私の住んでいるところは、県全体がいわゆる田舎。
県庁所在地である市に住んでいますが、市内中心部からは離れており、程よくのどかな地域です。
子ども達が安心して遊べるという点でもオススメな地域ですが、もう一つの利点は『子ども会』が活動しているというところです。
生まれ育った地元に帰る
結婚して、実家から車で30分ほどの地域に嫁いだ私でしたが、長女の小学校入学のタイミングで離婚をし、実家に帰りました。
自分が生まれ育った地域、通っていた小学校に長女を通わせることになります。
小学校は校庭も校舎も昔とほとんど変わらず、懐かしく思ったことです。
地元の良いところは、知り合いが多いことです。
小学校を歩けば、保護者の中には小中学校の同級生や、先輩後輩がたくさんいます。
私の地元は、県内で数箇所のみの中学校までの給食を実施しており、この中学校給食と、交通の便のよさ、住みやすさなどから、地元に戻って子育てをと考える人が、うちの地域には多いように感じます。
私にとっても、1からママ友達を作る必要も無く、楽な気持ちで小学校生活を始めることができました。
地域での活動
地元での子育てで、私がもう一つ期待していたものがあります。
地元小学校では、私が子どもの頃から、子ども会としてよさこい祭りに参加しています。
子ども会では、よさこいの踊りの指導はもちろん、集団行動を通して、仲間作りやリーダーシップ、生活態度などを身につけさせてくれます。
私の小学校時代は、県内外で教育者として有名な先生が、縁あって指導に携わってくれており、たくさんのことを学ばせていただきました。
先生はご高齢でいらしたので、もう関わっておられないかな?とも思いながら、娘達にも是非、子ども会でのよさこいに参加させたいと思っていたのです。
実際申し込みをしてみると、私が小学校時代にスタッフとして活動されていたおじさんおばさん達が、そのまま残られていました。
もちろん、現役で子ども達の指導はしていませんでしたが、私の顔を見ると、懐かしがって大変喜んでくれ、あれよあれよという間にスタッフに推薦されてしまったことでした。
長女が1年生の時からよさこいの指導に入りましたが、夏休みの半分をよさこいに注いだ子ども達は、心身ともにたくましくなって、最高の笑顔で踊りきってくれました。
体力も根性もちょっと足りない長女も、立派に踊りきった姿に、つい涙したことでした。
地域子ども会の活動
日本全国的にそうだと思いますが、子ども会として活動をしている地域はどんどん減ってきています。
子ども会を運営するのは、多くの場合子ども達の保護者であり、無償のボランティア活動です。
強制力もないので、自ら進んで活動を率いてくれる人が現れなければ、団体として成り立たなくなるのです。
私の地元の子ども会も、よさこい以外の活動は衰退しきってたようですが、子ども会出身の若者が活動を再開してくれ、今では毎月一度、子ども達を集めて遊んでくれます。
よさこいスタッフになった関係で、私も活動の手伝いをする羽目になってしまいました。
この活動の良いところは、学校生活以外で仲間と集まり、普段は体験できない遊びができるということです。
課外活動として、野球、サッカーやバスケットなど、スポーツクラブに属している子も居ますが、運動の苦手な子、興味ない子もいます。
そんな子でも、興味があり、その地域に属していれば、簡単にメンバーになれるのが子ども会です。
地元子ども会は、低学年の参加が多いので、保護者同伴での参加も可能です。
参加した保護者は、たくさんの子どもに囲まれるので、自分の子どもだけでなく、他の子の面倒も一緒に見ることになります。
そうする中で子ども達は、地域の中で知っている大人が増えていきます。
それは教育上、防犯上大変役に立つことになります。
いざというときに、知っている大人が多ければ、相談したり、助けを求めたりしやすいものです。
参加してくれる保護者の皆さんからは、
「子どもと一緒に遊べる機会が作れて嬉しい」
「家でゲームばかりしているので、こうした集まりがあると健全でよい」
などの声をいただいています。
地域の見守り
子ども会活動を通して、地域の会などに参加する機会も多いのですが、そこではいかに地域の方々が、子ども達のために力を尽くしてくれているかが分かります。
私の地域だけでなく、全ての地域がそうであると願いたいですが、会計報告などを聞けば、一番多くの予算が割かれているのは、小中学校への寄付金でした。
青少年育成協議会などの団体では、地元のお祭りなどで、子ども達の見守りのために毎回巡回をしてくれたり、不審者情報があれば、メンバーで情報を共有して見回りをしてくれたり。
こんなに多くの見守りがされていたとは、大人になり、また、地域活動に参加するまで全く知りませんでした。
活動メンバーの多くは、よさこいで見たように、私が小学校時代にお世話になった大人の方が、そのまま残って続けてらっしゃいます。
跡継ぎが出てこないのが現状のようで、60代、70代の方々ばかりです。
そのベテランさん達が続けてくれるからこそ成り立っている私の地元。
他の地域でも、似たような状態らしいです。
本当に頭が下がります。
子ども会があるメリット
私が思う子ども会のメリットは、子ども達が経験し、成長する機会が増えるということです。
学校生活の中でも、子ども達は授業やクラスメートとのふれあいの中で、たくさんの経験をして、自然と成長してくれます。
そして、子ども会という別の団体に属することで、また新しい仲間を作り、低学年から高学年までの異年齢の集団の中で、年下の子の面倒を見たり、リーダーとしてどう振舞えばいいかを学んでいきます。
例えば、遊びの前に指導者の前に並ぶだけでも、上級生が一番前に出て
「並んで!」
と声をかけねばなりません。
グループで何かをするときは、小さい子が分からないと言えば、教えてあげないと前に進めません。
グループで遊ぶことで、自然とリーダーシップの勉強になるのです。
昔、兄弟が多かったり、近所の子ども達が集まって遊んでいた頃は、自然とこういう成長があったと思いますが、最近では集団で遊ぶ機会が減ってきているように思います。
活動自体は、子ども会それぞれだと思いますが、例えばうちの地区では、畑を借りて作物を作ってみたり、お餅つきや手作り凧を揚げたり、公民館でゲームをしたり、子ども達がワイワイ楽しめる内容になっています。
凧揚げなどの時は、地元のおじいちゃん達に来てもらい、昔ながらの手法を教えてもらったりするので、地域の人との関わりも増えます。
核家族の子どもが多いので、ご年配の方と接し慣れていない子どもも実は多く居ます。
一緒に活動して身近に感じることにより、違う世代の方との接し方も覚えられます。
子ども会活動を通して、私も自分の家庭だけではできない、いろんな体験を娘達にさせてあげられるので、子ども会に入れて本当に良かったと思っています。
地域に子育てしてもらおう
子ども会を例に挙げましたが、前述の通り、子ども会が存在していない地域もあります。
子ども会があるかどうかは、学校が把握していたり、今の時代でしたら、SNSを発信している団体も多いですので、インターネットでも調べられるかも知れません。
子ども会でなくても、児童館があったり、町内会の子ども向けの集まり、地元のお祭りなど、地域の行事に参加するだけでも、子どもだけでなく、保護者にとっても人の輪が広がると思います。
人と接するのが苦手なお子さん、ママももちろんいると思いますが、親子で一緒に体験することは、かけがえのない思い出になります。
お住まいの地域に、子ども会などの地域活動がありましたら、ぜひ一度体験してみて欲しいと思います。