学費に不安を感じる家庭は多い
誰でも一度は調べるであろう学費
お子さんがいらっしゃるご家庭なら、大抵一度は子供を無事育てるまで学費がいくらかかるのか考えたり、調べたりした事があるのではないでしょうか。
「格差社会」と言われる現代。学費の事など心配した事がないと言う方の方が遥かに少ないのでなないかと思います。
大学まで全て公立に通わせると最低1,000万、私立に通わせると2,000万学費が必要だと言う事は聞かれた事があると思いますし、ネット上で調べると最近では沢山の情報が掲載されていますので大まかな費用はご存じの方が多いと思います。
ですが、なかなか他人の家計状況は聞きにくいものですし、自分の家の家計状況を話してまで将来の相談をすると言う事はなかなか出来ないものだと思います。
私もそうでしたが、「誰にどのように相談すれば良いか分からないけど先々が不安で情報は知りたい」と言う方も多いと思いますので、恐らく一般的な生活、いやそれより少ししたまわるでしょうか?の生活をしているであろう我が家の家計状況を踏まえながら実質必要になって来る学費の事をここからはご紹介して行きたいと思いますので参考にして頂けたらと思います。
一見ゆとりがある様に見えてそうではない我が家
我が家は周りからは「ゆとりある暮らし」に見えているかもしれませんが、決して余裕がある暮らしをしているわけではありません。
決して自慢でもなんでもなく、二人目を出産した頃に土地を購入し2階建ての家を新築。現在ワンボックスカーと軽自動車2台に犬が一匹。比較的生活に余裕がある方が住んでいる新興住宅地で生活していますので一見余裕がある様に見えるのかもしれませんが、実際は家を建てた理由も決して余裕があるからではなく、家族4人で生活出来る間取りの賃貸物件よりも家を購入してローンを組んだ方が安く、月7万弱で済む事、そして将来子供に財産としてお金は残せないと予想出来る為、「せめて土地を残せたら」と考えた事から土地代が安くて両親に協力を得られる実家近くに家を建てたのです。
元々車は1台でしたが経済的理由で少し前まで私が仕事をしており、地域的に車が2台ないと働けないのでやむを得ず購入しただけで、決して趣味でもなく余裕があっての事でもないのです。
犬は私が独身時代から飼っていた犬で、結婚する前は高い餌をあげる事も出来ましたし月に一度は必ずトリミングに出していたのですが、今は安い餌にトリミングは家で自己流にする事しか出来ない状態で、裕福そうに見えている裏では、毎月のやりくりをボーナス補てんするという生活を送っていますので、既に子供が幼稚園に入る前から子供の将来の学費についてはとても気になってよく調べたりしていました。
現在はやむを得ない事情でどうしても働きに出る事が出来ませんが、主人のお給料がわずかながらアップしたので、ギリギリでも何とかなっている様な状態ですが、子供の為に毎月ほんのわずか残しているお金以外は全く貯蓄が出来ない状態で、周りからは「子供が義務教育の間に貯金した方が良いよ」とか「貯金できるのは今しかない」と言われる事に焦りを感じると同時に、この先子供をどうやって大学まで行かせる事が出来るのか、考えれば考えるほど不安で仕方ありません。
義務教育を終えるまで
地域や年収によって大きく変わる保育料
我が家には4年生の男児と1年生の女児がいるのですが、息子は3年保育の公立幼稚園に2年通った後に1年間公立保育所へ通い、娘は3歳から公立保育所に通っていました。
2人共公立だったので費用的には安かったのだと思いますが、それでも幼稚園で1ヵ月だいたい12,000円位、保育所で25,000円程払っていました。
幸い私が住んでいる地域は幼稚園や保育所に兄弟が同時期に通っている場合、2人目以降の保育料は無料でしたので、下の子の保育料は長男が小学校に入学するまでは不要でしたので大変助かりました。
(公立と私立の違い)
保育所の場合世帯年収と子供の年齢によって支払額は変わりますので年収の良いご家庭だと月7万円を超える支払いになります。
よって公立幼稚園に3年通ったとすると単純計算で約43万、保育所だと3年計算で行くとご家庭の状況や地域により大きく変化するかとは思いますが65万~263万必要になってくるのです。それに合わせて遠足代等年間5,000円位と制服や備品等入園準備品で5万前後は必要になります。
これが公立ではなく私立になると月々の保育料がアップするだけではなく、入園費用等更に必要経費がアップする場合がほとんどです。
費用がかかる私立幼稚園にお子さんを入れていらっしゃるご家庭は生活にある程度の余裕があっての事だと思いますが、保育所に入れている方の場合、勿論働く事が好きで働いている方もいらっしゃいますが、経済的理由で働く方も少なくないと思いますのでこの費用は大きな負担になって来ます。
余裕がある方からすると「そんな費用を払ってまで子供を保育所に預けて働く必要があるのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんし、私自身も小学校入学までは家にいてあげたい思いが強かったのですが、我が家の場合はそんな金額を払ってでも、また子供に寂しい思いをさせたとしても子供を保育所に預けて私が働かないと毎月のやりくりが大変で、私が働いたお給料から保育所代を差し引いて数万円でも手元に残るなら働くしかないと言う状態でした。
