「子育てでご飯作れない!」食事は重要。でもそれだけが愛情ではない

人間が生きて行く以上「食べる事」は省く事が出来ない事で、近頃ではお料理をする男性も増えて来てはいますが、それでもまだ「ご飯は女性が作る物」と考えているご家庭も多いと思います。
しかしいくら女性でも家事の全てが得意だと言うわけではなく、お料理が得意な人もいれば不得意な人もいるでしょう。
それでも、結婚して子供がいないうちは得意不得意関係なく、旦那様の為に頑張ってお料理をしようと自然と努力している方がたくさんいらっしゃると思います。
ですが、子供が産まれるとどうでしょうか。

子供が産まれると変わる環境

なぜ余裕がなくなるのか

旦那様にだけ向けていた愛情…子供が産まれると勝手は違って来ます。
新生児の頃は昼夜問わず2~3時間に一度授乳をしなければならず、「2~3時間に一度」と言っても授乳やオシメ変えに最低でも30分、長ければ1時間以上は要しますので、実質ママが寝られるのはそれよりも短くなり毎日が睡眠不足になる為、赤ちゃんが寝ている時に細切れに睡眠を取るしかありません。
そしてその合間をみて掃除・洗濯・買い物等の家事をこなさなければならず、時間的には全く余裕がなくなり、睡眠不足にホルモンバランスの乱れも付け加わり、心身共に滅入ってしまう事もあるのです。

子供が一人目の場合は特に、子育て経験がない為どうしたら良いか分からない事も多く、テキスト通りに頑張ろうとしてしまう傾向がありますので、「こうでなけらばならない」と思って頑張ろうとすると余計に余裕がなくなってしまうのです。
ですが、子供が小さいうちは「出来る事を出来る時に」位の気持ちでいた方が楽しく家事・育児が出来ます。

子育てにおいて一番重点を置く事とは?

家事の中でも、極端に言えば掃除・洗濯は数日サボったところで自分の後の負担が増える位で家族にはそう害はありませんが、食事はそうは行きませんよね。
「育児が大変だし数日食べなくても良いかな」で済むなんて言う事はありませんので、どんな状況でもどんな形であっても食事を必ず用意しなければなりません。そしてそれがママの負担になる事もあるのです。

ですが、どうでしょう?
ちゃんと睡眠が取れない中、イライラしたり気持ちが滅入ってまで子供が産まれる前の様に毎日しっかりご飯を作る事が最も重要な事なのでしょうか?
勿論、頑張ってしっかり食事を作る努力する事は素晴らしい事ですし、時間的・気持ち的に余裕がある人はちゃんと食事を作った方が良いと思います。
しかし、睡眠不足が続く毎日の中、ただでさえ大変な子育て。
子供が産まれる前の様にしっかりとご飯が作れないと悩んだり、辛い体に鞭を打って家事をしようとしてイライラする事よりも、「いかに手を抜くか」「時短料理を作るか」を考え、穏やかな気持ちの中で子育てと家事の両立を図った方が子供の為、家族の為には良い事なのではないでしょうか。

また、お料理が苦手な人は得意な人に比べると同じお料理を作るにも多めに時間がかかってしまいがちですが、お料理に時間をかけ過ぎて泣いている子供を泣きっぱなしにさせてしまい、その事で悩みマイナス思考になる位なら、しばらくの間食事が適当になったとしても、子供に接する時間を少しでも多めに取ってあげた方が良いと言う考え方もあると私は思うのです。

完璧を求めない事も時には重要

確かに、手の込んだ美味しいお料理が食卓に並んだ方が旦那様を初め家族の為には良いと思いますし、自分でも満足すると思います。
ですが、今はスーパーに行けばいくらでもお弁当屋・お惣菜が手に入る時代です。
子供に手がかかるのは一生続くわけではないのです。
子育てに余裕がない時は、そう言ったお弁当屋お惣菜を利用するのもありだと思いますし、極端に言えば自分は適当に食事を済ませ、時にはご主人に外食をお願いしても良いと思います。

母乳を飲んでいる乳幼児にとって母親が栄養と取る事は勿論重要な事なのですが、毎日毎日完璧な食事を親がとらなくても子供はちゃんと育ちますし、親自身もちょっとの間手を抜いたお料理を食べていてもすぐに体調を崩したりはしません。
子育てと家事を完璧にこなそうと頑張り過ぎて余裕がなくなったり、逆に完璧に出来なくて悩んだりする事より、子供にとって最も重要な事は「ママが笑顔で元気でいてくれる事」なのです。そして「ママが笑顔でいる事で家庭は明るくなる」のです。
子供が幼い時は、多少お料理が出来なくてもママは十分頑張っているのです。だから「子供に手が取られてご飯がちゃんと作れない」と悩む必要などこれっぽっちもないと私は思うのです。

