言われたとおり布団に戻ると、長男はまぶたを真っ赤に腫らして泣き疲れて寝ていたのです。
その姿を見て力が抜けて涙が溢れてきました。
放置はほったらかすことではなく見守ること
当時の私は長男の泣き声に過剰に反応して、泣けばすぐ駆けつけ泣き止ませようと必死でした。
そうすることでお互い離れることができず悪循環に陥っていたのです。
日本では夜泣きが当たり前のように言われていますが、実は欧米ではそうではありません。
正確には夜泣きという概念がないのです。
欧米の子育ては自立性と自主性を育てるために、あえて小さい頃から一人で寝る習慣をつけさせる家庭が多いのです。
添い寝や添い乳が当たり前の日本では想像できませんよね。
もちろん欧米の赤ちゃんも夜中に泣くことは普通にあります。
しかし日本のように急いで駆けつけて抱っこをするわけではありません。
泣き出してもすぐに駆けつけず少し様子を見、頃合いを図って声をかけるなどして安心させてあげます。
その間隔を少しずつ広げて繰り返し、自分で眠る力をつけてあげるのです。
日本で夜泣きを放置するとどうしても罪悪感に苛まれますよね。
「早く泣き止ませないと」
そうして自分を追い込んでしまうママたちはたくさんいらっしゃいます。
しかし、ほったらかすことが良くないのであって、放置することは時には必要なことなのです。
欧米のようにはいかなくとも、急いで泣き止ませようとすることをやめるだけでも良い効果があるのではないでしょうか。
赤ちゃん自身は自分で眠る力が身につきますし、ママも追い詰められることなくゆとりを持って接することができると思います。
「ほったらかしている」と思わず「見守っている」と思うことが大切です。
夜泣きは無理におさめようとしないで
サイレントベビーという言葉を聞いたことはありませんか?
泣いても相手をされないことが続くことで、泣いて感情を表すことができなくなる赤ちゃんのことを言います。
「夜泣きを放置するとサイレントベビーになってしまうのでは?」
と心配されている方は非常に多いかと思います。
実際私も不安ではありました。
しかしそれは極端にほったらかした場合に起こるのです。
神経質になりすぎる必要はないでしょう。
それでは具体的に『見守り』とはどのようなことなのでしょうか?
①夜泣きは仕方ないものだと受け止めること
夜泣きは一般的に低月齢の間に起こるものです。
成長とともに落ち着いて行くと思って、まずは受け止めてあげましょう。
②まずは5分ほど様子を見て
夜中に泣き出してもすぐに抱っこをせず、原因を探るためにまずは落ち着いて様子を見ましょう。
その後思い当たる原因を取り除いても泣き止まなければ夜泣きだと判断して対応しましょう。
③無理に泣き止ませようと思わないで
特にこれといった理由がなく泣き出すのが夜泣きです。
おむつやお腹の空き具合や体調に問題がなければ、急いで泣き止ませようと思わなくて大丈夫です。
③どうしても泣き止まなければ割り切って見守りに徹して
様子見後、声をかけたりトントンしてあげたりしても泣き止まない場合は見守りに徹しましょう。
そうして赤ちゃんもママもお互いに落ち着いてきた時にぎゅっと抱きしめてあげましょう。
夜泣きの見守りには周りの人たちの理解が必要
私自身、以前は周りのことを気にしすぎていたせいで、夜泣きの時に長男に意識を向けるのではなく外にばかり意識を向けていました。
結果泣き止まず、長男も自分もお互いに苦しくなっていたように感じます。
「夜泣きを放置する」
そのこと自体は日本の環境では難しく理解されにくいことです。
しかし、見守る意味での放置は悪いことではないのですよ。
赤ちゃんにとってもママにとっても必要な大切な時間なのです。
その時間を積み重ねることで、本当の意味でわが子と向き合えるようになるのだと思います。
ママが穏やかな気持ちで『見守り』をするためには周りの方たちの理解が必要になってきます。
周りの方たちは『放置』と受け取らず、ママの『見守り』を受け入れてあげてくださいね。
子育てをしていると思いどおりにならず悩むことも多いかと思います。
特に個人差が大きい夜泣きは、終わりが見えず途方に暮れる思いでしょう。
しかし、必ず終わりはやってきます。
周りの子と比べたり自分を責めたりせず、自分のペースで赤ちゃんと向き合っていきましょうね。
焦らなくていいのですよ。
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