IQが高い?発達障害だからといって特別な才能があるわけじゃない

「子供が発達障害なの。」と言うと、「IQとか高いんでしょ。どんなすごい事が出来るの?」と言われる事がたまにあります。発達障害の認知が社会的に上がってきたため、テレビなどの放映で見た発達障害の人の映像が、「発達障害の人はこういう人」という像を作り上げてしまっているのでしょう。発達障害の知名度が上がること、テレビでの特集、そういったものに反論するつもりはありませんが、特徴だった人がモデルになることで(その方がわかりやすいのは私にも理解出来ますが)、世の発達障害の人の特徴が特定されてしまっている気がします。

IQが高い

もちろん、IQの高い発達障害の人や子供もいます。IQが高いので学校の勉強が面白くなかったり、その反面、うまくコミュニケーションが取れなかったり、学校生活になじめずに不登校になってしまう事もあるようです。
いわゆる‘ギフテッド’と呼ばれている人達の中にはIQが高い人もいるようですが、日本では少し変わった人扱いをされてしまい、うまく社会生活になじめない事が難点のようです。
発達障害とは、発達に凸凹があり、社会生活に何かしらの困難を感じていることを指すのですが、発達障害だからIQが高い、というわけではありません。発達検査で測れるIQは、論理的・言語的なところが主になっているので、その他の五感や運動・芸術面は測れません。しかし、発達障害の中でのIQは、知的レベルを知る上でとても大事な情報になってきます。IQが70以上(自治体によって違う)の場合、境界辺りの数値であれば知的障害とは判定されにくくなるので、療育手帳を取れない事や、特別支援学級への入学等の判断にかかわってくる事になります。
ちなみに長男のIQは発達検査でわかっていますが、全く高くありません。平均レベルです。低くもないので、知的レベルに問題はないのですが、その検査結果1つ1つにかなりの凸凹があり、その差が約2年半あると言われています。わかりやすく言うと、長男が小学1年生で、計算能力は2年生後半なのですが、社会性は年中さんレベルというようなものです。2年生後半の計算能力がありながら、1年生の計算をすればかなり出来るように感じますが、社会性はまだまだ幼稚園レベルなので、年中さんが学校生活を送るようなものです。その差が大きいので発達障害と言われるわけで、決してIQが高いわけではないのです。

子育ての中で大事に思っている事

子育てをする上で、自分の子どもの頭がいいという事は親としての喜びでもあるのかもしれません。しかし、発達障害という言葉に対して、「IQが高い」「天才児」「特別な才能がある」というイメージがあると、ママ友と話をしていてもうまくこちらの意図や思いが伝わらず、かといって1から説明する気にもなれず、悶々とした状態が続いてしまい、考え込んでしまった事も多々ありました。
この話は、発達障害のママさんの間では、あるある話です。「うちは全然IQ高くないんだよね・・・」となってしまう事も発達障害児ママのあるあるです。ひがみかもしれませんが、まだ発達障害がわかったばかりの時は「発達障害なのに特別な才能がない」と思い込んでしまうママさんもいました。(自分も同じでした)
頭がいいからいいとか、才能があるから幸せとも簡単には言えないような気もします。どちらにしても本人にしかわからない苦労や苦悩もあるでしょうし、他人の芝生は青く見えると言われるように、無い物ねだりのような思いがあって人間らしさが出るのではないでしょうか。
子供は育てるのではなく、「自ら育っていく子供の補助をするのが大人の役目」というような記事を子育て雑誌で読んだ事があります。私は子育て中なので、現時点で私の方針があっているのか、いいのか悪いのか等はわかりません。
ただ、いつも、「明日、自分が死んでも子供達が生きていけるように」という事を念頭において、子育てをしています。子供の性格や特性をよく見て、理解しサポートが必要な所はサポートする、というスタンスでいれば、その才能に合った手助けが出来る事も、親の利点だと思っています。
発達障害児の親としてIQとは、学校で通常クラスに通えるのか(通級含む)、情緒固定学級になるのか、特別支援学級になるのか、療育手帳は取れるのか、という事の判断材料である事が一番大きいかもしれませんね。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。