
発達障害の人だけが、社会に合わせていくのではなく、社会も少しずつ、発達障害の人たちを理解し、合わせて変えていく、そんな世の中になってほしいです。