(ぜひ読んでみてほしい)発達障害関連の本おすすめ8選

長男の発達障害がわかった後から、私はたくさんの発達障害関連の本を読んできました。
知識を得るためのもの、発達障害の当事者の方が書いているもの、発達障害の方と関わる方が書いたもの、学術的なもの。本当に様々な本から知識と対応を教えてもらいました。
そんな中でも特に印象に残っている発達障害関連の本を8冊、おすすめしたいと思います。

発達障害関連の本おすすめ8選 一覧

  1. ADHDのび太・ジャイアン症候群(司馬理英子)
  2. 俺ルール!(ニキ・リンコ)
  3. モンダイな想像力(ニキ・リンコ)
  4. アスペルガーを生きる子どもたちへ(佐々木正美)
  5. 「その子らしさ」を生かす子育て(田友子)
  6. 跳びはねる思考(東田直樹)
  7. 学習障害児の相談室(上野一彦)
  8. 心からのごめんなさいへ(品川裕香)

各本の紹介

1.ADHDのび太・ジャイアン症候群(司馬理英子)


ADHDの特性を人気アニメ、ドラえもんに出てくる、のび太とジャイアンに例えてわかりやすく教えてくれる本です。ADHDの本と言えば必ずと言っていいほどおすすめに挙がってくるくらい、有名な本です。ご自身がADHDのお子さんを育てた経験があるからこそわかる親の視点から、専門的な内容まで書かれていてとても読みやすいと思います。
比喩で使われている特性の表現がとてもわかりやすく、1回読んだだけで、「そういうことだったのか!」と気づくことがたくさんありました。また、ADHDに関わる人向けに書かれた本や、ADHDの子供達へ向けたメッセージもあり、当事者、関わる人の両者が知りたいことを知ることが出来る1冊だと思います。

2.俺ルール!(ニキ・リンコ)


長男の診断名の1つに「高機能自閉症」というものがあります。喋れる自閉症と私はいつも人に説明していますが、ご自身の経験談をもとに「自閉症」の特性を当事者であるニキ・リンコさんが書いた本です。
他の本との大きな違いは、字が大き目で、行間も広めになっており、1行の文字数が少ないので、とても読みやすく、あっという間に1冊を読み終えてしまうくらい、面白いです。
おそらく、面白く書こうと思って書いているのではないのでしょうが、ところどころにある4コマ漫画や例え話がとてもわかりやすいです。そして何よりも、なかなかわかりにくい自閉症の世界観がとてもわかりやすいです。
私が発達障害関連の本で初めて読んだ本でもあり、こだわりや切り替えの難しさのしくみがとてもよく理解できた1冊です。

3.モンダイな想像力(ニキ・リンコ)


同じくニキ・リンコさんの本です。自閉症の特性にもある「想像力の欠如」に関連するしくみがよくわかる本です。しくみと言っても学術的に書かれているわけではなく、あくまで当事者の経験談なのですが、思考のしくみや方向性がとてもよくわかるので、特性を理解する上でとても参考になりました。
経験談という例が数多く書かれているので、とても読みやすいです。そして、論理的に想像力の欠如について説明できなくても、要するにどういう状態になってしまって生活に問題が出てしまうのか、ということが感覚的にわかる本だと思います。

4.アスペルガーを生きる子どもたちへ(佐々木正美)


この本も発達障害関連の本を読み始めたばかりの頃に読んだ本です。発達障害関連の本としてもとても有名な本ですね。
著者の方もアスペルガーの特性を持っているのですが、優しく語りかける口調で、「そのままでいい」ということを伝えています。こちらも少し大き目の字と行間にゆとりがあり、読みやすくなっています。
当時者の方にはもちろんおすすめなのですが、発達障害のお子さんを育てていらっしゃるお母さんにもおすすめです。発達障害という診断を受け入れられないという方や、もうどう対応すればいいのかわからないと悩んでいらっしゃるお母さんにぜひ読んでいただきたい1冊です。「そのままでいい」というメッセージを、1冊を通して伝えてくれるこの本に、当時の私はとてもありがたい気持ちを持ちました。心が安堵しました。子育てが出来るような気がしてきました。長男と私の間に入り、「そのままでいい」と背中をさすってもらっているような気がしました。
まだよく発達障害を理解していなかった私の不安と孤独を取り除いてくれるきっかけになった本です。

5.「その子らしさ」を生かす子育て(吉田友子)


