連れ子を施設に預けるということ

大人が恋愛して結婚することは自然なことですが、それが再婚同士、あるいはどちらかが再婚なら、すでに子供がいることは少なくありませんね。
再婚の場合、その連れ子が様々なトラブルの大きな要因になることもあります。
トラブルになった場合、「連れ子を施設に入れる」という現実があることも事実です。
「連れ子を施設に入れる」ということはどういうことなのか、子供にとって、それはどういう影響を及ぼすのかを考えていきましょう。

施設が存在する理由

必ず忘れてはいけないことが、連れ子には何の落ち度も罪もないということです。
結果として施設に預けたとしても、それは大人達の都合や勝手がそうさせたのです。
施設と聞くと、まるで子供を捨てるところのように思っている人もいますが、それは大きな間違いです。
施設は入る場所ではなく、保護する場所です。
つまり、保護対象の子供でなければ、施設は入れないということです。
施設は、子供を守るために存在するのです。

重い入所理由

施設は子供を保護するためにあるので、そこの子供達の入所理由もさまざまです。
虐待やネグレクト、家庭崩壊、親の死など、どれをとっても子供の背負っていくには重過ぎるものです。
施設で守ってもらわなければ、命に関わることだって少なくないのです。
世の中のどの子ども達とも、同じように生まれてきたのに、連れ子であるために虐待やネグレクトに遭ってしまうことも多いのです。
連れ子が殺される悲しいニュースもよく目にする今日日、そんな劣悪な環境から救うために、施設に入れるケースが増えています。
子ども達は、どんな目に合っても親を愛そうとしますが、再婚で連れ子という理由だけで殺されたのではたまりません。
そうやって保護された子ども達が、やっと普通に暮らせる所が親のいない施設であることは、なんとも切ない話しです。

再び一緒に暮らすために

今は一緒に暮らせないけれど、将来は一緒に暮らしたいと思っているなら、片方の親が血が繫がっていなくても、それも超えられるように夫婦で努力をしなければなりません。
施設は18才までしか入所できません。昨年から、退所後も22才までは住居や生活費の援助が受けられるように厚生労働省が決定しましたが、それでも子供が生きていくには、厳しい現実があります。
子供はたくましく育つかも知れません。しかし、連れ子である現実や、そのために自分の身に起きたことは、年齢が上がれば上がるほど理解も進み、苦悩も重なります。
ですから、出来るだけ早く迎えに行くに越したことはありません。
施設に入れても、さまざまな相談機関に専門家がおり、親としての葛藤も受け入れつつカウンセリングも行ってくれます。
連れ子であることへの悩みも、不安も、どうやって受け入れたらよいのかも相談に乗ってくれて、一緒に暮らす訓練も行ってくれます。
施設は、そういう目的でも存在します。ですから、施設に入れるなら一時的に利用して、家族として再び一緒に暮らしていけるように、大人も一歩踏み出してほしいと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

1964年生まれ。 「辛い時期もいずれ過去になる。」なんて台詞が解る年頃になりました。 これまでの経験を生かし、少しでも興味を持ってもらえるような記事を書きたいと思います。