発達障害だからスポーツが苦手というわけではない

長男はADHDのため、一日中ずっと動いています。身体も口も頭の中もずっと動いています。幼少期は団地に住んでいたのですが、家の中でも走るし飛ぶし、とにかくずっと動き回っていたので、階下からクレームがきたこともあり、とにかくずっと外で過ごしていました。雨が降っても、レインコートを着せて外を散歩していました。毎日外で過ごすので、公園だけでは私が飽きてしまって、近所だけではなく、1日過ごすつもりで、お弁当を持って自転車で遠くまで出かけました。身体が勝手に動いてしまう、という事もありますが、動かないとストレスがたまってイライラしてくるようで、今でも学校では、朝、中休み、昼休みと校庭で走り回っているようですが、それが出来ないとイライラがたまっていくみたいです。

体の神経がつながっていない

だからといって、運動やスポーツが得意かというと、全然そんな事はありません。走る事1つとっても、ただ衝動的に走っているだけで、早いわけではないし、運動会でもビリから数えた方が早く、体が重いのもあり、ドスッドスッと走っていました。毎年運動会でビリだと、速く走れない事がイヤになってきたらしく、2年の秋から走る練習を始めましたが、体の動きはとてもぎこちないものでした。足首が固すぎて、全く使われておらず、足全体で着地するので足に負担はかかるし、次の動きが遅くなったり、腿を上げたあと、膝下のすねから足までを前に出すことが出来ず、そのまま降ろしてしまうので前に進まず、など、走る1つをとっても体がうまく動きませんでした。
なわとびも、鉄棒も、水泳も、他のスポーツでも、始めは全然うまくいきません。一つ一つの動きを、理学療法のリハビリのように、手足を動かしてあげて、神経をつなげていくと、出来るようになる事も増えてきました。

習い事としてのスポーツ

子供が生まれると、どうしても習い事を考えてしまいますよね。何かやらせてあげたい。親であればそう思う事があると思います。よくある水泳、サッカー、ピアノ、英語、など習い事はいろいろありますが、男の子であればサッカーや野球、水泳を習っている子がとても多いと思います。やっぱり体を動かさないと、うるさいし、夜寝ないし、という意味でスポーツ系の習い事を考えたり、やっぱり‘男の子だからスポーツを’という考えの方もいますよね。私も同じように、あまりに動きまわる長男の体力消耗のため、その有り余るエネルギーをスポーツに注いでもらいたくて、スポーツ系の習い事を考えました。実際、ダンスなどの体験に行ったこともあります。しかし、現実的には難しかったです。先ほど体を動かす神経がうまくつながっていない話をしましたが、長男自身は自分で思っているように体を動かすことが難しいので、見て真似するだけでも大変でした。また、先生によっては何を言っているのかがよくわからないようで、スポーツクラブに入ったりすることはあまり興味を示しませんでした。4年生になってようやく、サッカーを習いたいと言うようになりましたが、親の出動が必須になってくることがネックで、今の所まだ習わせていません。

出来るようになるととてもうまくなる

長男の場合ですが、どの運動やスポーツでも出来るようになってくると、出来る事がうれしいのと、楽しくなってくるようで、特性的にも飽きずにずっとやり続けるのでとてもうまくなっていきます。そのスピードも内容によるのでしょうが、割と早いと思います。
長男の例で言うと、走る事では4年の運動会は念願の1位になりましたし、なわとびも飛べるようになりました。サッカーは私がサッカー部だったので、遊びついでに教えていたらとてもうまくなり、キーパーに至ってはクラスでも最強と言われ、サッカークラブに入っている子達からも重宝がられています。
また、家には一回り小さい卓球台があるので、卓球の練習をし始めたら、半年もたたないうちにびっくりするくらい上手くなりました。もうピンポンレベルではなく、卓球選手が試合の前にやるラリー位のレベルになっています。
ピアノも指の練習のためにやっていたハノンが全然両手で出来なかったのですが、半年くらいたって出来るようになり始めたら一気に上達し、流行りのポップスもインテンポで弾くことができるようになりました。
全く泳げず、蹴伸びすら難しかったのに、毎週室内プールで地道に教えたら、今ではゆっくりですが500mくらいは休まずに泳げるようになりました。
どれも私と主人で毎週少しずつ少しずつ教えていったのですが、出来るようになると本当に出来なかったことがまるで嘘みたいに出来るようになっていきます。平日も週末もその練習に付き合ったり、遊びとして相手をしなければいけなくて(卓球やサッカーは長男が一緒にやってくれとしつこいので)本当に大変になる事もあるのですが、子供が出来るようになると親としてもとてもうれしいです。

発達障害だとスポーツが苦手というイメージがあること

たまに発達障害だと運動やスポーツが苦手、とネットで見たりしますが、「スポーツが苦手」ではないのですよね。スポーツ選手の中にも発達障害と言われている人もいますが、選手になれているわけですから、苦手というようにはくくれないかなと思います。おそらく、長男のように、神経の統括がうまくいってないがために、普通のやり方ではなく違うやり方や練習が必要になってくるだけで、全く出来ないわけではない。そうではなく、チームのスポーツならルールの把握やチームメイトとのコミュニケーションを始め、臨機応変に判断・行動しなければいけないのによくわからないから苦手意識を持ってしまうとか、個人スポーツでもやり方がわからなくて、うまくいかなくて、苦手なんだと思ってしまう。なんとなく私にはそのように感じます。うまくきっかけがつかめれば、あとは一人でどんどん伸びていくのもまた、発達障害の強みですから、いい方向へ向かってくれたらうれしいですよね。
身体を動かすことで、ストレス発散やエネルギー発散にもなりますし、筋肉の発達や体幹を鍛えることにもなり、副次的に別の所で効果が表れてくることもありますから、やってみたいと思えることがあれば、出来る方法を探してチャレンジしてみればいいと思います。スポーツに限らないのですが、出来るようになる過程で繰り返す試行錯誤が、生きていく上での一番の糧になると私は思います。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。