義務教育
公立でも意外とかかる小学校費用。
私の場合、つい最近息子が4年生、娘が1年生の夏まで仕事をしていました。
小学校は義務教育の為、毎月必要な費用と言えば給食代と雑費の4,500円前後でしたので、学費だけを見ると入学前に比べるとかなり楽になるはずなのですが、我が家の場合は先ほど述べました様に「同時期に通っていたら2人目の保育料無料」と言う恩恵を被っていましたので、息子が入学した後はそれまで無料だった娘の保育料が必要になり、結局息子の学費+娘の保育料、そして息子を学童保育に入れざるをえませんでしたのでおやつ代を含む7,500円位がプラスして必要になりました。
そうなると余計に出費は嵩み「義務教育の内に貯めろ」と言う事からは更に遠のいてしまい「思うように行かないものだぁ」とよく思っていました。
入学準備品から6年間の公立校トータル金額
また、入学時には細かい事を言えばランドセルに始まりお道具箱や粘土、上靴や体操服等細々した物が必要になりますのでそれらで10万弱必要でしたし、毎月自動引き落としされる給食費・雑費の他に、現金でその都度徴収される遠足代や物品代が年間で4,000円前後、その他にその学年により必要な物、例えばお習字道具や彫刻刀等購入しなければならないもの、学年により違いは出ますが平均すると年間5,000円前後必要になりますので、公立公立小学校の場合学校に支払う費用は6年間で65~70万位で、実質その他購入しなければならない物品が沢山ありますので合計すると6年間で100万程必要になって来ます
確かに6年間でこの費用なら安いのかもしれません。
ですが、義務教育は無償だと考えている方が多いと思いますが、しっかり計算してみると実は無償とは少しかけ離れた金額になって来るのです。
そしてこれが私立校であったり、公立でも制服があったりバス登校だったりと言うと更に費用はアップするのです。
私立は公立の何倍?
友人の中にも子供を私立小学校に子供を通わせている方もいらっしゃいますが、私立に通わせると公立には必要のない入学金に始まり高額な授業料も必要になりますし制服を用意しなければなりません。
私が知っている私立の場合、入学金が約10万、授業料が一か月28,000円かかりますので、それだけで約220万円必要になり、その他必要な物品等の費用も最低でも公立と同じだけはかかりますので最低でも300万以上必要になります。
またその他、私立の場合はたいていがバスや電車での通学になりますので交通費もバカになりません。
勿論私立と言っても学校により入学金や授業料はピンキリですし、教育内容も違ってきますので安いか高いかはその方の価値観によっても変わって来ますが、小学校のうちから意外と費用はかかるものなのです。
第二の義務教育「中学」
小学校に引き続いての義務教育が「中学校」ですね。
小学校に比べ、年数的には半分になりますのでトータルすると学校に支払う学費の親の負担は少し楽になるかもしれません。
(公立中学校の場合)
中学校も義務教育の為、公立に通った場合は入学費・授業料は必要ありません。
公立小学校と同じく給食費と物品代は必要になりますので、部活等の費用を省いて実質学費として必要になる費用は小学校とそう大差はありませんので、学費だけで考えると3年間で30~40万必要になって来る事になります。
ですが、中学校になるとほとんど必ず制服が必要になり、制服は一般的に3万円前後かかり、男の子の場合は特に成長期に当たる3年になり一着では済みませんのでそう言った費用も大きな出費になりますし、部活や塾代も大きくのしかかって来ますので思っているよりもお金はかかって来ます。
(更に高い私立中学)
また、中学校の場合も私立になると小学校よりも更に入学金や授業料も高くなります。
私立に通う親戚に話を聞いたところによると、私立だと入学金は25万、授業料は1カ月36,000円支払っているそうで、私立によっては寄付金等が必要な所もあると言う事です。そして受験料も2万円以上かかるとの事です。
そう考えると入学時からの物品代等も含めると3年間で300万近くは最低でも必要になり、小学校に比べ中学校になると私立の場合公立とは大きく差が開いてきます。
中学受験増加
我が家の様にギリギリなんとか生活している家庭も多いと思われる一方、昔に比べ最近では中学受験をする子供がとても増えて来ています。
我が家の子供が通う中学は公立の中でも成績は上位な方ですが、それでも私立を受験する子が増えて来ています。
子供の将来の為にと考えてそれだけの費用をかける熱心な親御さんが増えてきていると言う事なのでしょう。
そして、それだけの費用を支払えるだけの収入がある家庭も増えてきていると言う事なのだと思います。まさに格差社会です。
どこの親も子供に対する愛情は、形は違えど同じだと思うのですが、子供にかけられるお金の違いによって将来が変わって来る事もあると思うと悲しくなってしまう時もありますが、これは仕方のない事なのかもしれません。
義務教育が終わり高校・大学へ
有り難い恩恵「高校無償化」
昔は中学までしか通わなかった、また通えなかった方も多かった様ですが、近頃では高校へ進学する方が多いのではないかと思います。
数年前から「高校無償化」になり、我が家の様な家計の方にとってはとても有り難いお話です。
では、実際「無償」なのでしょうか?
