2 歳児の子育てについて

魔の2歳児

「魔の2歳」なんて言われることがあるくらい、2歳はイヤイヤ期のピークで、子育てを大変と感じるお母さんが多いようです。うちは2歳の時はそれほどでもなく、3歳の時の方が大変だったように思います。男の子なので、精神的発達がちょっと遅かったのかもしれません。この辺は、子供の個性によって多少の差はあるのでしょう。

街を歩いていても、断末魔のごとく泣きさけびエビぞりになったり這いつくばって地面にしがみついたりしているのは、ちょうどそのくらいの歳の子が多いように思えます。

いったい何が気に入らないのか、お母さんは途方にくれてしまいますよね。癇癪を起す理由も、たいてい大人からすれば不可解なことばかり。ブロックが思うようにつみあがらないとか、バナナをまるごと1本食べたかったのに、お母さんが折ってしまったとか。

まわりの目も気になるし、イライラもする。どうして意味もなく「イヤ」と言いたがるのか、理解不能です。特に、自分が2歳児だったころの記憶ってほとんどの人がないですから、子供がどんな気持であるかを読み取ってあげることもできません。

2歳という年齢

よく、子供の脳は3歳までに80%完成する、と早期教育を進める広告にはでています。その真偽はともかく、赤ちゃんから子供になる1~2歳は爆発的に脳のシナプスは増加し、その後、脳の混乱を避けるために不必要なシナプスを減らして、動きをスムーズにしていくのだそうです。

あくまで私の想像ですが、2歳児の頭の中では、人生で最も多い数のシナプスが大量の信号を発して、どこをどうつなげたら一番近道かを右往左往して決めている状態なのかもしれません。一つ一つの動をする過程で、分かれ道がいっぱいある。大人で言えば、知らない土地に来て分かれ道がいっぱいあるなかで、一番の近道を探さなくてはいけない感じ。そう想像すると、イライラしてしまう子供の心情を理解できなくもありません。

余談ですが、自閉傾向のある子どもが大きな音や予定外のことが苦手なのは、周囲の音や声に対して、自分の耳に必要なことだけを拾い出すフィルターがうまく働かないせいなのだと、本で読んだことがあります。情報過多により、脳がパニックを起こしてしまうんでしょうね。もしかしたら、2歳くらいの子どもの頭の中と共通する部分があるのかもしれません。

衝動が抑えられない

そう考えたとしても、やっぱりなんでも嫌と言われたり、たびたび癇癪を起されたりするのは、保護者としては辛いものです。でも、ちょっと立ち止まって、母親側も2歳児に過度な期待をしていないかを見直してみることも、時には必要だと思います。

2歳といえば、はたから見れば赤ちゃんです。でも、ごろりと寝ころびミルクを飲んでいた頃を知っているお母さんからすると、走り回ることもできるし、言葉も話すし、こっちの言う事だってわかっている気がする。だからつい、話の分かる子供として扱いたくなります。

でも、大人の言っていることがなんとなくは理解できても、まだ我慢という事を知りません。待つことも苦手ですし、自分の「やりたい」という欲求を抑えることも苦手です。そのくせ、ちょっとついた知恵で自分の理想を作り上げて、その通りにならないと爆発します。さらに、未来のことは頭になく、「今」がすべて。「今度買おうね」は通用しません。明日があるってこと自体実感していないんですから。

それなのに見た目はなんとなくいっちょ前に見えてしまうので、母親としては「なんで分からないの?」と思ってしまいます。だってどんなに頭で理解しようとしたって、毎日接しているお母さんからしたら、イヤイヤばっかり言われればイライラしますよ。当然です。

具体的にうちの子はどうだったかなーと思うと、そういえばベビーカーで電車に乗っていたとき、靴下をすぐ脱いでしまって、わざと床に落とすんですよね。「落としたらママ怒るよ~」と怖い顔をして見せても、どうしても誘惑に勝てずに床に落としてしまい怒られる。

ご飯の時にも、わざと落とす。「落としたら目の前から物が消える」とう現象を、どうも楽しんでいるようでした。怒られるのはなんとなくわかっていながら、その衝動を抑えられないのが2歳児みたいです。「未来」の自分を予測する力が十分でないため、「今」の自分の行動が原因で「未来」の自分が怒られる、という因果関係がいまひとつ実感できていないのかもしれません。

