発達障害とADHD「片づけられないということ」

子供がいると、なかなかキレイな状態に家の中を保つ事が難しい気がするのは私だけでしょうか。
どんなに片づけても片づけても、収納の本や片づけが上手な方のブログを見て真似してみても、思う通りになど全然いきません。

ADHDの片づけとは

私も片づけが得意な方ではないのですが、長男も片づけはとても苦手なようです。
まだ、長男が発達障害だとわかる前は、なんとかして片づける習慣をつけさせようと必死でした。
子供の片づけなので、ただ大きなおもちゃ入れの箱に入れていくだけの方法にしたのですが、なかなかうまくいきませんでした。

とにかく、目にとまる物を次々に出すので‘遊び終わったら一度片づける’という事がどうしても難しいようでした。
遊んでいる最中に目に入ったものに気が移り、気になるから出し、出した物で遊び始め、前に遊んでいた物の事はすっかり忘れてしまう、という負の連鎖でした。

もう1つ、‘遊びが終わる‘という認識がなかったように思います。
次はこれで遊ぶから一度終わりにしよう、という思考回路がなかったのではないかと、今ではそう解釈する事ができますが、当時は私もよくわからなかったので、次々に出しては片づけない長男に、日々イライラしていました。

エスカレートしていく怒り

私は、子育ては日々、トライ&エラーの連続だと思っています。
ADHDなのでただでさえ起きた瞬間から寝るまでの間、本当に‘せわしない’というか休む暇がない位、あわただしく次から次へと興味が移っていき、それと共に動き回り、幼少期はあぶなっかしくて見張っていないといけなかったので精神面がとても疲れました。

2歳から4歳位までは、毎日毎日怒らない日はなかったような気がします。
私もどんどん怒りがエスカレートしていき、子育て支援センターに子育て相談に行く直前あたりは、頭にきてソファに物を投げたりするようにまでなってしまいました。
投げてハッと我に返るという、一歩間違えたら、危険な方へいっていたかもしれません。

うまくいかないから、思った通りに子どもが動いてくれないから、自分はそう思わないから、だから怒るという負の回路に落ちて行った私ですが、長男が発達障害だと分かった時からガラッと対応を変え、徐々に精神面も落ち着いてきました。

怒られた時の長男の気持ち

これは長男が大きくなってきてから聞いた話なのですが、誰かに怒られた時、怒っている顔が全画面表示になっていて、怒鳴り声が頭に響くそうです。怒られている意味もわからないし何を言っているのか内容も全くわからない。
ただ恐怖とわかってもらえない怒りだけが残るそうです。

まだ長男が3歳の時、次男出産のため実家で半年過ごしたのですが、私に怒られた長男が「いつもこうなんだ!いつもこうなんだ!!」と地団太を踏んで言っていたそうです。
それを聞いた私の妹が、3歳の子が「いつもこうなんだ!」なんて言う??、と私に教えてくれました。
怒られている意味はわからず、おそらく長男自身が何か間違った事をしているとも思っていないのでしょう。

声掛けの重要さ

長男の発達障害はわかってから、まず一番気を付けたのが‘声掛け’です。
「怒らない」「命令しない」「指示は短く」「絵カードを使う」を中心に、声掛けや話し言葉を変えていきました。

遊んでいる時に他へ興味が移ったなと感じたら、「今、何で遊んでいるの?」と聞きます。
新しい物で遊んでいると言ったら、「前に遊んでいた物はどうする?」と聞くとあっさり片づけてくれました。片づける時は出来るだけ補助をしました。
片づける箱を持っていてあげるとか、片づけを手伝ってあげるなど、本当にちょっとした事ですが、‘片づけられなかった‘という結果にならないよう、フォローしました。
そして片づけが終わったら、「片づけ終わり!」と、これで一旦終わったよという事を長男の代わりに代弁して区切りをつけました。

たったこれだけなのですが、生活は劇的に変わりました。
声掛けがないと、以前のように散らかり放題になってしまうので、見て声掛けをしなければいけないのですが、長男も一旦気持ちを切り替えられるし、後々、全部片づけなくてもいいので少しずつですが私の補助なしでも片づけられるようになっていきました。

出かける前、ご飯の前、寝る前などは「あと何分でご飯だから、何分後に片付けを始めよう」と声を掛け、‘絵カードタイマー’(タイマーが色で表示されるので時間の概念がなくても目で見て時間を認識できる)というアプリをかけると、タイマーがなったら片づけ始めるようになりました。

片づけるスピードも最初は時間がかかりましたが、10歳になった今ではほんの5分もかからずに部屋が片づきます。
今でも箱に全部片づける方法は変えていませんが、あっという間に片づけてくれてくれた時は感動しました。

出来ないんじゃない、やり方が違うんだ。

いつも私が長男に言っている言葉です。
まさにちょっとした声掛けと工夫で、‘出来ない’が‘出来る’に変わっていった出来事です。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。