発達障害の療育手帳って何?

発達障害の子供を持つ母親なのに、療育手帳の事を初めて知ったのは、長男が発達障害だとわかってから4年後位です。発達障害ママさん達と話をしていた時に、療育手帳を取る・取らないの話が出ていて、そこで初めて知りました。「発達障害と診断されると療育手帳を取る事が出来るのか。」と勘違いした私は、ネットで情報を調べてみました。何か、補助が受けられるのかもしれないと思ったからです。しかし、長男の場合は、IQが70以上なので、療育手帳の対象ではありませんでした。通級からも、療育からも療育手帳を薦められた事はありませんでした。私の勉強不足だったのですが、療育手帳についての情報をお知らせしたいと思います。

そもそも、療育手帳って何?

療育手帳とは、IQが75以下(IQ70以下の自治体もあり)の方に発行される手帳の事です。18歳以前から知的障害が認められていて、日常生活に補助や医療・教育などが必要な場合、様々な制度やサービスが受けられるという特典があります。しかし、IQが知的障害レベルではない発達障害の人はたくさんいます。基本的に療育手帳発行の際には、IQと18歳以前の成育歴で発行される・されないが決まっているようで、それ以外の発達障害の人に手帳はありません。

知的障害のない発達障害の人はどうすればいいの?

療育手帳とは違うものですが、「精神障害保健福祉手帳」というものがあります。何かしらの精神疾患により、長期にわたり日常生活・社会生活への制約がある方が対象です。また発達障害の中でも自閉症の症状により、日常生活への困難が大きかったり、二次障害として精神症状が現れたりした場合は申請できる可能性があります。取得すれば、様々なサービスや割引、教育などが受けられるので、ぜひうちの長男用に取得したい!と思い、市役所へ問い合わせをしてみたのですが、薬を飲んでいない、通院や療育の頻度も高くないのであれば、市の医療症で十分カバーできているとの事で、取得する必要はないのでは?と言われてしまいました。結局は長男が何らかの精神障害が出て、その症状の度合いにより必要になってくる時期がくるのかもしれませんが、現時点では必要ないようです。

社会生活に困難があるのに、手帳がないのはなぜ?

発達障害であるからこそ、療育などに通ったり、デイサービスに通ったり、遠くの病院へ通わなければいけなかったりします。学校で支給されるものとは違うものを使う必要があったり、文房具を改良したり、家庭内での支援のために様々なものを必要とします。まだまだ発達障害の人のための商品が、多く開発・販売されているわけではないので、療育に使うグッズは安くは手に入らないし、そもそも我が子に合ったものが販売されていないため、自力で作る事も多々あります。なんだかんだ言っても、とてもお金がかかるのです。なぜ、知的障害がない発達障害の人には、何もないのでしょう?
パニックを起こされてしまって夕飯が作れなかった時は、外食にしたり、インスタントラーメンにしたりした事もありました。手先の不器用さと学習障害から、鉛筆を何本も何本も折ってしまったので、4ケースもまとめて買いました。ADHDで整理整頓が苦手なので、各教科のファイルを全教科分、買いそろえましたし、学校で使うノートも最低2種類は常備しています。家庭内療育で使うホワイトボードとマグネットシート、指先トレーニングのための洗濯バサミも大量購入しました。目のトレーニング用に、ビジョントレーニングのアプリを始め、療育に使えそうなアプリも多々購入しました。療育に通うための電車とバス代も、頻繁に通っていた低学年までは結構かかりました。心理療法は保険適用外なので、1回の出費がとても大きいです。
社会に適応していくために、時間とお金がかかっています。早期療育のために、今、必要な事だと時間もお金もかけていますが、積もり積もると家計を圧迫してきて、とても負担になっていくのです。知的障害にかかわらず、発達障害の人達にも、「手帳」という形ではなくてもいいので、何かしらの補助や助成のようなものが欲しいですね。
最近、自動車学校が発達障害の方向けのサービスに取り組んでくれたように、国や自治体レベルで発達障害への理解を含め、サポートをしていける社会になってもらえたら、発達障害児を支える1人の親としてとてもうれしいです。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。