次男の育児について、長男にばかり手がかかるので、次男にちゃんと手をかけてあげられていないのではと不安になった時、この本をすすめられ読みました。内容は高機能自閉症・アスペルガー症候群についてなのですが、発達障害児の育児にかける労力と同じくらい、そのきょうだい児育児の重要性がしっかりと書いてありました。子供だって親だって個性がある、みんな違う個性がある、という事への理解を医者の立場から書いている本です。
具体的な支援の方法なども書かれており、何をすればいいのかがわかる本です。
どうしても発達障害児にばかり目がいきやすく、時間を取られやすいという上で、家族一人一人が幸せに暮らすという、まさに「その子(その人)らしさ」について優しく書かれた本です。

6.跳びはねる思考(東田直樹)


自閉症である著者は会話ができません。~会話のできない自閉症の僕が考えていること~という副題の通り、著者が見たり感じたり思ったりしていることが綴られている本です。本当の意味で、自閉症がわかってきたかもしれないと思えたのは、この本がきっかけでした。
私にも小学生の頃、ほとんど会話が成り立たない自閉症の友達がいましたから、その友達の事も思いだされ、長男の「わからない」を理解し始めてきたのもこの本がきっかけになっていると思います。文章の内容と表現がとても素直です。素直で真っ直ぐな表現でつづられているので、文を読んでも、文から連想される様々な情報が邪魔してこないくらい、とても心を打たれ、発達障害を語る上で忘れられない1冊になりました。

7.学習障害児の相談室(上野一彦)


日本にLDを広めた著者がQ&A方式で学習障害について語っていく本です。
なんと出版は昭和62年。私が小学校高学年の頃には、もうLDのことはわかっていたことが一番の驚きでした。内容がほぼQ&Aなので、自分が知りたい内容と似ているものがあり、とても参考になった1冊です。
また、LDは参考に出来る本の数が他の発達障害の本について少ない気がするので、上野さんの本を参考書のように読んでいました。
この本以外にもLDについて書かれた上野さんの本はたくさんありますのでぜひ参考にしてみてください。

8.心からのごめんなさいへ(品川裕香)


おそらく、今まで発達障害のことを理解しようと読んだ本の中で、一番衝撃的で一番発達障害への理解と早期教育が大切だと感じた1冊です。敢えて早期「療育」とせず、「教育」と表現したのは「教育」の根本について書かれている本だからです。
この本はジャーナリストである著者が少年院を取材する中でわかってきた発達障害のことについて書かれています。少年院の子供達と発達障害・虐待の関係性は、思っていた以上に密接で、その中から生み出される関係者の様々な思いと奮闘、試行錯誤の日々が犯罪と更生という面から書かれています。本当の意味で、子どもを芯から育てていると思った1冊です。
発達障害への正しい理解と本当の意味での深い受容は、その後の犯罪の種を作らないという、とても重要な第一歩なのではないか感じました。こういう書き方をすると、「発達障害だと罪を犯しやすいのでは?」とすぐに安易な思考回路でつなげようとする方もいるとは思いますが、決してそういう意味ではありませんので、重々ご承知おきくださいね。私がこの本をおすすめする理由は読んでいただければわかると思います。安易に文字だけに反応し、自己流の解釈をするのではなく、まずは著者が伝えたいことを受け取ってみましょう。そこには、大人を含めた社会が、子どもを育てるということはどういうことなのかを、改めて考えされられるきっかけがあると思います。親だけではなく、先生などの教育者の方や、全ての大人の方々にぜひ読んでいただきたい1冊です。

本があったから長男のことが理解できた

私は子供のころから、かなりの数の本を読んできたので、本を読むことは何の問題もありません。長男には特性上難しい、本を読むということ。私は本が読めたおかげで長男の理解が出来るようになったと思っています。時代によってその時々の情報は変わっていくでしょう。しかし、本に書き留められた想いは、この先もずっと残っていきます。その時代に著者が感じていたこと、わかっていたこと、伝えたいことが時代に関係なく、後世に伝わり、安心をもらったり、知識をもらったり、方法をもらったり出来る。私は長男の通訳になり、本の素晴らしさを伝えていきたいと思っています。
みなさんも、ぜひ参考にして読んでみてくださいね。

ABOUTこの記事をかいた人

2人の男の子を育てている主婦です。(現在小4と小1) 長男が発達障害のため、ちょっと変わった子育てをしています。 今年から次男が小学校に入ったので、少しずつ自分の時間が持てるようになりました。 そんな私のちょっと変わった子育てのお話を紹介致します。