小さな社会(学校)の中のいじめにどう対応するのか

2000年以前の学校は、開かれた学校を目指して門を開き、様々な人が出入りして、放課後も子ども達は学校で遊んでいました。しかし、2001年に起きた大阪府の学校での無差別殺傷事件「付属池田小学校事件」を境に、その教訓として学校の出入りが禁止されたり、門扉は固く閉ざされるようになりました。
外から中の見えない学校が増え、その閉ざされた空間で、陰湿ないじめも増えて来ました。
いじめは絶対に根絶しないと言われています。その閉ざされた空間から、どうやって声なき声を聞き、拾い上げていけばよいのでしょう。
親として、出来ることを考えてみました。

インターネットはいじめの宝庫

最近は子ども達の間でもスマホが普及していることで、インターネットを利用したいじめが拡大しています。インターネットで多くの友人達に悪口を拡散されて、それが元で学校で虐めにあう子ども達が非常に増えているのです。これは非常に厄介で大人も見つけにくく、匿名性もあるため、その悪質さから深刻な結果を生みかねないのです。
常にインターネットの危険性は子どもに伝えておかなければなりませんが、それでも被害は避けられないものです。しかし、誹謗中傷は放っておくわけにはいきません。
あまりにも度が過ぎる内容は、学校と警察に相談しましょう。いじめの相手が割れることもあります。また、今は書き込み削除と相談にのってくれる弁護士も増えていますから、検討してみるのもよいでしょう。
しかし、何より大事なのは、常にインターネットについて親子で話しをして、何かがあった時は相談出来る環境を作っておくことです。

子ども同士のいじめは複雑化している

いじめは常に変化します。昨日はこの子がターゲットだったのに、今日は別の子がターゲットになるなど、どんどん人間関係が複雑化します。いじめを止めたくてもターゲットになるのを避けるため、やむなくいじめに加担する子が多いのは、今や知れた現状ですね。長年いじめられ続けていたり、脅されたり傷つけられたり、最悪な場合は自殺に追い込まれることもあるので、予断は許されません。
関係が複雑化する前にやらなければならないことは「いじめの構図」「友達間の関係性と上下関係」「暴力と非暴力」などの情報収集です。当然、行動に移すには学校と保護者の協力は必要になります。

先生からのいじめは友達からの情報で確認

いじめは、実は子どもの間だけではありません。先生からのいじめの報告も実に多いのです。ただ、子供間のいじめよりは、友達に聞くことで案外情報は摑みやすかったりします。
先生のいじめは学校に相談するのが基本ですが、学校側が隠蔽に動くようであれば教育委員会に直訴します。それでも事が動かないようであれば、地域の議員に相談することを考えてもよいかも知れません。
情報収集は全ての基本になりますから、親としてはわが子の友達も把握をしておき、常にコミュニケーションを取っておくことも大事です。しいてはそれが、友達間のいじめも防ぐ手段になるのです。

そもそも戦う必要などない

学校でわが子がいじめにあった時、親として出来る事を全てやり尽くしても、それでも状況が改善しないという話しは、残念ながらよく聞かれる話です。
子どもを守るためには、戦うだけでは埒が明かないことも多いと理解しておいた方がよいのです。
そもそも、戦うだけが解決法ではありません。いっそ転校して環境を全て変えてしまうことは、有効な手段であり、決して逃げではないことを知っておいて下さい。
いじめられた子どもは、生きていても命を削られているのと同じです。更に、その命を絶ってしまっては元も子もありません。
生きていく上で環境とは最も大事なことです。それを作ってあげることも、親にしか出来ないのです。

ABOUTこの記事をかいた人

1964年生まれ。 「辛い時期もいずれ過去になる。」なんて台詞が解る年頃になりました。 これまでの経験を生かし、少しでも興味を持ってもらえるような記事を書きたいと思います。