優しく叱る親、全く効き目のない子
長男がまだよちよち歩きの頃、おっとりとしていて穏やかな母親であるのに対して、気性の激しい男の子が遊び仲間にいました。母親の子育ての信念は「絶対に子供には手をあげない」という考えを持っていました。
その男の子は、お友達のおもちゃを自分が使いたいと思うと、力づくに奪い取ったり、自分の意にそぐわないことがあると大声で泣きわめき、自分の意見を必ず押し通してしまう子でした。そういう場面に出くわしても、母親は穏やかに「取ったらだめよ」「あらあら、わがまま言ってはだめよ」と優しいトーンで話しかけるようにいけない事を伝えるばかりなので、子供は母親の言う事など全く聞き耳持たず、結局おもちゃを取られる子や周囲のお友達の方は我慢してばかりでした。
そして母親のり方がそういう感じだったので、男の子はどんどんわがままになって行きました。こちらとしても、およその子供を叱る訳にはいかず、毎回我慢させられている側の親たちは、正直辟易し、あまり関わりを持ちたくなくなりました。今にして思えば、その男の子もまだ幼く成長の段階だったのですが、その当時はもう一緒に居るだけで、その親子に対してフラストレーションが溜まるばかりなので、子供たちも意地悪ばかりするその男の子のことを次第に避けるようになり、どんどん母子して孤立していきました。
自分の我がままを押し通そうとしてぎゃーぎゃー泣きわめくその男の子を見る度に、私だったら「いい加減にしなさい!」とげんこつの一つでも食らわすのにな、なんて思っていました。子供がどんどんひどい状況になっても、その母親は「私は絶対に子供に対して手をあげない派」を通していましたが、我がままが加速していってもその理想を貫いていたので、今はどんな子供に成長したのか興味はあるものの、関係を断ち切ったので分かりません。
この男の子の場合のように、何を言っても聞かず、むしろエスカレートしていくタイプの子には、きちんと悪い事という認識を持たせるために、お灸をすえる意味を込めての体罰はありなのではないか?と私は思います。
マイルールはやむを得ない状況のみ、軽い体罰ならOK
もし体罰をしないで子育てが出来たら、どんなに良いだろうかと少なからず思います。息子たちに対して叩いたり、げんこつを食らわした後、また子供を叩いてしまったと罪悪感が生まれ後悔するからです。
勿論、同じように子供の方にも肉体的だけではなく、少なからず心にもダメージを受けていると思います。
私の場合は、致し方ない状況や、悪いという事を分からせるために、お尻を叩いたり、軽いげんこつをしたりという軽い体罰なら良いこととしています。実際に体罰なしで子育てをされている方たちも、きっとその親子関係は素晴らしいものなのかと思うと、体罰ではなく、言葉で子供の心に痛みを与えている場合もあるので、一概には言えないのではないかとも思うのです。
小さな子供に全て言葉だけで理解させるのは、正直難しいと思います。勿論、言葉だけで悪いと理解できればそれに越したことはありませんが、その分大人はきっと理解させるために根気と時間が要ると思います。
あとは子供の性格や親の性格もあるので、体罰が良い悪いと言うのは一括りで言えず、正解が無いというのが難しい現実です。しかし明らかに日常的にひどい体罰を行ったり、肉体的な苦痛を伴う程度や、病院に行かねばならない程の体罰は一線を越えて虐待となりますので、それは決して許されることではないと思います。
それ以外の常識を逸脱しない軽い体罰は、きっとどの親も経験されていることだと思います。親の権力を振りかざした体罰や、感情にまかせた体罰は、ただの暴力であり、虐待にも通じるものがあると思います。
明確な線引きというのは難しい問題でありますが、あくまでも体罰が許される場合というのは、親子間で信頼関係が出来ていることも重要な部分だと思います。そして悪い事をし、やむを得ない状況のみであれば、私は子供に対して軽い体罰は良いのではないかと思います。
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