子育て中に介護をするということ(ダブルケア問題)について考える

日本の女性の社会進出は、世界から見てもかなり遅れていましたが、ようやくそれも認められる社会になって来ました。女性が働く場所で向上心を持って頑張れるのは、本当に素晴らしいことですね。
しかし、それとともに晩婚化が進み、出産も高齢化することで少子化が進んでしまいました。そして子どもが生まれた頃には、自分の親も高齢になってしまっているのです。

今から20年程前までは、まだ高齢出産の比率もさほど高くなく、親の介護が始まるのは、子どもが育ち上がってからが一般的だと思われていました。しかし、今は出産の時期がずれ込んで来たことで、親の介護と重なる時期ができてしまうという現状が生まれたのです。

そこで、ここではダブルケア問題について、何を準備してどう乗り切るかを考えていきましょう。

とにかくお金は必要です

大きな問題になるのは、やはりお金の問題です。子どもに必要な資金も大きいのに、介護の費用までのしかかって来るわけです。
仕事をしている場合、退職するのは収入面で大きな痛手になります。なるべく辞めずに済むようにしたいところですが、先が読めないのも事実です。
そこで様々な事態に備え、お金のどんな制度が使えるかを事前に調べておきましょう。

休職する場合は休職中の制度をフルに活用し、会社の独自制度もあるのか調べましょう。どうしても仕事を続けられない場合は、失業保険で生活費用の補塡をしたり、育児休業給付や介護休業給付も利用します。とにかく、利用できる制度をフルに使うということが大事です。

介護の認定を取ってサービスを利用する

親が65才を過ぎていたら介護保険が使えます。介護が必要になった時点で、介護認定調査を役所に申し込みましょう。認定が取れたら階級に応じて受けられるサービスがありますので、それらをうまく組み合わせて利用します。ディサービスやヘルパー派遣、訪問リハビリなどを利用することで、介護者の負担は随分軽減できるはずです。親を預かってもらっている間、子どもとかかわる時間もできます。近くのヘルパー派遣やディサービスの事業所など、事前に調べておくと契約もスムーズです。
介護保険が使えない65才未満については、特定疾病(がん、リウマチ、骨粗しょう症、認知症など)であれば介護保険が受けられます。

こどもを保育園に預ける

親の介護は保育園の申請事由にあたりますので、役所で相談してみるとよいでしょう。子どもだって、おじいちゃん、おばあちあんの介護に振り回されずにすみます。
ただし保育園に通うとなると、やはりここでも費用の問題が出て来ます。そのことも見据えて、お金の制度についてしっかり調べて利用していく必要があります。
子どもを保育園で預かってもらって、親もディケアなどで預かってもらえたら、少しの時間でも自分自身の休める時間を持てます。これはとても大きいと思いますよ。

家族としっかり話し合っておく

男性の場合、ダブルケアが始まると経済的な負担が大きくなり、仕事との両立も大変だと言われています。女性の場合は体力的に大変になりますが、それ以上に精神的負担が大きいとも言われています。
家族で話し合っておくことは大変重要で、それぞれが出来ることを分担して、無理が来ないように工夫する必要があります。また自分達家族だけでなく、兄弟達も巻き込んで話し合うことも大事です。
とにかく抱え込まず、分担制にすることで現状を乗り切っていきましょう。

若いうちは、ダブルケアという言葉も知らないかもしれません。でも、今の時代、知っておかなければならないことの一つです。若いうちから考えておくことで、当事者になった時にあわてないようにしたいものです。
そして自分が介護される側になった時、自分を介護するのは誰でしょう。しかも介護者は子育て世代かも知れないですよね。
そうならないためにも、自分自身が元気で長生きすることも大事だと思いませんか?

ABOUTこの記事をかいた人

1964年生まれ。 「辛い時期もいずれ過去になる。」なんて台詞が解る年頃になりました。 これまでの経験を生かし、少しでも興味を持ってもらえるような記事を書きたいと思います。