子育ての理想と現実
誰だって子供と一緒に過ごす時間は、笑顔で接したいし、楽しい話をたくさんして、やさしいお母さんだと思わたいと願っていると思います。しかし実際には、朝からなかなか起きてこない、支度に時間がかかる、朝ごはんを食べるのが遅いなどの理由から、怒りたくないのに「早くしなさい!」「ぐずぐずしないの!」とあいさつもそこそこに怒り始めるお母さんも多いのではないでしょうか?子供達もお母さんは怒らせると怖い存在だとインプットされるだけでなく、うるさくいつも怒っている存在になっている場合もあるのではないでしょうか?
お母さんだって本当は怒りたくないんです。穏やかな気持ちで子供と接していたいと思っているはずなのです。ですが、なかなか実行できないのです。実はそういう人にはある共通点があります。
例えば朝起きて、なかなか子供が起きてこなかったら、支度にいつもより時間がかかってしまったら、朝ごはんを食べる時間が減ってしまって時間がどんどんずれて行ってしまう、そうすると1日のすべてが台無しになすようなネガティブな感情を強く抱いてしまうのです。
笑う門には福来る
笑う門には福来る――誰もが知っていることわざです。意味もご存知でしょう。いつもにこやかに笑っている人の家には、自然に幸福がやって来るという意味です。逆に、いつもイライラしたり、怒ってばかりの家には幸福は集まってこないと言われていることもご存知だと思います。ただのことわざだと済ますことは簡単ですが、実はこれ、あながち現代でもバカに出来ない効果があります。
笑うことや笑顔は、心だけでなく体にもいいのです。「α波」という脳波があります。この「α波」は、心身ともにリラックスしている時や集中力が高まっている時にでてくる脳波で、実はこの脳波がでるとストレスが軽減するそうです。ストレスが心にも体にもよくないことはご存知だと思います。ストレスは少ない方がいいに越したことはないのですが、そのストレスを軽減してくれる「α波」という脳波は、笑うことや笑顔になると発生するのです。
つまりたくさん笑って、いつも笑顔でいる人ほど、多く「α波」を発生していることになり、ストレスがあってもすぐに軽減できることができるわけです。つまり病気にもなりにくくなりますし、笑うことで表情筋も鍛えられたりと、美容にも一躍かっているのです。よく笑う人は歳をとりにくいといいますが、ストレスが少ない人ほど老けにくく、いつまでも美しくいられるのは納得できると思います。
このように、笑う門には福来るということわざは現代でも確かに当てはまることわざだと言えると思います。
一番近い存在のお母さんの影響を強く受ける
育児においてもそうですが、やはり笑顔や笑いの絶えない家庭と、いつもどんよりとした緊張感がただよって、笑顔のないピリピリとした家庭では、届く幸福の量が違ってくるように思います。
お母さんの顔を認識し始めた頃の赤ちゃんは、お母さんの顔が笑顔になっているとつられて一緒に笑顔になります。しかし、反対に怒った怖い表情をしていると赤ちゃんも不安になり泣き始めます。赤ちゃんが泣き止まない時、どうしたのどうしたの?と不安な険しい顔をしていると返ってなかなか赤ちゃんが泣き止まないのはそのためです。赤ちゃんといえどもそれだけ敏感にお母さんの気持ちを汲み取ることに長けています。お母さん一緒にすごすことの多い子供達は、お母さんの気持ちや思考を想像以上に自分の中に取り込んでいき、これが普通だと認識していくのです。
ということは、いつも笑っているお母さんだったら、いつも笑っているのが普通だと子供は覚えますし、いつも不安だったりイライラしているとそれが普通だと子供はインプットします。もちろん影響を受けるのはお母さんだけではなく、他にも様々なものの影響をうけますので100%お母さんからだけの影響とまではいきませんが、それでも子供たちの中でお母さんの存在はかなりのウエイトを占めるとおもっていいでしょう。
育児にも起こりやすい連鎖
例えば、朝起きて子供がすぐに目を覚まし、支度も嫌がらずあっさり終わり、ゆっくりとご飯を食べる時間が確保できたら、お母さんはどんな気持ちになるでしょう?「今日はなんて清々しい朝だろう!」と感じるのではないでしょうか?そして、そんな日は、仕事でもいつもより集中して取り組めたり、足のむくみが少なかったり、なんとなく体が軽かったりと、一日特に目立っていいことがなかったとしても、充実した一日を過ごせたと感じるのではないでしょうか?
逆に、朝起きて子供がなかなか起きてくれなくて、ごはんも無理やり急いで食べさせてなんとか保育園に送っていくも、電車に乗り遅れてしまったり、仕事でミスが重なったり、足のむくみがひどかったり肩こりがいつもよりひどかったり、頭痛がしたり散々な気分になって帰宅するなんてことないでしょうか?そんな風に悪いことは悪いことが重なり、逆にいいことはいいことを呼んでくるように重なることが多いと思いませんか?
育児でイライラすることも不安に思うことも多々ありますが、それはお母さんにも子供にもそして生活そのものにも連鎖していきます。
マイナス思考やネガティブな思考の言葉は使わない
ではどのような方法を取ればいいのでしょうか?それはお母さんのマイナス思考やネガティブな思考をなくすようにすれば、いつの間にかすべてがうまく回っている!なんてことが起こります。
まず、意識して笑顔を作ることです。
子供が何かを壊した、言うことを聞かなかった、約束を守れなかったなど子供を叱りたい気持ちがむくむくと起こった時、無理でも笑顔を作ってみましょう。ひきつっていても構いません。まず笑顔を作り深呼吸をします。そして、子供を怒らなければならないことときちんと向き合います。他のことはいいのです。今起こった「子供を叱らなければならないこと」だけについて考えます。昨日のことや前のことはどうでもいいのです。とにかく今起こったことだけに集中して何がいけなかったのかまず、お母さんが納得しましょう。
次に言い方です。「何度言ったら分かるの!」「うるさい!」「まったくもう!」「みんなできているでしょ!」「つべこべ言わない!」ついつい言ってしまうフレーズではないでしょうか?これらの言葉はマイナスなネガティブな言葉だと覚えましょう。「これで3回目くらいだけど、4回目にはできているかな?」「ちょっと話を聞いてくれる?」「気を付けてね」「〇〇君は、こういう方法をしているみたいだね」「あなたはそう思うのね?」などの前向きな言葉を選んで話をしてあげるようにします。
大切なのはポジティブになろうとするお母さんの気持ち
頭ではわかっているのに、出来ないのよねと思う方も多いと思います。でも、それでいいのです。頭ではわかっているから、いつかできるようになるわと、マイナス思考やネガティブな発言をしてしまっても、切り替えるようにしましょう。気持ちが落ち着いてからでいいのです。暗示でも思い続けていればいつかできるようになります。これも生の連鎖です。
人生はいつもいつもうまくいくものじゃないことは、十分に理解している大人にとって、いつもポジティブに物事を考えるなんてことは、実はとても難しいことなのです。それでも、ポジティブになろうと努力しているお母さんの気持ちは、子供達に伝染します。今日はだめだったけど、次はがんばとうと考えられる子供に育つはいいことだと思いませんか?
逆に、もう一生無理だとか、今日は出来たけど明日はどうかなぁ?とか、こんな調子じゃ先が思いやられるわ…などと、マイナスな思考が先行してしまうと、子供たちも同じようにきっとこの先もダメだと思って生きていくことになるのは、あまりにも辛いと思います。
笑顔と笑いのたえないそんな子育ての最初の一歩をお母さんが今日からはじめてみましょう。