思春期外来とは?我が子が、思春期外来に通うことになって思うこと

いじめのない学校です。安心して通って下さい!

 進級してからの大きな変化と言えば、長男に対して繰り返されてきた暴力や嫌がらせを、学校側が『これはいじめである』と認めたことでしょうか。こちらからすれば、今頃?と思ってしまいますが。
校長先生が変わられたことで、それまでガンとして認めようとしなかった学校側が、危機的状況であると認め、一気に動き出したのは事実でした。
いじめを認められた時は、涙が出てきましたね。嬉しくて、嬉しくて・・・。
いじめを受けているのに、なぜ嬉しいの?と思われるかもしれませんが、ご経験のあるお母様、お父様ならきっと、共感して頂けるのではないでしょうか。
これまでは、暴力を受けたとしても「いじめではない」そう言われ続けてきたのです。漸く認められたんだと、ホッとしましたし、心の底から嬉しかったんです。
 学校側がいじめと認めたからと言って、全く何も起こらなくなったわけではありませんでした。成績が下がり、勉強やスポーツへの意欲も根こそぎ奪われていきました・・・。それでも、受験したいと言う強い思いが消えることは、ただの一度もありませんでしたね。
少しでもやる気になってくれたらと、中学の説明会に参加することに。
参加者は10組程度。と言うのも、募集定員が30名と『少人数で手厚い教育』を前面に出した中学なのです。
そして、高校の方は私の母校でもありましたから、知っている先生も多くいらっしゃいました。
説明会の中で「この中学は定員30名1クラスのみと、規模は小さいですが、上級生とも仲が良くいじめのない学校ですので、安心して通って頂けると思います」そう、校長先生の挨拶がありました。
 長男も私も、この言葉に吸い寄せられるようにして、二人三脚、精一杯受験に向き合いました。そして、一年前のちょうど今頃ですが、無事志望校合格を果たしたのでした。

期待に胸膨らませ、新たなスタートを切ったはずだったのに・・・

 4月、大きな通学鞄には希望をいっぱい詰め込んで、ブカブカの制服姿の長男と「たくさん友達作ろうね!」ってドキドキしながら臨んだ入学式。
本当にそうなって欲しかった、そうなると信じていたのに・・・入学式から半月も経つと、学校の話題を口にしなくなっていました。
「友達と話してる時が、一番楽しい!」ピカピカの笑顔で、毎日そう話してくれていたのに・・・。
『何かおかしいな・・・』胸騒ぎのようなものを感じていました。
 5月下旬、担任の先生から電話があり「○○君(長男)が、クラスメートから暴力を受けまして・・・」と・・・。
双方の親も交え、事実確認をしたいので、来校して欲しいとのことでした。
『またか・・・』まだ、入学から1か月半しか経っていないのに。『いじめのない学校』その言葉を鵜呑みにしたのは、私たち親子。
いじめのない学校なんて存在するはずがない!ずっと傷付いてきた彼に、そう教え込んで入学させれば良かったの?
希望を持ったところで、現実は甘くないんだよ!って、まだ12歳の多感な時期に諦めることを教えるべきだった?
答えがあるのなら、教えて下さい・・・。どうしてこの子は、いじめに遭うのでしょうか・・・?

そこまで追い詰められてたなんて・・・


 繰り返し起こる、クラスメートとのトラブル。暴力や嫌がらせ、私物をゴミ箱に捨てられたり壊されたり・・・。秋頃には、そうしたことが頻発し、長男も言葉で反撃するようになります。
時には、蹴られたために同じように蹴り返したこともあったそうです。学校側の言い分は「両者(複数の男子とトラブルになっていました)、同等である」でした。
 同等?クラスの誰一人庇ってくれる人もいない中で、必死に戦っている彼と、いじめをしている人たちとが、同等って・・・。
長男は、担任の先生の勧めで部活を転部もしていました。トラブルが起きている子たちと同じ部だったため、別の部へ移った方が良いのではと。
本人の意思に委ね、トラブルが回避出来るのならと転部させた直後に、トラブルが頻発したのです。
 何度も学校へ呼ばれ、トラブルについての事情説明を受けました。長男は、自分から先に手を出すようなことはなく、度重なる嫌がらせに耐えかねて大声で怒鳴り、近くの机などを蹴ったりしたそうです。
クラスメート数人がお喋りしているのを見ると「どうせ俺の文句言ってんだろ!」と怒鳴ったりすることもあったと聞きました。被害妄想かもしれません。でももう、そこまで追い詰めらた状況だったのかと、胸を打ち砕かれる思いでしたね・・・。
 トラブルに関わった生徒全員にスクールカウンセラーとの面談が決まり、そしてその後、保護者も面談を受けることになりました。
「○○君はとても繊細で傷付きやすい子。上手く友達と関われるように、そして、学校にも環境を整えてもらえるように、医療機関でアドバイスを受けてみてはどうでしょうか?」というお話でした。
そこに期待してすがるという気持ちになれず、自分の手で何とか守って行かなければ、そんな思いを抱きながら、面談を受けていました。

『友達と上手く関われるようになりたい』

 カウンセラーの先生とお話した内容を長男に伝え、どうしたいか、本人の意思を尊重しようと思いました。
彼は「友達と上手く関われるようになりたい」そう言って、受診することを自分の意思で決めました。
どんなに暴力を振るわれても、やっぱり友達を求めてるんだなぁ・・・その思いが痛いくらい胸に突き刺さりましたね。
 初診の日、言葉少な長男に「緊張してる?」と、どストレートに聞く私(笑)「緊張してる・・・」と長男。そりゃそうだ!
「大丈夫!学校で上手くやれるように、アドバイスをもらいに行くだけなんだから!!」出来る限り明るく声を掛けました。
クリニックに到着。「入口・・・どこ?・・・」初めてのことで、もう、そんな疑問からスタート・・・。
診察を待つ間、同い年くらいの女の子が数人、私たちの前を通り過ぎて行きました。
『思春期外来に通っている子なんだろうか・・・』そんなことを思いながら、慣れた様子で歩いて行くその子たちの後ろ姿を見送る私。
 診察室へ呼ばれ、お医者さんから学校での様子や、今、どんなことが辛いのかなどについて質問をされました。
一生懸命答える長男。足りない部分は、私が捕捉しながら質問に答えて行きます。お医者さんはメモを取りながら、長男の話を丁寧に聞いて下さいました。
とても緊張している様子でしたね・・・。たまたま、機械関係が好きだと私が伝えた所から、将来なりたい職業(IT)の話へと。得意分野だったので、目をキラキラさせながら、先生との会話を楽しんでた長男。
 こんな風にして初診は終了し、次回の予約をしてきました。まだまだ情報が少なく、先生もアドバイスするに至りませんでしたので・・・。
帰りの車内「今日は、行ってみてどうだった?」と聞くと「先生に悩みを話せたから、良かったと思う」と。『そう思えのたなら、診察に来たことも、きっと生かせるかな・・・』彼の横顔を見ながら、そんなことを思っていました。
まだこれからも通うことになりそうですが、「友達と上手く関われるようになりたい」長男の願いが叶うように、今後も全力で向き合って行くつもりです。

ABOUTこの記事をかいた人

 ayakaと申します。中学1年、小学5年と3年の男の子がいます。 子育てって難しい・・・そう感じる事も多いけれど、子供から教わる事、考えさせられる事も沢山あって。 頑張りすぎないように頑張る日々です。