子供がある程度成長するまで

成長段階における親の大変さ

「育児が大変で忙しい」と言うこの様な状況は子供が新生児の時だけではありません。
子供が成長すると言う事は、色々と手がかかるものなのです。
当然、子供も一人一人違いますので、全く手がかからないお子さんもいらっしゃいますが、それでもママの手が全く取られないと言う事はなく、子育てはそれ程大変な事なのです。

子供がつかまり立ちし歩き出す頃になるとあちこちの物に手を出し、口に入れようとしますので目が離せませんし、自我が芽生えると中には癇癪を起して親を困らせてしまうお子さんもいます。
周りから見るとそんなに大した事ではなく「子育てをする以上当たり前の事」と思われるでしょうが、その大変さはそのママにならないと分からない事で、実際にどんな母親でも子供が起きている間は気持ちのほとんどは子供に向いて細心の注意を払っている為、心休まる暇がありませんので、余裕が全くない状態になっても決しておかしくないですし、誰に責められる必要はないのです。

その立場に立たないと分からない事もある

ただ、そう言った状況は実際に出産してその状況に置かれないと分かる物ではないと思いますので、それが厄介だったりもします。
私自身もそうでした。

公園などで見かける親子は、大抵楽しそうで何の問題もなくみんな幸せそうに見えていましたし、泣きわめいている子供を見ても「あらら、子供らしいなぁ」と思う位で、それ程親が大変だとは思ってもいませんでした。
そして子供が好きな私は、子供が小さいうちはとにかく子供が可愛くて、特に毎日悩む事など無く楽しく過ごしているものだと思っていました。
専業主婦である場合は特に、子育てをしながらちゃんと家事をするのが当たり前だとその時は普通に思っていたのです。
今思うと「子育ての大変さ」など微塵も分かっていなかったのです。

女性である私ですらそうでしたので、その事、つまり育児の大変さを男性である旦那様に理解して貰う事が難しい場合は多々あると思いますし、ママ自身が旦那様にそれを理解して貰う事自体「申し訳ない」と考えてしまう事も多々あると思います。
もしかするとその方が普通なのかもしれません。

理解を得ると楽になる

ですが、実際に子育てと家事の両立は意外と大変で、旦那様の理解を得られると得られるでは大きく違って来ます。
では、どうしたら良いのでしょう?

出来る事であれば、子供がお腹にいるうちからママが子育てについて学ぶ事と同じ事を旦那様にも少しでも学んで貰っておくと理解して貰いやすいかもしれません。更に突き詰めると「子供が欲しい」と夫婦で話している段階から子供が産まれたらいかに手がかかって大変かと言う事、それにより家事が思うように出来ない事もあるかもしれないと言う事を旦那様に予め説明して少しだけでも理解して貰っておくと産後は気分的にも少し楽かもしれません。

女性と男性の「親になる自覚」が芽生えるタイミングの違い

女性は妊娠期間中から少しずつ母親になる意識が芽生え、更に自分が出産しますので産後すぐに「母性」が芽生え母親になる事が出来るのですが、男性は「急に目の前に現れた我が子」を見ても、頭では分かっていてもそれだけではなかなか実感が持てず、女性の様にすぐに子供のいる環境に慣れて「父親」になる事は難しいもので、実際に「手伝おうと思っても何をどうしたら良いのか分からない」と言う事が多いようです。
それを解決するには、「初めての子育てだから夫婦二人で学んで行こうね」と言う気持ちで休日ほんのわずかな時間でも一緒にオシメ変えをしてみたり、「こう言う風に抱っこしたら楽だよ」と優しく教えてあげたりしながら子供が小さいうちから積極的に子育てに参加してもらい、一人で毎日一日中子供と過ごす事がどれだけ大変な事かを身をもって体験してもらう事が旦那様に理解を得て貰える近道だと思います。

一人目と二人目以降の違い

親も環境に慣れてくる

一人目の育児はまだ良いのですが、子供が2人目以降になると一人目の様に食事に手を抜いてばかりはいられません。
体が出来上がった大人に比べ、成長過程の子供は日々の栄養がとても重要になって来ます。
いくら短期間だからと言って毎日毎日お惣菜や外食と言うわけには行かなくなってくるわけですが、二人目にもなると一人目の時と違い、母親自身が要領を得ますし、「こうでなければならない」と言う気持ちも若干薄れて余裕が出てきますので、ちゃんと食事を作れる時間が出来たり、出来ない事があったとしても「仕方ないよね」と大らかな気持ちで過ごす事が出来る様になって来たりするのです。
そしてこの時に一人目で旦那様に理解を得ていると、旦那様自身も色々な状況や子育てにも慣れて来ていますので、色々な意味で楽になるのです。

