子どもの食事は、心配で当然
宅配便を始め、流通技術が発展した現代では、子どもへの仕送りは必ずしもお金とは言えなくなってきたようです。
筆者は、以前何かの折に「一人暮らしの大学生の子どもに、手作りのおかずを冷凍して送る」母親の記事を読み、とても驚いた記憶があります。
帰省した子どもが帰る時に、作ったおかずを持たせるのはまだ分かるとして‥わざわざ冷凍してまで送るとは。
でも、事情は人それぞれ。
理系の学生なら、実験が始まると大学に泊まりこんでデータを見続けなくてはいけない時もありますし、卒論の準備や執筆に忙しく、食事もままならない時もあるでしょう。
親元を離れたばかりでしたら、親は心配でたまらない筈です。
筆者も子どもを持った今なら、その気持ちはよくわかります。
傷みには、気を付けよう
今は技術が発達していますから、冷凍した筈のおかずが溶けて届く、という事はないでしょうが、食べ物ですから傷みには十分気を付けた方が無難です。
送る時は「いつ届くようにしたらすぐに受け取れるか」を確認した方がいいでしょう。
また、梅雨の時期や暑さが厳しい夏は避けましょう。
折角の心遣いが仇となってしまってはお互い悲しい思いをするだけです。
涼しい秋、寒さ厳しい冬なら、気候による傷みの心配はさほどではありませんが、届いたらすぐに冷凍庫または冷蔵庫に入れて、早めに食べ切るように子どもに伝えておきましょう。
たまには、備蓄になるものを
冷凍したおかずは、解凍すればすぐに家庭の味を口に出来るのが何よりですが、
頻繁に送ると子どもが何もしなくなる可能性があります。
お母さんも無理せず、たまにはアルファ米、真空パックの市販品、レトルト、缶詰だけでもいいのではないでしょうか。
手作りのおかずに比べたら味気ないですが、これらの食品は防災の備蓄品にもなります。
自然災害はいつやってくるかわかりません。
防災・備蓄を少しでも意識するよう、さりげなく導いてあげるのも親の仕事です。
何よりも、気持ちが伝わる
社会に出てから初めて実家を離れ、一人暮らしを始める方も多いです。
学生の頃と違って生活は一転厳しいものとなり、朝早くから夜遅くまで仕事をしなけ
ればなりません。
そんな時も、手作りの冷凍おかずの出番です。
忙しい時は、食事がおろそかになりがちです。
冷凍して送られてきたおかずは、空腹や栄養を満たしてくれるだけでなく、何よりも親の愛情がたっぷり込められています。
そんな親心を感じた子どもは、どんなに大変でもまた翌日から頑張れるはずです。
今日も道路を走る、たくさんの宅配便の冷凍・冷蔵トラック。
その荷台に、親が我が子を思う気持ちが込められた、冷凍のおかずが積まれているかもしれないと思うと心が和みます。
くれぐれも、衛生に気を付けて料理・冷凍して、万全の注意を払って送ってあげてください。