いえいえ、これも公立小学校中学校と同じで思っているよりも費用がかかるのです。
この「高校無償化」で義務教育と違うところは「所得制限」がある事でしょうか。
年収にすると910万程度未満の家庭に「就学支援金」として支給されます。
勿論我が家には所得制限など無関係な話ですが、この時だけは「収入が所得制限内で良かった」と思います。
この無償化の有り難い所は所得制限があるものの、公立私立関係なく支給される点です。
収入の少ない家庭ほど学校以外の教育費がかけられない、つまり塾やお稽古に通えないと言う現象が起こりますので、一概には言えませんが、裕福な家庭の子供比べるとそうでない家庭の子の方が勉学に遅れを取ってしまいがちだと言う事も良く耳にしますので、「公立に行きたくても学力的に難しい、でも私立には費用的に行かせられない」と言うパターンもあり、そういう意味ではこの無償化は家計に優しい制度だと思います。
我が家の息子が高校へ行く頃にこの「無償化」がなくならない事を願うばかりです。
では、実際に高校の学費は最低どの位必要になってくるのでしょうか。
実際に必要な高校学費
現在公立高校に通う子供を持つ友人によると、「無償化」だからと安心していたけれど、これもまた意外と費用を捻出しなければならないと言う事です。
支給金額は授業料として月額9,900円になるようですが、実際に支払うそれ以外の費用として年間25万位は必要になって来るとの事です。勿論学校によってこの金額は違って
くるのですが、無償とはいえ3年間通学させると結局学校に支払う費用だけで100万程のお金必要になってくるのです。
確かに無償ではない時の事を考えるととても助かるお話ですが、だからと言ってそれに加えて大学等に行かせる為に予備校等に通わせる費用、交通費も実際は必要になりますので事実上の教育費はそれでは補えませんし、「無償だから」と安心できる状況ではなく、我が家ではやはり不安でしかありませんし、同じように不安なご家庭も沢山あるのではないかと思います。
さらにアップする大学学費
高校の無償化でここまで学費がかかるとなると大学進学するともっと費用が嵩む事は言わずとも明確です。
大学は国公立、県・府立・私立によって、そして更に学部によって驚くほど大きく学費は変わって来ますので一概に学費を計算する事は出来ませんが、一般的に学費が安いと言われる国公立であっても安い所で年間25万程の授業料、高くなるとその倍以上が必要になりますし、その他実習費や設備費等も万単位で必要になります。そして大きな費用としては入学金が平均して20万程は必要です。
これが私立になると、授業料が年間50万~150万位は必要ですし、入学金は25万位必要になるところが多いようです。
そしてその他諸経費も必要になりますので、平均すると公立で年間80万、私立で年間120万位は最低でも準備しなければなりません。
学費は必ず必要。その為に親が出来る事
どんな家庭も親の思いは同じ
ここまで記載しました様に、子供を大学まで行かせようと考えた時、改めてトータルの学費を計算すると我が家にとっては気が遠くなりそうな程の金額がかかります。
子育てをしながらその資金をいかに上手に貯めて行くかはとても重要になってきますし、親の役目なのかもしれません。
幼い頃から教育熱心で子供に費用をかけてあげられるご家庭もあり、そう言うご家庭では幼少期からお稽古と沢山させて、早いうちから受験をし、それなりの道を目指される方が多いのではないかと思います。
その一方で我が家の様にギリギリの家庭もあり、沢山のお稽古はさせられずに子供の進学に悩みを抱えるご家庭もあると思います。
ですが、私自身の考えでは、決して裕福ではありませんが、出来る事であれば「お金がないから学校に行かせてあげられない」とは出来る事であれば言いたくないですし、可能な限り「自分が行きたい」と思う道へ進ませてあげたいと思いますし、親としての努力はしなければならないと思っています。
それは私に関わらずどのご家庭でも同じ「親心」だと思います。
親の役目として子供の将来の為、親の見栄もあるかもしれませんが、例えギリギリの生活がこのまま続いて自分が我慢をしなければならないとしても、何とか少しでも足しになる様にお金を貯め、そして現在は働く事が出来ませんが、働けるようになったらすぐに働いて子供のそう遠くない将来の学費の為に蓄えなければならないと思っています。
最後に…
子供一人育てるのは大変な事です。
ですが自分の子供の為なら頑張れるのです。
子供が将来困らない様、そして子供がこれから迎える明るい未来の為に親は頑張るしかないのです。いえ、それが生きがいなのかもしれません。