それから、ずらーっと並べたおもちゃを、邪魔なので片付けると怒られました。本人的には、やっと完成させた芸術作品だったようです。「じゃあ一緒に片付けようね」と言って片付ければ問題なかったのかもしれませんが、勝手に片づけてしまったのが気に入らなかったのでしょう。今思うと可愛いのですが、当時は正直面倒くさかったです。

ある日、子供がご飯を食べながら食器(当時、子供にご飯を食べさせたくて新幹線のプレートを使っていました)に向かって、小さい声で「ダメでしょ、新幹線、こら、ダメでしょ」と、新幹線に説教しているのを見ました。多分、普段の私の口ぶりを真似したんでしょう。思わず笑ってしまいましたが、複雑な心境でした。お説教が日常化していたのでしょうね。

2歳児の「イヤイヤ」を扱うコツ

私の知人で、もうお子さんが高校生くらいになっている方が「2歳児の扱いなんて、うちは楽勝だったわよ~」と言っていました。その方はすごい裏技を編み出したんです。私はこの話を聞いた時にはすでに息子がイヤイヤ期を過ぎていたので、実践はしませんでしたが、母親にストレスが溜まらないいい方法だなと思いました。

それは、なんでも嫌!という息子の反抗期を逆手に取ったものでした。やってほしいことをわざと「絶対やっちゃだめ!」というのです。出かけるときの玄関先で「この靴は絶対はいちゃダメ!」というと、息子さんは「はく、はく」というんだそうです。単純ながら思いもつきませんでした。イヤイヤ期の子育ての中で、こんなユーモアのある方法を思いついた知人の方をすごいなと感じました。この方、普段からユーモアのある方でした。そのお子さんはすでに高校生くらいになっていましたが、マイペースでお母さん思いの優しい子に育っているようです。

でも振り返ると、私にも子供のイヤイヤに手を焼いていたとき、上手くなだめられたときにパターンがいくつかあったことを思い出しました。一つは、「じゃあ、しなくていいよ。やめる?でもこれやらないと、大変なことになるよ~」と、とりあえず無理強いをやめたときです。

例えば、車通りの多い道でベビーカーに乗りたくないと言い出したら「じゃあ乗らなくていいよ。でも、ママは荷物もあって手をつなげないから、車にひかれちゃうかもしれないよ?そしたらすっごく痛いし、怪我して遊べなくなっちゃうよ。それでもいい?どうする?乗る?歩く?」というように、ちょっと大げさに解説して、最終的に子供にどうするかの判断をゆだねる方法です。子供は自分の意志でそれを選択したと思うので、納得して従ってくれます。

もう一つの方法は、できない理由を大げさに作り上げて一芝居打つ方法です。例えば、飲食禁止のところで飲み物が飲みたい、お菓子が食べたいといいだしたら、その入れ物をだして「あれ?おかしいな?開かないや。壊れちゃったみたい」とか「ああ~これ辛いやつだった、食べたら口がひりひりになっちゃうけどどうする?」とか言ってみるのです。お友達の家で、触ってほしくない場所に興味をもってしまったら、「あそこにさわると大変だよ。ボンって爆発するかもしれないよ?やってみる?」なんて風に言ってみたこともありました。

また、危険なことをしているときのやめさせ方ですが、言って聞かない時は手を上げることもありました。できるだけ大げさに「危ない!」とか「だめ!」とか、声色を変えていうようにはしていましたが、その声が届かない時は頭をパシンとたたきました。子供は泣きます。しばらく泣いて、少し落ち着いてから「これをやって、もし怪我したら、こんな痛さじゃ済まないんだよ!」と強くいってきかせ、あとは抱っこしてあげました。

兄弟がいるとさらに大変


色々な工夫をして日々を乗り切っていたイヤイヤ期ですが、大変だったのは次男より長男の時かもしれません。性格的には次男の方が激しいんですが、次男の時は、イヤイヤの対応にはお兄ちゃんの手を半分借りていたので(私のいう事よりよく聞くので)あまり大変だとも思いませんでしたが。まあ、次男になるとちょっとイヤイヤをされても、こっちも動じなくなっていたせいもあるんですけれどね。

ただ、私の場合長男と次男が5歳離れているので、イヤイヤ期の子どもの下にもうひとり赤ちゃんがいる、という経験はしたことがありません。年齢の近い兄弟姉妹のいるご家庭では、もっといろいろな苦労があるようです。知り合いに、6歳児の下に2歳時、その下に乳児ちゃんと、3人のお子さんの子育てに追われている方がいますが、お母さんはどうにも疲れ果てた顔をしています。

