どこでもいるモンスターペアレント
初めて「モンスターペアレント」という言葉を耳にした時は、「何て大げさな。」と感じましたが、実際に自分の子どもが小学校に入学してから卒業するまでの6年間、正にその言葉通りの保護者が何人かいました。
子どもが通っていた小学校だけでなく、近隣の小学校の保護者からも、その学校にいるモンスターペアレントの話は耳に入ってきました。
モンスターペアレントは、今はどの小学校にもいて当たり前のようです。
とにかく、人の話を聞かない
筆者が実際に接したことがあるモンスターペアレントについて、お話ししましょう。
子どもの事で悩みがあり、誰かに相談するのは普段からよくある光景ですが、その人は最初から自分の望む結論ありきだったので、周りの人が心配して声をかけても聞き入れず、自分が望み求めるアドバイスをしてくれる人を探し続けて孤立していきました。
自分の思い通りにいかない、子どもも自分が思う通りになってくれない、そんなネガティブな感情を爆発させる矛先は、学校の先生に向かいました。
校長先生にまで感情を爆発させる、気に入らない先生に謝罪をさせる等、その行動はどんどんエスカレートしていきました。
親身になってアドバイスをしてくれた何人もの保護者のことは、自分が望んでいることを言ってくれなかったというだけで完全に無視するようになりました。
最後には自分の実家に子どもを連れて帰って転校させることで幕を引きました。
とにかく、人の話を聞かない、自分の考えと意見が全てで、決して譲ろうとしない‥。
これは、モンスターペアレントと呼ばれる人に共通しています。
誰でもなり得る
モンスターペアレントと呼ばれる人だけでなく、最近は自己主張が強くて人の話を謙虚に聞くことが出来ない保護者が多いように感じます。
自分の頭で物事を考えることが出来ないのに、他の人が一から作り上げた案に、言い方は悪いのですが、ケチをつけることには長けています。
他にも、
「学校に直接クレームを言うと、自分が何年何組の誰々の親だとわかってしまうから、それは避けたい。だから匿名でPTA役員から学校に話をつないでもらおう。」
「記名式のアンケートには意見を書かずに、PTA役員に何とかしてもらおう。」
自分で行動を起こさずに、人に頼もう、やってもらおう、というケースも非常に多いです。
「子どもにも、そんな姿を見せているのだろうか?」
「家で、子どもに一体何を話しているのだろうか?」
思わずこちらが心配してしまうような保護者に、PTA活動を通して数多く出会いました。
そうなると、誰でもモンスターペアレントになる素地を持っていることになります。
まずは自分自身を育てる
子どもが小学校に入ると、勉強や集団行動等、親として心配になることが圧倒的に増えます。
一番大変なのは子どもなのに、それを支えるどころか自分の不安を解消するために自分本位で行動してはいけません。
先生や学校に意見があるなら、まずはきちんと名を名乗ってから冷静に話をすべきです。
うまくいかない事を全て学校側のせいにするのは幼稚以外の何ものでもありません。
モンスターペアレントとは、自分自身がきちんと育っていない幼稚な大人の究極の姿です。
それは決して対岸の話ではなく、誰でも何らかのきっかけで、ある日突然変身出来るものです。
子どもを立派な大人に育てたいと思うのなら、まずは自分自身を育て、恥ずかしくない後ろ姿を見せられるよう日々努力すべきではないでしょうか。