間違いやすい発達障害や認知症の症状と高次機能障害の違い

発達障害関連の本や情報を見ていると、‘高次機能障害’という言葉が出てくることがあります。先日も、障害者就労関連の書類を読んでいた時に、‘高次機能障害の場合’というケースが載っていました。実は、発達障害や認知症と症状が似ている高次機能障害。その違いは何なのでしょうか?

高次機能障害とは

出生後、事故や病気等で脳に損傷が出てしまい、それまでとは違い、記憶や行動に困難が出てしまう障害です。脳の中の事なので、発達障害同様、見た目でわかるものではありませんので、なかなか理解されにくい障害の1つと言われています。
一般的に知られている主な症状としては、記憶障害、注意力・集中力の障害、空間把握の障害、感情のコントロールの障害、視覚や行動・言葉などの障害があります。これらの症状は、一見症状だけを聞くとADHD?広汎性発達障害?と思ってしまうくらい似ている症状があり、間違いやすいかもしれません。ただし高次機能障害の場合は、生まれつきではなく、明らかに後天的に症状が出てくるものです。事故や病気などから復帰して、通常の生活に戻った後、明らかになってくるケースが多いようです。

発達障害との違い

発達障害は生まれつきの特性、と考えられていますので、出生後、事故や病気等で脳に損傷が出て、特性と呼ばれる症状が出るわけではありません。高次機能障害との大きな違いが、後天性のものではなく、先天性のものであるという所です。
発達障害の診断自体は、発達検査が受けられる年にならないとなかなかわかりにくいものではありますが、明らかに乳幼児期から特性は出ています。2歳くらいになると、様子を見ているだけで、特性だとわかるような行動が多々あるように思います。

認知症との違い

認知症にも発達障害の症状と多少似ている所があり、わかりにくい所がありますね。認知症の場合は、‘進行する’というところが大きな違いです。発達障害も高次機能障害も、現状よりもどんどん症状が進んでいく、というよりは発達と共に、リハビリと共に上向きになってくるので、進行しているようであれば認知症かもしれません。認知症は高齢の方だけの問題ではなく、若年性の場合もありますので、もしかしたら大人の発達障害と間違えてしまう事があるかもしれません。

まとめ

どの障害であれ、脳の機能障害は、見た目でわかりにくいため理解されにくい事が多いです。頭ではわかっていても、当事者でなければわからない事は仕方がないのかもしれません。しかし、好きで障害になるわけでもないので、出来るだけ理解してサポートできるところはサポートしたいですよね。理想論かもしれませんが、このような障害があるという事を知っているだけでも違うと思います。身近な人に何等かの症状が見られた場合に、思い出すことが出来れば、イライラしてしまったり、不用意に責めてしまう事もありませんからね。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。