私立幼稚園のイメージ
一般的に、私立は「お金がかかる」、公立は「自治体が月謝を負担してくれる」と言うイメージがあり、「うちは家計が厳しいから公立だな」と安易に考えていませんか?
私立幼稚園で普段聞くのは、「○○大付属幼稚園に芸能人やお金持ちの子供が行っている」だったり、「お受験幼稚園」だったり、テレビからの情報でイメージが作られているかもしれません。。
実際、幼稚園の費用は公立よりも私立は高いですので、間違ったイメージでは無いですが、自治体からの毎月の補助金はでるのでそこまででもありません。
幼稚園選びで何が重要なのか?今回は私立幼稚園のメリット・デメリットを紹介しながら、私たち家族の経験踏まえて幼稚園選びのポイントを記載します。
私立幼稚園のメリットとは?!
私立はちょっと、、、と言いながら、一般的に全国で公立(約4000)に対して私立(約7000)と圧倒的に私立幼稚園が多いので、公立が良いと言っても私立幼稚園に通わせるケースは多いのです。
では、私立幼稚園のメリットってなんでしょうか?いくつか挙げてみます。
独自の教育理念や方針を持っている
公立は自治体で教育方針を決定していますが、私立は創立者の教育理念を守りつつ教育方針を各園で策定しています。その為、各園によって教育の特色が異なり、中には児童教育研究などを併設して行っている園もあります。
幼稚園の行事が多い
公立よりも私立の方が、園の行事は多いので、お子さんの発表会など様々な思い出が作れます。夏祭りやクリスマス会と言った定番の行事だけでなく、文化祭、音楽会や園外活動など、様々な体験をする機会を設けている園が多いです。
親が園活動に参加するシーンが少ない
公立よりも行事は多いですが、親が行事に参加するのは発表会や当日の付き添いだけです。親だけを集めた行事の準備に呼ばれたり、大掃除に呼ばれたりと、親が園の活動を支援するような事はありません。
30代の先生が多い
これはあまり気にされない方もいらっしゃいますが、30代の先生だと経験も積んで子供たちとも一緒に遊べて、フットワークの軽い対応をして頂けるケースが多いです。
小学校受験に寛容
小学校受験を目指している家庭もあるので、受験を見据えた行事日程の設定や習い事による早退などにも理解を示してくれる園が多いです。
私立幼稚園でも一部の園では、下記のメリットもあります。
内部進学
私立の付属幼稚園の場合は、小学校は内部進学で進めます。もちろん試験はありますが、大半は内部進学できると聞いています。内部進学・エスカレーター方式は、受験をしなくて良いと言う魅力でなく、幼稚園から小学校の9年間を一貫した教育で子供を育てる事ができることが大きな魅力です。
幼稚園バス
これは地域によって違いますが、私立幼稚園は送迎バスがあるところは多いです。
時間外保育
現在こども園として時間外保育を行っている園は増えてきましたが、私立幼稚園では幼稚園が終わるとそのまま時間外保育をしてくれる園があります。
いかがですか?主だったメリットをあげましたが、共働き世帯には魅力的な項目もあるのではないでしょうか?「私立幼稚園の方が、公立幼稚園よりも親の負担を軽減してくれる」と言うことが多いかと思います。
しかし、一点だけ公立幼稚園も私立幼稚園も関係無く注意頂きたいのは、「お弁当」です。
お母さん方にとっては毎日朝早くから大変ですよね。できれば給食があった方が良いと考えるのは当然ですが、お弁当に関しては、公立も私立も関係がありません。
お昼ごはんを食べるのも教育です。食育と言う言葉もありますが、食べ物を通して学ぶ事でもありますので、教育方針により給食なのかお弁当なのかは決まることになります。
このようにいくつかのメリットをご説明しました。総じて言える私立幼稚園のメリットは、
- 園だけで意思決定できる為、「時代に沿った指導や家庭からの要望にある程度柔軟な対応ができる」
- 各園で教育理念と方針が異なるため、「特色のある教育」を受けられる
この2点だと思います。
では、デメリットはどんなところでしょうか?次に私立幼稚園のデメリットについて説明します。
私立幼稚園のデメリットとは?!
私立幼稚園も良い事ばかりでは無く、デメリットもあります。
入園料・学費が高い
これは一般的なイメージでもありましたが、確かに高いです。おおよその金額については、別記事「認証保育園・私立幼稚園にかかる費用とは?」に記載していますが、公立の2倍~2.5倍でしょうか。自治体からの補助金があるので、1.5倍~2倍弱程度かと思いますが、自治体の補助金は、「半期~4半期にまとめて」支払われるので、一時的には家計の負担になります。
制服や幼稚園道具が高い
これは園指定の制服などが必要な場合ですが、購入しなければなりません。指定ですので、ディスカウントストアのような値下げなどありません。
宗教色や教育法の違い
これは特に公立とは違う点ですが、創立者の理念により教育の方針は様々です。仏教系幼稚園やカトリック系幼稚園など宗教色が強い幼稚園もありますし、シュタイナー法・モンテッソーリ法・ヨコミネ式教育法などの教育法を取り入れた園もあります。また大学付属の場合は、独自の考え方に基づいた教育を行います。このように、園選びに非常に苦労します。
お受験幼稚園、付属幼稚園などの人気幼稚園は受験が必要
お受験幼稚園や付属幼稚園などは、受験を考えたご家庭が応募しますので、定員の2倍~3倍、多いところでは5倍となり受験が必要です。
親の私たちにとっては少々面倒な事項がデメリットとして挙がっているかもしれません。
メリットとデメリットを良く見ると、私立幼稚園は「入園するまでの苦労や費用」がデメリットで、「入園してからの生活・環境」はメリットだという事がわかると思います。
ここまで、メリットデメリットを紹介しましたが、これは親の視点です。子供の視点ではありません。一番重要な幼稚園に通う子供たちにとってメリット・デメリットはどうでしょうか?