どうしても乳児ちゃんには一日中手がかかるし、一番上の子もまだ自分ですべてできるわけではありません。真ん中の子は自我が強くやんちゃで、ちょっと目を離したすきにすぐどこかへ行ってしまいます。ご機嫌がめまぐるしくかわり、ちょっと1~2時間おしゃべりをしている間にも、その子は必ず1回はぐずってエビぞりになっています。お母さんのカバンにお菓子が入っていることも知っているので、勝手に出そうとします。ある意味、乳児ちゃんより大変のようで、その子はなかなか実家にも預けられないんだそうです。さらに上の子と真ん中の子も、ちょっと一緒にいると喧嘩を始めるようです。

また、先日スーパーでは双子の女の子を見かけました。たぶん2歳くらいだと思います。一人が泣き出すともう一人も泣きだし、二人してぐちゃぐちゃの顔をしていました。年子や双子だと、片方のイヤイヤにもう一人もつられるでしょうから、さぞ大変だろうと思います。でもそのママさんは、いつものことだと思っているのか冷静に対応していました。

ストレスはためこまないのが大事

そのように考えると、年の近い兄弟がいなかった分、おそらく私は楽な方だったのだと思います。だから私がストレスなんて言っても「そんなもんじゃない」と怒られるかもしれませんが、それでもイラッとさせられることは度々ありました。

私が2歳児の育児でストレスをためないために心がけていたことは、あんまり我慢しない事でした。相手が2歳児だからといって、頭に来るときは来るんです。その時は怒ります。チビ相手に大人げないんですが、ため込んでずっと機嫌が悪いままでいるよりは「こら~!!!」って怒って、子供がケロッとしたら自分もケロッと忘れてしまうくらいの方が、全体的に見ていいかなと思ったのです。

私は変な理想があったのですが、男の子の母親になったときにはいわゆる「肝っ玉かあちゃん」みたいなのに憧れていました。やんちゃな男の子相手に「この悪ガキ!!」なんて怒鳴りながらも、頼りがいのある、肝のすわった動じないお母さんです。

私の母親が全く違うタイプでしたし、私自身も自分がメンタルがそう強くない方だと自覚していますから、きれいで優しい理想的なお母さんなんて、きっと演じられないことはわかっていましたから。ドラえもんに出てくる、のび太君やジャイアンのお母さんみたいに、怒ったり笑ったり、いかにもお母さんっていうような、安定した存在でありたいと思っているのです。

子供が小児科でぎゃんぎゃん泣いても、お菓子がほしいとスーパーで泣いても、嫌だなあという気持ちより「元気がいいけどしょうがない子だなあ」と、その状況を半分面白がるようにしていました。周囲の方にはご迷惑をかけているので、それもどうかとも思うんですが、でも大人にしたら何でもない事に必死になっている姿って、なんか子どもならではで、面白くて愛おしい。そう思うと、あまりストレスにもならなくなります。

大変な時期も過ぎればあっという間

うちの子どもたちはもうある程度話の分かる歳になってきていて、これから起こる反抗期と言えばもっとたいへんな思春期が控えています。2歳児は一般的に言ってまだ赤ちゃんです。子供が小さい時はすべてが大変に思えますが、あっという間に赤ちゃん時代は過ぎ去ってしまいます。

うちはもう、下の子が小学校に入学したら、幼児ちゃんすらいなくなります。小学校に入学すると、駄々をこねて泣き叫ぶこともありません。顔をぐちゃぐちゃにして、わけのわからないことを世界の終りのように訴えることもなくなります。そう思うとなんだか寂しくて、外出先や保育園で赤ちゃんやよちよち歩きの子を見ると、例えぐずっていても可愛くてたまらなくなります。

子どもは3歳までで一生分の恩返しをするといいます。確かに、3歳までは本当に天使のような特別な可愛さがあります。毎日毎日、イヤイヤに付き合っているとこれがずっと続くように思えますが、過ぎてしまうとあっという間です。この期間の子育てを、イライラだけで過ごしてしまうのはもったいないです。子供をおもいきり抱きしめて、泣いている顔をまじまじと眺めてみてください。おもわず笑ってしまう瞬間があります。今しかないこの時期を、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

30代後半、10歳と5歳の男の子の母です。 平日は、子供を学童と保育園に預けてパートタイマーとして働いています。慌ただしいながらも頑張りすぎず、気楽で楽しい育児をモットーに、賑やかで幸せな日々を送っています。