子育てをやり直したいと思ったことはありますか?

子育てをしていると「あの時こうしたらよかった」「あの時に戻ってやり直したい!」などと思うことはありませんか?
恐らく皆さん、どこかで一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
かく言う私も、今まで子育てをする中で何度も感じてきました。

そんな私が10年の子育て生活で感じた「やり直したい」と思ったこと、そしてその気持ちとどう向き合ってきたかをお話しします。

一人目の子育ては毎日が後悔と反省の連続でした

私は現在

長男(10歳)
長女(8歳)
次女(0歳)

の三人の子どもを育てています。
ご覧の通り上の子たち二人と末っ子は歳が大きく開いており、今まさに第二の子育て人生が始まったところなのです。

久しぶりの赤ちゃんはとても可愛く、体の疲労はあれどとても楽しく子育て生活を送っています。
しかし、勝手がわからない上の子たちの時はそうではありませんでした。
特に最初の子である長男の時は、毎日が後悔と反省の連続でした。

育児書を読み過ぎて一喜一憂


長男は発達障害を持っていることもあり、全ての成長が実年齢よりもゆっくりでした。
そのため育児書などに書いてある月齢ごとの成長スピードに全く追いついていなかったのです。
よく相談に行っていた子育て支援センターや病院では「焦る必要は全くない」と言われていたのですが、どうしても目に付く大量の育児書。
そこに写っている、自分が理想とする親子。

「同月齢の子はこんなことができるのにうちの子は…」

育児書の中のよその子と比較をして一喜一憂していました。
そのせいで長男自身の成長を素直に喜ぶことができなくなってしまったのです。

10年経った今思うことは、どんな小さな成長でも長男にとっては大きな第一歩で、母である自分にとっても喜ぶべき瞬間だったということ。
育児書や周りの情報に振り回されず、長男自身のを受け止めていれば良かったと反省しています。

過ぎた時間は巻き戻せませんが、その時感じられなかった成長への喜びは末っ子の子育てをする現在感じることができています。
このことに気づかせてくれた長男にはとても感謝しています。

ちなみに障害の有無を問わず、成長がゆっくりな子は珍しくありません。
特に男の子はゆっくりと成長していく子が多いようです。
育児書などに書かれている成長スピードはあくまでも一例です。
自分に合った情報の取捨選択をして、上手に育児書と付き合っていきたいですね。

とにかく「危ない!」が口癖

初めての子育てではありがちですが、わが家は特に『過保護』だったと思います。
家の中でも家の外でも、口癖のように「危ない!」と言っていました。
お友だちとの関わりの中でも必要以上に口を挟んでいたように思います。

外で遊べば「怪我しないように気をつけなさい」
お友だちとケンカになれば「ごめんなさいは?」

何でも先回りして危険やトラブルを回避することが当たり前になっていました。
そんなことをしていると、次第に長男自身も母に依存するようになっていきました。

「お母さん、これでいいと思う?」

今でも長男によく言われる言葉です。
自分で考えるという行為がとても苦手になっていたのです。
それに加え、失敗を酷く恐れるようにもなっていました。

当時、おそらく長男なりに考えて行動しようとしていたのだと思います。
もちろん危険なこともたくさんありました。
しかし、私が口を挟む必要は本当にあったのでしょうか?
今思えば長男自身の力で乗り越えられることがほとんどでした。

放任が良いわけではありませんが、もう少し本人を信じて見守ることも必要だったと感じています。

染み付いたものはなかなか消えず、今でもつい口を挟んでしまうことがあります。
長男自身も無意識に甘えてくることは多いです。

それでもお互い「このままではいけない!」と思っているので、親子共にこれからの変化と成長が楽しみではあります。

叱ることだけがしつけだと思っていた

当時世間では『若い母親=しつけをしない』というイメージがありました。
自分が長男を出産したのは21歳と若く、普通に子育てをしていても風当たりが強く、大変肩身の狭い思いをしていました。