子供にとって私立幼稚園のメリット・デメリット?!
一般的に私立・公立幼稚園比較のサイトを見ても、親としてのメリット・デメリットがほとんどです。子供にとってのメリット・デメリットはなんでしょう?
メリット
設備が充実している
様々な教育法を持った幼稚園、付属幼稚園では、子供達の遊ぶ遊具や道具は充実しています。お金があるから充実するのですが、子供たちにとっては様々な遊びをしながら学ぶ事も多いのです。
イベントが沢山ある
先にもお伝えした園の行事が多いと言う事ですが、子供たちにとってイベントの準備は新たに経験する事が沢山。工作・ダンス・歌・お遊戯・楽器など、様々な事を練習し発表します。様々な体験から自分の好きな事を探していくことができます。
友達とずっと一緒
幼少一貫であれば9年間、友達と離れることはありません。小さい頃からのお友達と長いお付き合いができれば、それは一つの財産です。お受験幼稚園でも、同じ目標を持ったお友達が多くいるので、子供ながらに競争心が芽生え、成長を促す事になります。
学年を超えた交流
付属幼稚園の場合、小学生も交えた活動を組む事もできます。給食を一緒に食べたり、園外活動に一緒に行ったり、お兄さんお姉さんと楽しみながら活動することができます。
デメリット
友達とずっと一緒
これはメリットでも記載していますが、表裏一体です。ずっと同じ友達と長くいる事で、他(外部)の友達を作る機会が減ります。
受験対策の勉強が必要
人気幼稚園等には、4歳ながらにして初めての受験を経験します。受験にあたり幼児教室へ通ったりと、遊ぶ時間を削って勉強の時間が必要です。
いかがですか?子供たちにとって幼稚園は人生初の教育の場であり、その教育の場でどう楽しく学べるかを考えるのが親の役目です。
では、幼稚園選定にむけて、私の実体験を記載します。
私たち家族の幼稚園選択
私自身は公立幼稚園・小学校・中学校、高校を卒業していますが、子供たちには自分の進路を決められる年齢(小学校?中学校卒業?)に様々な進路を選択できるような環境を用意する事を夫婦で
決めました。そして、2人の子供の性格や学ぶスタイルを、日々を通して見て感じる事を話し合いました。
私たち夫婦の子供分析
長女
マイペースで、言われた事を着実に実施し学ぶタイプ
やや消極的な面があり、人見知り?場所見知り?などは改善したい
次女
自らの道を切り開き、経験・体験して楽しく学ぶタイプ
行動力はあり、次女特有の長女に負けたくないという反骨心がある
将来を見据えた幼稚園選びと言う思いはあったので、長女には私立幼稚園(付属幼稚園)を受験することを決め、次女は私立幼稚園(お受験幼稚園)を受験する事を決めたのです。
長女の選定ポイント
マイペース
幼稚園3ヵ年では慣れる頃に卒業となる為、9ヵ年一貫教育の方が、着実に成長する可能性が高い
先生の指示を着実に実施
先生が引っ張って指導するタイプの幼稚園が良い
消極面
人見知りも、様々な活動や発表会を経験する事で克服して欲しい
次女の選定ポイント
楽しく学ぶタイプ
遊びながら・体感しながら、子供に気づきを持たせて指導するモンテッソーリ法
反骨心がある
学びながら、長女と同じ私立小学校を見据えた進路設計
このように子供達の性格ごとに、学ぶスタイルや改善したいポイントも交え、選定しました。
ここまで決まると合致する幼稚園を知らべ・見学し、「場所」「金額」「延長保育有無」で最終判断しました。
私たちの場合は、受験をして何とか希望を叶えることができましたが、子育てにおいては子供がメインなので、子供を良く見て無理の無い幼稚園を選定してください。
最後に
公立・私立幼稚園共に、現在の家族のスタイルと子供の性格・学ぶスタイルを考えて、是非お子さんが楽しめる幼稚園を選定してください。
子供は一人ひとり、成長するスピードは異なりますし、学ぶスタイルも異なります。幼稚園の段階で一番の注意するべき事は、子供が学ぶ事を嫌いになる事です。
是非とも皆さんのスタイルにあった幼稚園を選んでくださいね。