家庭料理の重要性

家族にとっての家庭料理

何が何でも「食事は手作りで」と考える必要はありませんが、やはり「家庭料理」と言うのは家族にとって本当はとても大切な物ですよね。
そして、あまりに作れない日が続くと逆にそれに負い目を感じてストレスになってしまう場合もありますよね。
家庭料理だけが「愛情のしるし」と言うわけではありませんが、栄養がしっかり取れ、家族の健康を考えて作った母親のお料理は家族にとっては何物にも代えられない「元気の源」だと思います。

特に子供が二人以上になると、「下の子のお世話をしっかりしているのにお母さんがご飯をずっと作ってくれない」と上の子が感じてしまうと寂しい思いをしたり、結果として「愛情不足」で上の子が焼きもちを焼いて言う事を聞かなくなったり、と言う事が出て来るかもしれません。
そして、何より毎日がお惣菜やお弁当、外食となってしまうと経済的にも決して良くはないですし、栄養面でも心配になりますよね。

出来る時に出来る事を

家族の事を考えると全く作らない事を諦めてしまうのではなく、「余裕がある時は作る」「作りだめをする」と言う感じで気持ちを楽にもって家事・育児に励むと良いと思います。

「今日はちょっと多めに睡眠が取れたから」「子供が大人しく遊んでくれているから」「主人が子供を見てくれているから」と言う時だけしっかりとお料理をしたり、旦那様がお休みの日にちょっと子供を見て貰ったり、育児に慣れたら子供がお昼寝をしている隙におかずを作り溜めしたり、冷凍出来る物は冷凍したりと言う工夫をするだけでも全然違うと思います。

使える物を上手く利用する

また、最近では加工済みの冷凍野菜も種類豊富に販売されていますのでそう言った物を利用してお料理の下処理の時間を短縮させたり、もっと便利な物となると温めだけで和食の定食が出来上がってしまう様な便利な物も沢山ありますので、そう言ったものを上手く利用するのも良いでしょう。

家族の幸せの為に

ご飯が作れなくても幸せな家庭は沢山ある

これまで述べてきました様に、母親が作るお料理は家族にとってとても大切である一方、無理をし過ぎなくても何とか出来る物でもあります。

知人の家庭の話にはなりますが、二人目の子供さんが障害を持って産まれて来たご家庭があります。
そのお子さんはその障害が原因で、産まれてから2歳近くまでは一か月に一度は必ずと言っても良いほど入退院を繰り返していましたし、そうでない時は週の半分は色々な病院に通院しなけらばならずママは本当に大変そうでした。

上のお子さんは幼稚園に通っていましたので、幼稚園から返って来るとその子のお世話もしなければなりませんし、時間的余裕は全くなく、普通では考えられない位外食が多く、家での食事も冷凍が多かった時期もありました。

食事の部分だけを聞くと「母親としてどうなのだろう」と思われても仕方ない様な状況だとは思いますし、「ご主人や上のお子さんがよく我慢しているな」と思った事もありましたが、それだけご飯が作れなくても子供さんはいつも元気でしたし、笑顔で明るく、また、ご主人も育児に協力的でとても幸せそうなご家庭に私には映っていました。

どこに愛情を感じるか

その御家庭はご主人もお子さんも「愛情がなくてご飯を作ってくれない」などと感じているわけではなく「ママが一生懸命頑張っている姿」を目の当たりにして、十分な愛情を感じていたのだと思います。
それは家族にとってとても重要な事で「愛情にも色々な形がある」ご勉強させて貰ったような気がします。

自分に出来る形で家庭を守る

一番重要な事

これらの様に、家事・育児には色々な形がありますので、全てが教科書通りである必要はありませんし、「自分が出来る事を出来る時に」と言う大らかな気持ちで、自分が苦にならず心身ともに安定出来るやり方を見つける事が一番ではないでしょうか。

そして家族にとって最も重要な事は「表面上の形だけの家族」ではなく「形には現れない愛情ある家族」だと思います。
そう考えると、ご飯が作れなくても思う様に家事が出来なくても、それは決してそれほど大した事ではなく、その分「違う形の愛情」があれば、それはきっと自分だけの最高の家庭になるに違いないと思います。

今の私が出来るアドバイス

もし今私の目の前に「忙しくてご飯が作れない」と悩んでいる方がいらっしゃるとすれば「ご飯が作れない状況はずっと続くわけではないし、その頑張りは絶対に家族に愛情として伝わるから悩む必要はないよ。頑張り過ぎないでね」と伝えるでしょう。
ママはみんな頑張っているのですから。

ABOUTこの記事をかいた人

1975年生まれ(41歳)の「10歳の男の子」と「7歳の女の子」のママです。 「死産」「流産」と辛い経験を乗り越え、日々悩み、笑い、周りの協力を得ながら楽しく育児しています。 ワーキングママを経験し、現在は専業主婦をしながら子供と一緒に成長中です。