「せめて長男が礼儀正しくあり周りに愛される子になってくれれば」

という思いから人一倍しつけに力を入れていました。
しかし、勝手がわからない初めての子育て。
気づけば叱ることばかりのしつけになっていました。
時には手を上げてしまうこともありました。

長男のことを思ってしているはずのしつけが、気が付けば長男を追い詰めるだけのものになっていました。

叱り過ぎたことで萎縮する長男を前に「酷いことをしてしまった」と何度も後悔し、その都度どうしたらいいものかと悩みました。
後になって『褒めることもしつけ』であることを知って猛反省。
それからは悪いことを叱るだけでなく、褒める時にはめいっぱい褒めるようになりました。
褒めることでお互い程よく力が抜け、長男は以前よりのびのびとやんちゃが出来る子になったように感じます。

勝手がわからないために起こる子育ての失敗。
そんな後悔の気持ちは長男だけでなく二人目の長女にも感じていました。

自分に余裕がなくて上手にお手伝いを頼めなかった

「お母さん、お手伝いすることない?」

しっかり者の長女は、忙しい母のことを思い率先してお手伝いをしようとしてくれていました。
本人も「これなら自分にもできるかも!」と思って、小さいながら挑戦しようとしたのだと思います。
しかし、子どもに一から教えることはかなりの労力が必要です。
忙しくしている時は尚更です。

「今は忙しいからまた今度ね」
「お母さんは一人でできるから大丈夫」

忙しいことを理由に、せっかくの申し出を断ってしまっていたのです。
長女自身、頼られないことが続いてとても悲しかったと思います。
次第に長女から声をかけることが減り、小学生になる頃には自分から手伝おうとすることが完全になくなりました。

そうなってから

「言われなくてもお家のお手伝いをしなさい!」

などと小言を言ってしまいましたが、よくよく考えると今まで断ってきたのに都合のいい話ですよね。
あの時少しでも向き合ってきちんと教えてあげていたら、今頃もっとできることが増えていたでしょうし、何よりも言われて嫌々するのではなく楽しくお手伝いができていたのではないかと思います。

それから改めて家での仕事について家族で話し合いました。
そして、それぞれの得意なことを担当することになりました。

現在長女は、毎日楽しくお米洗いをしてくれています。

時間に追われる毎日の生活の中で、子どもにお手伝いを頼む余裕のないママたちはたくさんいらっしゃるかと思います。
その時々にしっかり向き合おうことが理想ではありますが、実際難しい場合もありますよね。
少しの時間でも無理のない範囲で、わが子の「手伝いたい気持ち」と向き合っていければいいですね。

「やり直す」ではなく「やり方を変えていく」

日々子育てをする中で感じる後悔の気持ち。
やり直せることもあれば、過ぎてやり直しがきかないことも存在します。
そのため「子育てはやり直しがきくのか?」と聞かれるとノーだと私は思います。

しかし、これから子育てをしていく中で変えるチャンスは何度もあります!

「やり直す」ではなく「やり方を変えていく」。

これまで積み重ねてきた成功も失敗も、喜びも悲しみも、何か一つでも欠けたら今のわが子は存在していません。
その全ての経験をこの先に繋げられたらいいのではないでしょうか。

子育てに正解はありません。
子どものタイプによっても必要とするものは変わってきます。
子育ての結果が出るのは早くて10年と言われていますが、私は今ようやくそれを感じ出しています。
恐らくこの先もっと目に見えて感じられるでしょう。

三人目を出産した今、また一から子育てを始めていますが、日々の小さな後悔をこれからの子育てで活かしていきたいと思っています。

ABOUTこの記事をかいた人

京都在住。0歳から10歳までの歳の差三きょうだいを育てるフリーライター。長男は発達障害。一風変わった子育て経験を活かし、頑張るママたちのお役に立てるような記事を書いています。