発達障害と統合失調症の違いとは?

発達障害と統合失調症は、以前はよく間違えられて診断されていたという話をネットで見たことがあります。
うつ病経験者の私としては、統合失調症と発達障害は全くの別物だと思うのですが、現実に統合失調症と診断されてしまっていたが、実は発達障害だった、という事が過去にあったようです。
なぜ、誤診されてしまうのか、医師の診断にだけ頼らずにその違いに気づく方法はないのかを考えてみました。

発達障害と統合失調症の大きな違いとは

最初に、私は医師ではありませんので、当然ですが診断は出来ません。しかし、長男が発達障害であるために、少なくとも7年以上、発達障害の事をいろいろ調べて経験を積んできた中で、明らかに違うであろう事に気付く事があります。
1人の発達障害児の母として、経験上わかる違いと、確かに統合失調症の症状で、間違えられるかもしれない症状がある事はわかる気がするのです。
そういう観点からのお話だという事を念頭において、読んでいただきたいと思います。

  1. 発達障害は生まれつきの脳のしくみの違いなので、幼少期からの行動で判断されますが、統合失調症は10歳以下の発症はまれであり、後天的なものです。
  2. 統合失調症は投薬により治ると言われる疾患ですが、発達障害は投薬で治るという事はありません。

まず、1について、発達障害の診断は以下のような手順です。

  • 必ず生まれてからの成育歴を聞かれます。
  • 現在までどういう事に親子が困ってきたのか、現在何に困っているのかを聞かれます。
  • 行動観察(遊んでいる様子を見る、医師が指示した行動の様子を見る)
  • 発達検査の結果

統合失調症は発症するという言い方をしますが、発達障害は発症ではない。生まれつきなんです。おそらく発達障害で発症という言い方をするのであれば「困り感に気付いた」あるいは「特性に気付いた」という意味だと私は解釈しています。ですので、幼少期の成育歴から見て、幼少期からの困り感が現在も継続しているのであれば、統合失調症の可能性ではなく、発達障害を疑うと思うのです。
また2の投薬について、統合失調症は回復していく疾患ですが、発達障害は投薬で治るものではありません。
言い換えると、発達障害は脳神経のつながり方が違っていたり、一部の発達が定型発達の人に比べて遅れたりしているので、本当に後々遅れてつながる神経がある場合があり、そもそも論でつながらない神経があるわけです。
統合失調症の場合は、生まれた時の脳神経に何かしらの遅れがあるわけではなく、その後の生活により、脳のネットワークを統合している部分が壊れてしまい、神経回路を統合出来なくなってしまい、結果、後天的にさまざまな症状として表れてきます。
ですので、壊れてしまった統合部分が元に戻れば、治ると言われているわけです。

間違われてしまう理由とは

そうは言っても、統合失調症は治りにくい疾患としても知られています。うつ病なども同じですが、精神疾患で薬を飲んだから治った、というような風邪の症状とは違いますからね。
自分ではどうする事も出来ない、周りも助けたくても助けてあげられない、もどかしい部分が多々あるわけで、本人、関わる周りの大変さを、なかなか他人に理解してもらえない、という点では発達障害と共通点があると言えます。
脳機能の違いや障害は、目に見えにくいので、健常な人にはわからないものなのです。当事者にならないとわからない、というのはよく言われる話ですが、この言葉が身に染みるほどよくわかります。
以下に、私が統合失調症の症状と、発達障害の症状として、‘ここが似ている’と思うものを挙げてみました。
※統合失調症の場合は、発症後の症状として。発達障害の場合は、幼少期からの特性として。

  • 話が次々変わっていったりまとまらなくなる
  • 集中力がなくなる
  • 他人と視線を合わせなくなる
  • 他人との共感が少なくなる
  • 一度に2つ以上の事が出来なくなる
  • 順序立ててものごとが考えられなくなる(料理を順序良く作れない・片づけられないなど)
  • コミュニケーション(会話など)がうまくいかなくなる
  • 落ち着きがなくなる
  • 言葉の比喩などが理解できなくなる
  • 細かい事にこだわり始める

しかし、よく考えてみると、この共通とも思われる症状、発達障害であれば、一部の脳神経のつながり方が違うために‘困り感’として出てきますが、統合失調症も、脳神経が統合できなくなり、正常に働かない神経が関係しているので、似たような症状が出るのもなんとなく理解は出来ます。
文面で表現すると、どちらも似たような症状に見えますが、きっと本人やかかわる周りの人から見たら、やっぱり明らかに違う所があるのではないかと思います。

誤診だけはやめてほしい

大人になってから発達障害がわかった方、たくさんいらっしゃると思います。発達障害の二次障害に統合失調症があるように、この二つは全く関連がないわけではありません。
ですが、発達障害が統合失調症と診断されてしまうと、投薬で回復を目指すという方向へ促されてしまうわけで、根本がだいぶ変わってきてしまうと思うのです。
‘セカンドオピニオン‘という言葉も広く知られるようになりましたし、違う時は「何かが違う!」という直感のようなものがあると思うのです。本人が気づける状態にないのであれば、周りの方が感じるでしょうし、そういう、ある種直感のようなものを疑わずに、自分で調べたり、相談機関へ相談に行ったり、何かしらの対処で誤診のままにならないように願いたいです。
それには発達障害の早期発見が、もっともっと世に広まってくれたら、少しでもこの間違いを少なく出来る1つの方法になるのではないかと、私は考えます。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。