公園デビューという言葉は、今や知らない人はいないかも知れません。ようやく歩き始めたお子さんのいるママには、重大な関心事の一つとも言われています。
しかし、この公園デビュー、本当にそんなに大事なことですか?
そもそも公園デビューって何なの?
公園デビューとは、子供がよちよち歩き始めた頃に公園に連れ出し、そこに集まっているママ達とのコミュニティーに参加することです。核家族化によって、コミュニティをママ自身で探さなければならなくなり、最もママ友が出来やすい場所が公園ということで、その公園に子供を連れて遊びに行く最初の日のことを言います。
この言葉自体は昭和の頃にはなく、平成2年中頃にマスコミによって使われるようになり、有名になった言葉のようです。
公園デビューのメリット、デメリット
メリットは目的でもあるママ同士のコミュニティに参加出来るということです。その最大なるものは、情報交換が出来ることにあるでしょう。近い将来に通うであろう保育園や幼稚園の情報、子供のファッション、教育や習い事など、欲しい情報がすぐにリアルに受け取ることが出来ます。また、子供以外の関心事、ママ達のファッションやコスメ、インテリアに至るそれらの情報までもが受け取れます。そして、ママ同士で話せることでストレスも発散出来ますし、更には子供連れでお出掛けの計画なんて、同じ子供を連れている同士なので気兼ねもなく、助け合うことも出来るので、きっと楽しいですよね。
しかし、デメリットもあることは知っておいて下さい。まず、そのコミュニティが自分や子供に合っているかどうか見極めも必要です。もし合っていなかったら、それだけで苦しむ材料になりかねません。子供同士のトラブルからコミュニティに居辛くなったり、親同士のトラブルでストレスが溜まったり、精神的な苦痛を被る可能性もあります。トラブルを避けるために我慢して更にストレスを抱えてしまっては本末転倒です。公園デビューを果たさなければという脅迫的な感情や、他の親達と仲良くしておかなければ子供に友達が出来ないかも知れないという不安から、精神を崩す人もいるということも知っておいて下さい。
一番忘れてはいけないこと
本来、公園デビューとは必要なことなのでしょうか。ママ達のコミュニティが大事なのは解りますが、公園はそもそも子供同士が遊ぶ場所で、大人達が集団を作る場所ではありません。親のコミュニティ自体は子供が保育園や幼稚園、学校に行きだしたら出来るものです。行事に参加したり、お手伝いしたり、そんな中で出来るママ友は、同じ考えで集まることが多いので、ストレスも少なくて済みます。
また、公園で仲良くなってママ友で楽しくお喋りしていても、子供から目を離すなど以ての外ですよ。
先日も、アスレチックで高いところに一人で立っていた三歳くらいの女の子の横を、狭い通路なのに小学生の男の子達が走り抜けていて、ぶつかったら危ないなぁ、落ちてしまったらどうするんだろうと、ヒヤヒヤしながら見ていました。ママはどこ? と見ていると、少し離れたベンチでお菓子を食べながら、ママ友同士でお喋りに夢中でした。もしそこから落ちたら? もし知らず知らずに何処かに行ってしまったら? はたまた誘拐されてしまったら?この状態では、この子のママは気付かないだろうなぁ……と心配していました。見守りをしている内にママの所に帰れたので、私も帰ることができたのですが、さすがに、あれはないなぁと思ってしまいました。
公園デビューは無理してまでしてもしなくていいのですよ。公園でなければママ友が出来ないということもありません。公園は子供が安全に遊ぶ場所です。ママ達はお喋りするためにそこにいるのではなく、子供を見守るためにいるはずですよね。そして、一緒に楽しんで遊んであげられたなら、子ども達にとっては最高の時間になるでしょう。
リアルタイムでの情報収集をしたいなら、同じ目的を持っていることが分っている、サークルや地域の子育て事業に参加するのもよいのではないでしょうか。
公園の中であるならば、子供が遊んで楽しい時間と、ママ達がお喋りして楽しい時間、本当はどちらが大切なのか考えてみて下さいね。