【発達障害と高機能自閉症】感覚過敏がある生活

高機能自閉症である長男は、幼児期から感覚過敏の兆候が出ていました。今でこそ、長男が自分のいろんな事を話せるようになったので、周りも対処しやすくなったのですが、まだ、言葉も思い通りに話せない幼少期はよくわからず、とても難しく感じていた時期でもありました。実際、感覚過敏という特性を持ち合わせていると、どういう事に困るのか、長男の場合ですがお話ししていきたいと思います。

5感のすべてに苦手なものがある

幼少期、何度言っても長男の行動が変わらなかったものがあります。今では理解できる事も、当時の私には理解できず、不思議な行動を問題行動ととらえてしまっていました。

洋服を裏返して着る、または前後ろ反対に着る

初めのうちは、洋服の前後ろや表裏がわからないのかもしれないと、一生懸命教えたものでした。しかし、何度教えても裏表が逆な状態か、前後ろが逆な状態でした。
ハサミを使えるようになった3歳頃、長男が自分で洋服のタグを切り始めたので、その時初めてタグの感触が嫌だったことが判明しました。ハサミで切ると洋服に穴が開いてしまうので、タグは私が全て外しました。子供の下着などは、タグが表についているのもあるのですが、それ以外の服は全部内側のどこかにタグがついていて、下着を着た上からでもタグが当たるのが気になっていたようでした。小4になった今では、タグを気にする頻度はだいぶ少なくなったのですが、いまだに前後ろ反対に着ています。たまに、下着からズボンからすべてが前後ろ反対だった時、そこまで反対ならもういいや、と思ってしまいました。前後ろ反対でも、命に関わるわけではないし、周りの大人がみんな、「反対に着てるよ」と指摘するくらいなので、本人が指摘される事を気にするよりも、反対に着ている事で安心でいるならいいかな、と思えるようになってきました。

髪や爪を切らせてくれない

こちらも幼少期に困っていたことの1つです。とにかく、他人に触られる事が嫌だったようで、髪を切ったり爪を切ったりさせてくれませんでした。
これは後々、私が出した持論ですが、自閉症の特徴として「先の予測ができない」というものがあります。これから起きるであろう事の予測ができない、他人の事は眼中にはないので、他人の行動も空気も読めない、なので、他人が自分に関わってくると何をされるのかがわからず、嫌がっているのではないか、と思ったのです。
3歳くらいまでは、話したところでこちらの説明を理解する事もできませんでしたから、夜、長男が寝た後、頭の下に新聞を敷いて、小さい電気スタンド1つをつけた暗い中で、2日くらいかけて髪を切ったり、ついでに爪を切ったりしていました。ほとんど昼寝をしてくれない子だったので、夜に切る事が多かったです。切った後の状態は、次の日の朝に確認できるという、若干スリリングな所はありましたが、当時はそんな事を楽しむ余裕もありませんでしたし、困り果てた故の対処でした。
話しが通じるようになってからは、髪や爪を切らないとこうなる、という絵や画像を見せて、2か月に1度は髪を切りましょう、という方向へ持っていきました。当然、美容院などで切ってもらう事はできませんから、今でも私が切っています。おかげさまで10年も子供の髪を切っていると、それなりにうまくなってくるものです。いつか、外で切らなければいけない日がくるとは思いますが、長男が嫌だというまでは私が切ろうと思っています。

苦手な音

おそらく、長男の生活の中で一番困っているのが、音だと思われます。私達には全く気にならない日常の音の多くを拾ってしまっているようで、苦手な音を聞くと、アルミホイルを噛んでいるような感覚になり、発狂したくなるそうです。実際、生活に影響が出ているものの例を挙げてみたいと思います。

  • エコバックやウインドブレーカーのような素材でできている服

冬になると、上着として着るジャンパー系のほとんどはこのような素材でできているため、ジャンパーが着られません。上着として着ているのは、もっぱらフリース素材やジャージ素材でできているものです。また、他人が着ている時にこの素材がこすれる音、例えば隣を歩いている時に腕がこすれて音が出てしまいますよね。こういう音はとても苦手だそうで、長男は離れて歩いています。夏の服でも、薄いズボンなどはこのような素材が使われているものがあるので、長男の洋服を買う時には特に気を付けています。

  • 畳を歩く音(靴下や素足と畳がこすれる音)
  • ほうきで掃く音(外での枯葉掃除など)
  • 習字の半紙と筆がこすれる音

これらの音には一貫性が見つけられないのですが、こすれる音全般がダメなわけではなく、特定の音が苦手なようです。畳に関しては、カーペットやマットをひいたり、バスタオルのような布を敷いたりしてしまえば問題ありません。また、寝室の場合は布団を敷きっぱなしにする事もありますが、直接畳に触れる音がしないように気を付ければ大丈夫です。旅行などで旅館に泊まったりする場合は、先に布団を敷いてしまうなどで対処しています。
ほうきや筆のこすれる音に関しては、音を止めることはできないので耳栓をする事で対処しています。音がダメだから使えない、掃除ができない、となるのではなく、できる方向で模索していますが、今の所、耳栓でなんとかなっているようです。

感覚が過敏であるということは

他にもにおいや食感に関しても過敏な所はありますが、音と触感が今までで生活の支障が大きかったかなと思っています。
音に関しては、よく発達障害関連のウェブでも紹介されていますが、音の集約が難しい事で生活全部の音を拾ってしまうようです。私達は普段、自分の意識しているものの音がメインで聞こえてきますが、全ての音がメインと同じように気になっていたらかなりのストレスになることでしょう。そういう生活が普通である長男にとって、対処して気にならないようにできるのであれば、こちらが配慮して少しでもストレスを減らしてあげたいと思っています。
感覚が過敏であるということは、おそらく人間が本来持っている感覚であり、狩猟民族のような感覚が過敏であることが必要とされる環境においては、とても有利になるものだと思います。家の中で守られることが普通になった今、また人間の科学が進んで音の数も種類も増えた今、本来持ち合わせていた感覚のままだと生きづらくなってしまうのかもしれません。逆に言えば、健常者と言われている私達の感覚が、環境に順応して鈍くなっているという考え方もできます。感覚が鈍くなった人達が増えたために、鈍い感覚を普通とされ、もともとあった感覚を持ち合わせている人達が「感覚過敏」と呼ばれてしまうのかもしれない、と私は考えます。
そう考えると、今の世の中を生きる上で感覚過敏の人達の生きづらさはとても大変なものではあるけれど、人間本来の感覚を今の世代にしっかりと受け継いでいる人達として、とても貴重な存在にさえ思えてきます。どちらにしろ、感覚過敏であることを非難批判するのではなく、配慮するべきところに配慮することは誰にでもできることだと思っています。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。