縁あって家族になった
世間には様々な「家族」の形があります。
男女が互いの意思で結婚してひとつの家庭を作り、子どもが生まれて「家族」になる、という形が大半かと思います。
しかし働き方やライフスタイルが多様化し、離婚や再婚のハードルが高いものではなくなったこの現代では、家族の姿も多様化しています。
その一つに、パートナーの子ども、いわゆる「連れ子」と家族になるというケースがあります。
勿論、血は繋がっていません。
自分が「人生を共に歩む相手」と決めて結婚したのですから、子どものことも気持ちの整理をつけて受け入れているはずですよね。
ただ、「大事な人の子どもだからかわいいとは思うけれど、愛することが出来ない。」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
縁あって家族になった連れ子というものは、絶対に心から愛さなくてはいけないものなのでしょうか?
自分の気持ちを正直に認めていい
連れ子を愛することが出来ない、と悩んでいる方は、それだけで心が優しい人です。
「自分に恥をかかせなければいい。」「連れ子だけど、世間にはいい親だと見られたい。」等、自分の保身や建前が前提である方もいらっしゃるでしょうが、まずは「愛することが出来ない。」という気持ちは正直に認めていいと思います。
ただし、それはあくまでもご自身の心の中だけでの話です。
パートナーの前でも、気心の知れた友人でも、絶対に口に出してはなりません。
口に出した時点で、いつ子どもの耳にその言葉が入るかわからないのだ、と、自身を律しなければなりません。
家族となった以上は、パートナーと一緒に子どもを一人の大人に育て上げるという社会的責任を負います。
将来の社会を担う子どもに、「自分は愛されていない。」というネガティブな感情を持たせては、子どもが本来持っている力が萎縮し、心身が健やかに育ちません。
それは一人の大人として、社会の一員として、決してやってはいけない事です。
自分が、より成長するきっかけ
縁あって家族となった子どもですから、特別な存在である事は間違いありません。
「愛さなくては」と、無理して肩に力を入れるより、一人の人間として尊重し、接してみてはいかがでしょうか?
子どもの年齢にもよりますが、話や悩みを聞き、相談に乗り、アドバイスすることは人生の先輩である私たちには出来るはずです。
まだ幼い子どもでしたら、子育ての大変さを知る、良いきっかけになるでしょう。
子どもの成長に寄り添うことは、自身も人間として成長する事が出来る、これ以上ない機会であり、貴重な時間です。
夢中になって寄り添っている間に、人間同士の情は生まれてきます。
それも、一つの愛と言えるのではないでしょうか?