最近食欲が落ちたような気がする、なんとなく元気がない、学校に行きたがらない、子どもにそんな様子が見られたら要注意です。もしかするとあなたの子どもがいじめにあっているかもしれません。
我が子がいじめられていると気付いた時、親として何をしてあげられるのでしょう?親として何をしなければいけないのでしょう?
親が焦ったりパニックになったりして事態を悪化させないためにも、我が子を守るためにできることについて一度、考えてみましょう。
子どもが安心できる場所を用意しよう
我が子がいじめられていることがわかった時、まず一番にしなければいけないことが子どもが安心できる場所を用意することです。安心できる場所には、身体が安心できる場所と心が安心できる場所の2つがあります。身体が安心できる場所とは
- 学校の保健室
- 自宅
- 習い事 など
とにかく子どもが安心だと思える空間のことです。
そして心が安心できる場所とは、親が子どもに
- あなたは悪くない
- あなたを絶対に守る
- あなたを誇りに思う
などと伝えることで生まれます。
いじめがわかると、つい子どもにどんなことがあったのかと、詰問してしまいがちですが、これ以上子どもを追いつめてしまわないよう褒めることから始めましょう。いじめられていることを我慢してきたことに対して、いじめられていることを話してくれたことに対して、また加害者ではなく、被害者であったことに対して、子どもとしっかり向き合い、傷ついた子どもの自尊心をケアしてあげましょう。
いじめを終息させるための有効な手段とは?
子どもに安心できる場所ができたら、次はいじめを終息させるための活動を開始します。そのとき、気を付けなければいけないことに、
- 加害者の懲罰だけを望まない
- 学校を敵に回さない
があります。親なら誰しも我が子の敵を討ちたい、加害者に罰を与えたい、加害者に仕返しをしたいと思わずにはいられないでしょう。しかし、その思いを加害者やその親にぶつけたとしても、実際に得られるのは硬直化した親関係だけであることを知っておいてください。
また、いじめがわかったとき、真っ先に相談するのは担任の先生を含めた学校になると思います。そして、それから先いじめを終息させていくために必要となるのも学校の協力です。そのため、学校がいじめを防ぐことができなかったなど責めるようなことをいうのはタブーです。できるだけ早くいじめを終わらせるためにも、責めるのではなく、いじめ問題を解決するための協力を申し出るようにしましょう。
学校にいじめ問題を伝えるときの留意事項として、必ず文書で伝えるようにしましょう。文書は具体的に、またできるだけ詳細に子どもから聞き取りを行ったうえ、作成し、傷がある場合には写真を撮ったり病院等で診断書を作成してもらったりすることも必要です。併せて文書にはいじめの加害者側からの謝罪がほしい旨と、いじめの再発防止案を盛り込み、回答期限を決めたうえで文書での回答を求めましょう。このように文書にすることで、同じ内容を複数の人に把握してもらうことができます。万が一、担任が何も対応しない場合は同じものを校長へ送ることができ、さらに校長も何も対応しない場合には教育委員会やマスコミ、場合によっては警察へと相談相手を変えていくことが可能となります。1週間、1ヶ月と同じ状況が続く場合には、迷うことなく相談相手を変えていきましょう。
まとめ
いじめを受けた子どもの心の傷は一生消えません。同時にいじめを受けたときにまわりの大人たちがどのように動いてくれたか、自分のために動いてくれたか、ということも一生忘れることはないでしょう。子どもが大人を信頼できる存在として認めることでその後の子どもの生き方も変わってきます。いじめ問題は子どもも親も辛く苦しい経験となります。しかし、この経験を決して無駄にはしないという強い信念で乗り越えていってほしいと思います。
いじめを受けたあなたの子どもとそれを支えたあなたに明るい未来が待っていますように。